近年、耳にする機会が増えた「カスタマーサクセス」。サブスクリプション型のビジネスモデルが普及したことで、顧客と企業の関係が継続的なものになり、重要視され始めました。
カスタマーサポートとは何が違うのか、どのようなメリットがあるのかなどを本記事では解説していきます。
目次
カスタマーサクセスとは、能動的に働きかけ「顧客の成功」を目指すこと
カスタマーサクセスは「顧客の成功」と直訳され、顧客が実現したいこと(=成功)に対して、自社のサービス価値を最大化させて利用してもらうため、能動的に働きかけることです。
例えば、営業リストを簡単に作成できるサービスを提供しており、顧客が「大阪府に所在する企業の営業リストを作成したい」とします。その際に、サービスを提供している企業側は顧客に対して有効的な使い方をレクチャーしたり、営業リストのダウンロード数を増やすためのプラン変更を提案するなど、顧客の状況に合った働きかけを行います。
注目される背景は、サブスクリプション型のビジネスモデルの登場
注目される背景のひとつに、サブスクリプション型のビジネスモデルの普及があります。
サブスクリプション型は顧客が利用した期間に応じて料金を支払う仕組みです。例えば、「月額1000円で音楽が聴き放題になるサービス」「月額600円で映画やバラエティー番組が見放題になるサービス」などが有名でしょう。
サービスを提供する企業側は、「売り切り」で利益を出すのではなく「継続」で利益を出し続けることが重要です。また、継続的な利用が見込めると、利益の予測を立てやすくなるといったメリットもあります。
しかし、顧客にとっては利用のハードルが低くなったと共に、サービスから離れやすくなりました。企業側は、不満を持ち離れる顧客を食い止めるためにも、関係性の構築が重要です。
顧客の不満や課題を解消し続けることでサービスの利用価値を提供して、継続的な利益を得るためには、カスタマーサクセスが必要なのです。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスと似た取り組みに「カスタマーサポート」があります。
顧客のフォローを行う点では似ている部分もありますが、目的や姿勢などの性質は大きく違います。
カスタマーサポート | カスタマーサクセス | |
顧客の抱える 問題や不満の解消 |
目的 | 顧客の成功 |
受動的・守り | 姿勢 | 能動的・攻め |
対応件数 解消までの時間 |
成果指標の例 | 解約率 LTV(顧客生涯価値) アップセル・クロスセル率 |
カスタマーサポートは、顧客がサービスを購入した後のアフターフォローとして、問い合わせやクレームに対応し顧客の抱えている問題や不満を解消することが目的です。企業側はクレームなどを待つ受動的な姿勢であり、担当者が評価される指標は対応件数や解消までの時間の短さなどが挙げられます。
カスタマーサクセスを導入するメリット
顧客生涯価値(LTV)を上げられる
カスタマーサクセスを導入すると、顧客生涯価値を上げることができます。顧客生涯価値とは、ある顧客が生涯の中でサービスを提供する企業に対してどれだけの利益をもたらすか、といったものです。Life Time Valueの頭文字を取り、LTVとも言われます。
カスタマーサクセスによって顧客にとってサービスの価値を最大化させ、より高いプランを購入させるアップセルや、関連サービスを追加で購入させるクロスセルへ導くことで、顧客生涯価値(LTV)を上げられます。
結果が具体的な数値で測れる
カスタマーサクセスは具体的な数値で結果を表せます。そのため、数値の目標を設定し、継続的に活動を行うことでサービス自体の売上の向上につながります。
例えば、サービスを継続的に利用してもらい利益を出すためには、解約率の数値を下げる必要があります。企業側は顧客に対して、積極的に聞き取りなどで疑問点の解消を行い、顧客が不満を持たないようにすることが必要です。
他にも顧客に合ったプランを提案することで、アップセル・クロスセル率の数値と顧客生涯価値(LTV)の数値を同時に上げられ、売上を向上させられます。
その他の数値の種類や算出方法は以下のページに記載していますので、確認してみてください。
サービスの改善が容易
カスタマーサクセスは常に顧客との接点を持っています。そのため、変化が激しい顧客のニーズや市場の変化などを汲み取りやすく、サービスの改善に繋げられます。
顧客にサービスを使い続けてもらうためにも、ニーズや市場に合わせることが重要です。
カスタマーサクセス担当者の仕事内容
担当者の仕事内容は主に以下の3つです。
- サービスの導入提案・支援
- 利用の継続や併用を提案
- 疑問点や不満の解消
まずは顧客の課題を見つけ、サービスの価値を伝えることで導入の提案や支援を行います。導入後は継続して利用してもらうため、クロスセルといったサービス併用などを提案し、サービス価値の最大化を図ります。そして、継続して利用する中で生まれる「使い方がわからない」などの疑問点や不満を解消していきます。
これらの仕事をこなすためには、顧客との関係性を構築するコミュニケーション能力や情報分析力などのスキルが必要です。顧客に対して臨機応変に対応しましょう。
いかがでしたか?
カスタマーサクセスは「顧客の成功」を目的と定義し、企業自ら顧客へ働きかけます。
サブスクリプション型のビジネスモデルで利益を生み出すためには、継続的に顧客と関係性を構築しなければなりません。カスタマーサクセスを運用することで関係性を構築すると同時に、顧客生涯価値(LTV)をはじめとする具体的な数値を設定し、サービスの改善などに役立ててみてください。
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