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アンカリング効果とは?ビジネスへの活用方法や注意点を紹介します
アンカリング効果という言葉をご存知ですか。アンカリング効果は心理効果の一つであり、ビジネスへ活用することで、企業に利益をもたらす可能性があります。
この記事では、アンカリング効果のビジネスへの活用方法や、活用する際の注意点を紹介します。
目次
アンカリング効果とは、最初に与えられた情報がその後の意思決定に影響を与える効果
アンカリング効果とは、先に与えられた情報によって、その後の意思決定や行動が影響を受けてしまう心理効果です。情報を十分に持たないときには、特定の情報を基準として判断する傾向があるためアンカリング効果が起こります。
アンカリングとは、英語で「Anchoring」と表記され「錨で船を係留する」という意味があります。船を錨で固定してしまうと、錨を下ろした場所からある程度の距離しか動けなくなります。船が錨によって固定されるように、最初に与えられた情報が意識の中で固定され、その後の意思決定が影響を受けてしまうということからアンカリング効果と呼ばれています。
アンカリング効果の活用方法
販売価格の表示に活用する
アンカリング効果は販売価格の表示に活用できます。スーパーのチラシやPOP上にメーカー希望小売価格とともに割引価格を表示しアンカーとすることで、それを見た消費者にお得感を感じさせられます。さらに、期間限定や先着などの情報を加えると、消費者が「お得な今日のうちに買っておかなくてはいけない」と考える可能性があるため、購入につながりやすくなります。
また、普段の生活で行くスーパーマーケットだけでなく、アウトレットモールのように日常的に行くことが少ない場所でも同じ方法で方法でアンカリング効果を活用できます。アウトレットモールでは単に商品を割引価格で手に入るだけでなく、場所の特別感もあるため、消費者は「普段来ないし、安く買える今買っておかなくてはいけない」と考えます。
営業に活用する
営業においても販売価格の表示に活用するのと同様の方法で活用できます。例えば、最初にアンカーとして商品の参考価格を顧客に紹介し、その後に割引価格を提示することで、顧客は「この機会に買っておいた方がいいかもしれない」と考え、アンカリング効果が働く可能性があります。
また、営業で自社の得意な分野を積極的に発信して、自社の強みをアンカーとして顧客に認識してもらうことができれば、その分野に関する情報を求める顧客と契約できる可能性が高まります。
人事採用に活用する
人事採用へのアンカリング効果の活用も有効です。就職先を探す際には、年収も一つの判断材料になります。同業他社よりも年収例を高くしておくことでアンカーとして情報を利用できます。様々な情報を収集し就職先を模索している人であっても、年収の情報だけでその企業に前向きな印象を抱きやすくなります。
アンカリング効果を活用する際の注意点
長期間のアンカリングは効果が薄くなる
長期間にわたってアンカリング効果を用いると効果が薄くなります。アンカリング効果は情報を持っていない人に対してアンカーとなる情報を与えることで発揮されるため、時間が経過し情報を手にした後では十分な効果は得られません。例えば、商品の価格にアンカリング効果を用いた場合では、顧客は割引された価格に慣れてしまい当たり前だと考えてしまうおそれがあります。
二重価格表示に注意する
値引き前と値引き後の価格を販売価格に表示する際には二重価格表示に注意する必要があります。アンカリング効果を活用するためにこの二重価格表示を活用する際、値引き前の価格は「一定期間の販売期間がある」といった実績や根拠がなくては、景品表示法違反になるおそれがあり、注意が必要です。例えば、実際の価格が1,000円の商品に対して「通常価格10,000円のところ1,000円で販売します」と表記してしまうと不当な表示と見なされるおそれがあります。
アンカリングが有効でない商品がある
アンカリング効果はどのような商品でも有効なわけではありません。例えば、参考価格が認知されやすいペットボトル飲料などの商品は、消費者が相場に対して理解している可能性があります。そうすると消費者が商品に対する十分な情報を持っていることになり、アンカリング効果を見込めません。
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