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イケア効果とは?ビジネスへの活用方法もご紹介します
自分で組み立てたものや育てたものに、既製品よりも愛着を感じたことはありませんか?
この傾向は「イケア効果」と呼ばれ、製品開発やモチベーション管理などの場面で活用されています。
今回はイケア効果についての基本的な説明や、活用方法をご紹介します。
目次
イケア効果とは、自分で作ったものを高く評価する傾向のこと
イケア効果とは、自分で手間を加えたものに対しては、完成したものを与えられたときよりも高い価値があると感じる傾向のことを指します。人間は労力や手間をかけることによって、自分で成し遂げた満足感を得て、本来の完成品のクオリティや価値よりも高く評価してしまう傾向にあります。
組み立てが必要な家具を販売する大手メーカーのIKEAに由来しており、自分が組み立てた家具は買ってきた完成品よりも愛着が湧くことを指します。この効果は、商品だけでなく、サービス開発やビジネスなど幅広い分野に活用できるとして注目されています。
イケア効果は、自分で最後まで完成させないと生じない
イケア効果は自分で完成させたものにだけ適用されます。途中まで作り上げ、他の人が完成させたものには愛着が湧きにくく、主観的な価値の向上には繋がりません。
そのため、あまりにも難しい作業を要求してしまうと、結局は他人に任せることになってしまい、イケア効果は見込めません。
イケア効果の例
ホットケーキミックス
イケア効果を活用した商品の代表例として、ホットケーキミックスが挙げられます。有名なエピソードとして、焼くだけで完成する状態まで用意されたホットケーキミックスよりも、自分で卵などの材料を入れて混ぜてから焼くホットケーキミックスの方が消費者からの評価が良かったというエピソードがあります。
このエピソードから、「自分で材料を入れて混ぜる」という工程が消費者にとって「自分で作った満足感」を持たせ、ホットケーキに愛着が湧いたと考えることができます。このように、自分が作ったものに対する満足感や愛着を持たせるためにイケア効果を活用することができます。逆に、あまりに消費者の手間がかからない商品を提供しても、消費者自身が手抜きをしたと感じてしまうことがあるとも言えます。
家庭菜園
自分が時間や手間をかけて育てた野菜等を特別美味しいと感じた場合、イケア効果が発揮されています。また、いちご狩りや野菜の収穫体験などのアクティビティも、「自分で収穫する」という手間を加えることによって、食べ物をより美味しく感じさせるといった効果があると言えます。
プラモデル・パズル
プラモデルやパズルも、購入者が自分で組み立てさせることを通して、イケア効果が発揮されている商品の一つです。絵画やイラストなどのジグゾーパズルは、自分で完成させることで完成品を購入するよりも愛着が湧き、イケア効果が発揮されていると言えます。
音楽ストリーミングサービス
「Spotify」や「Apple Music」などの音楽ストリーミングサービスには自分でプレイリストを作成する機能があります。自分で編成したプレイリストは、「自分で曲を選ぶ」という工程を挟むことで、作成しているときの気持ちや思い出が印象に残るようになり、他人が作った同じプレイリストよりも愛着が湧きます。
イケア効果を活用して社員のモチベーションを向上させる
イケア効果は何かを作り上げた実感によって満足感が得られるため、商品の設計だけでなく社員のモチベーション向上にも活用できます。
例えば、プロジェクトの一部分のみを請け負う社員と、最後まで手がけた社員ではプロジェクトへの愛着や達成感が異なります。また、他社への委託を行わずに自社だけで作り上げた商品や、自ら立ち上げた部署などには社員の強い愛着が期待できます。
このようなプロジェクトや組織管理を行うことで、自分の会社や組織にとって愛着がある、モチベーションの高い社員を育成できます。
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