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デプスインタビューとは|メリットや相手の本心を聞き出すコツを紹介
「デプスインタビュー」をご存知ですか?聞いたことがあるけれど、実際にどのようなことをするのかよく分からないという方もいるかと思います。
今回は、デプスインタビューの概要やメリット・デメリット、相手の本心を聞き出すためのコツを紹介します。
目次
デプスインタビューとは、対象者と1対1で対話するインタビュー方法のこと
デプスインタビューとは、インタビュー対象者とインタビュアーが1対1で対話するインタビューのことで、市場調査の際に行う定性調査手法の1つです。英語では、「Depth Interview」と表記されるため略してDIと呼ばれたり、1on1インタビュー、IDI(インデプスインタビュー)とも呼ばれたりします。
1回のインタビューあたり1時間〜1.5時間ほど要し、大体10人〜20人程度を対象に実施するため、1つのテーマに関して深く話を聞ける点が特徴です。
定性調査の方法には、目的に合わせた様々な調査方法があります。代表的な定性調査の方法には、デプスインタビューの他にグループインタビューがあります。この2つの調査方法を比較したものが下の表です。
デプスインタビュー | グループインタビュー | |
調査内容 | 1対1のインタビュー形式 | 1対複数のインタビュー形式 |
調査 対象人数 |
1名 | 4〜6名程度 |
調査 実施時間 |
1時間〜1.5時間程度 | 1時間程度 |
調査の目的 | 顧客の意思決定プロセスを掘り下げ把握するため | 商品やサービスに対する評価を顧客の属性別に理解するため |
調査に 適している テーマ |
第三者がいると話しづらいテーマ 例)お金に関する話、健康・病気に関する話題など |
会話形式で話しやすいテーマ 例)既存商品やサービスに関する話題など |
メリット | 他人の意見に流されずに話が聞ける 必要な情報収集が行える |
顧客からの評価をまとめて確認できる 効率がよくコストを抑えられる |
デメリット | 1回あたりのインタビューのコストが高く効率が悪い 他の人の意見が聞けない |
他の人の意見に流されてしまい、本音が聞き出せない場合がある |
デプスインタビューの活用場面
デプスインタビューは、マーケティング活動の中でも以下のような場面で活用されます。
- 新商品の開発をする場合
市場調査やターゲット把握、初期の仮説立案のために活用されます。 - 既存商品の改善をする場合
想定顧客の悩みやコアニーズを把握するために活用されます。 - 既存商品に対するマーケティング手法を見直す場合
認知から購入、アフタサービスまでの一連の流れで顧客が感じた満足点や不満点を洗い出すために活用されます。
デプスインタビューのメリット
対象者本人も意識していなかったニーズを把握できる
デプスインタビューの1つ目のメリットは、インタビュー対象者自身も意識していなかった潜在ニーズを把握できるという点です。デプスインタビューでは、1人あたり1時間〜1.5時間程度かけインタビューを実施するため、顕在化したニーズや価値観に加えて潜在的なニーズを明らかにできます。
購買行動の裏にある背景が分かる
デプスインタビューの2つ目のメリットは、顧客が商品・サービスを購入するに至った行動の裏にある背景を知れることです。顧客が商品・サービスを購入するまでには、様々な理由や経緯があります。購買行動の理由や経緯を明確にすれば、マーケティング施策の立案に役立ちます。
デプスインタビューのデメリット
偏った意見や情報しか得られない場合がある
デプスインタビューの1つ目のデメリットは、偏った意見や情報しか得られない場合があるという点です。1対1のインタビュー形式で会話が進み他者との対話ができないため、意見交換ができずアイディアが行き詰まったり、議論に発展せず結果に偏りが出たりします。
他のインタビューに比べてコストがかかる
デプスインタビューの2つ目のデメリットは、他のインタビュー調査に比べてコストがかかることです。デプスインタビューは、通常一人あたり1時間〜1.5時間インタビューに時間を要するため、5人程度を約1時間で行えるグループインタビューと比べてコストがかかります。
また、デプスインタビューでは収集できる情報量が多いため、情報分析やレポート作成に時間がかかる点も理解しておかなければなりません。
デプスインタビューの手順
デプスインタビューの代表的な手順は以下の通りです。
|
デプスインタビューで相手の本心を聞き出すためのコツ
話しやすい環境を作る
デプスインタビューでは、相手の本心を聞き出すために話しやすい環境を作ることが大切です。インタビュアーばかりが話しすぎて、意見を誘導しないように注意しなければなりません。インタビュアーが聞き役に徹することで、相手の本音を引き出しやすくなります。
相手の話に共感する姿勢を持つ
相手に信頼し本音を話してもらえるよう、相手の話に共感・同調する姿勢を持つことも大切です。1人で話していると相手の反応が気になりうまく話せなくなることがあります。そのため、「先ほどこのように仰っていましたが、どう感じましたか?」など、相手の話を受け止めていることが分かるように会話の内容に触れるとよいでしょう。
また、適度に相槌を打ち共感する姿勢を見せると相手は安心して話せるため、本心を聞き出しやすくなります。
本心を探る質問を投げかける
デプスインタビューでは、どれだけ相手の本心を聞き出せるかというスキルがインタビュアーに求められます。相手の本心が探れるような質問項目を事前に考えておきましょう。また、事前に考えた質問を投げかけるだけでなく、インタビュー中も臨機応変に質問を変え、相手の本心を聞き出しましょう。
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