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「バイアスがかかる」とは?ビジネスシーンで陥りやすい例も紹介
「バイアスがかかる」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。バイアスは「偏見」「先入観」などの意味を持ち、学問の領域で使われる機会の多い言葉ですが、ビジネスシーンでも目にすることが多いのではないでしょうか。
この記事では、「バイアスがかかる」の意味やビジネスシーンでの使われ方、陥りやすい具体例を紹介します。
目次
「バイアスがかかる」とは、偏見や先入観にとらわれること
「バイアス」とは、「偏り」「偏見」「先入観」といった意味があり、語源は英語の「bias」です。日本でバイアスという言葉が使われ出したのは、統計学や心理学といった学問の分野が始まりだと言われています。
なお、英語の「bias」はポジティブな意味でも使われることがあるため注意が必要です。
「バイアスがかかる」は、バイアスという言葉を使った熟語表現としては最もよく目にするフレーズです。「バイアスがかかる」とは、偏見や先入観にとらわれることを意味します。
心理学におけるバイアスの代表例
心理学におけるバイアスの代表例には、以下のようなものがあります。
ビジネスシーンで起こり得る具体例も合わせて紹介します。
- 確証バイアス
自分にとって都合の良い情報だけを無意識に集めて、反証する情報を無視すること。
(例)働く母親は仕事より家庭を優先して当然だと思う、周りのママ友もそう言っていた。LGBTは一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいないと思う。 - 自己奉仕バイアス
成功したら自分自身の能力のおかげ、失敗したら自分ではどうしようもない外的な要因だったと思い込むこと。
(例)仕事で結果を出せたのは、自分の能力のおかげだと思う。営業でいい成績を取れたら自分の努力によるもの、悪い成績を取ってしまったら運が悪かったと思う。 - 後知恵バイアス
物事が起きた後で、それが最初から予測可能だったと考えること。
(例)部下の失敗を知った上司がこうなることは分かっていた、と思う。同僚が失敗したときに自分ならもっとうまくやったのに、と思う。 - 正常性バイアス
危機的状況になっても「自分は大丈夫だ」という思い込みから、不都合な情報を無視したり、過小評価したりすること。
(例)自分の会社に限って不正をするわけがない。今回はたまたま起こっただけで特に原因を突き止める必要はない。 - 内集団バイアス
自分が所属している集団に対して肯定的に評価したり、良い印象を受けやすいこと。
(例)民間企業の自分たちは公務員よりも立派だと思う。○○さんは出身大学が同じだから優遇しよう。 - 生存者バイアス
成功した人や企業の経験ばかりに注目し、他に存在する多数の失敗事例を顧みないこと。
(例)フリーランスに転身すれば自由になれる。起業をすれば富裕層になれる。
「バイアス」のビジネスシーンでの使われ方・例文
「バイアスがかかる」
「バイアスがかかる」は考え方やモノの見方に偏見や偏り、先入観にとらわれることを指します。また、「バイアスに陥る」という言葉もありますが、意味や使われ方は「バイアスにかかる」と概ね同じです。
【例文】
- 多くの人には「高齢者はITに向いていない」というバイアスがかかっている。
- 男女の役割に対するバイアスがかかり、ハラスメントが横行している。
「バイアスをかける」
「バイアスをかける」は「バイアスがかかる」と反対の意味を持つ言葉で、意図的に偏見や先入観を作り出し、固定観念にとらわれるように仕向けるという意味です。
【例文】
- 部下を持つ立場として、バイアスをかけるような言動はすべきではない。
- インタビュー調査では、回答者にバイアスをかけないよう注意する必要がある。
ビジネスシーンで陥りやすいバイアスの具体例
過去の経験によるバイアス
ビジネスシーンで何かを決定するときに、過去の経験によるバイアスにかかっていると、自分の視野を狭めることになりかねません。「以前この方法で上手くいったから全く同じ方法を取るべきだ」という考え方は、状況を正確に把握できなかったり、新しいことに挑戦できなかったりというデメリットが生じます。
高学歴の人は誰もが優秀であるというバイアス
ビジネスシーンでは、学歴によるバイアスも存在します。無意識のうちに「高学歴の人は誰もが優秀である」というバイアスにかかっている人も少なくありません。例えば、就職活動での書類選考で、より偏差値の高い学校に通っていた経歴を持つ人が合格になるという場合、学歴に対するバイアスがあるといえます。
男女の役割についてのバイアス
ビジネスシーンでは、未だ男女の役割に対する偏った見方や固定観念が多く存在し、これらをジェンダーバイアスと呼びます。「事務職は女性に向いている」「営業職は男性に向いている」といった考え方もジェンダーバイアスの一つです。
「女性だから」「男性だから」という理由で偏った見方をするのではなく、ジェンダーバイアスを取り払い、個人を尊重した組織作りを行うことが大切です。
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