ツァイガルニク効果とは？活用するメリットや注意すべきことを紹介

ツァイガルニク効果という言葉をご存知ですか？ツァイガルニク効果は人間の心理効果の1つで、テレビ番組やWebサイトといった身の回りのあらゆる場面に用いられ、効果を発揮しています。

この記事では、ツァイガルニク効果を活用するメリットや、注意すべきことを紹介します。

ツァイガルニク効果とは、達成した事柄よりも達成していない事柄の方が強く記憶に残る現象のこと

ツァイガルニク効果とは、達成した事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄の方が強く記憶に残る現象のことを指します。勉強をしている時に解き方が分からず後回しにした問題のことが気になってしまったり、恋愛において、付き合っていた相手に振られた後、しばらくその人のことを忘れられなかったりするといった心理は、ツァイガルニク効果の代表的な例です。

ドイツの心理学者のクルト・レヴィン氏が立てた仮説を、ソビエト連邦の心理学者のブルーマ・ツァイガルニク氏が実験により実証した効果であるため、彼の名前を取ってツァイガルニク効果、あるいはゼイガルニク効果と呼ばれます。

ツァイガルニク効果の活用例

ツァイガルニク効果は、ビジネスに応用できる効果として注目されており、実際に活用されてもいます。ツァイガルニク効果が活用されている例として代表的なものにテレビCMがあります。ツァイガルニク効果が働くと途中で中断された物事の印象が強く残るため、その先を知りたいと思うようになります。この性質を利用して見どころの直前にCMを入れて番組を中断することで、視聴者はその先が気になって見続けてしまうのです。

その他にも、Webサイトの最初のページや漫画アプリの第1話だけを無料で閲覧できるようにしておき、それ以降は会員登録をしなければ閲覧できない仕組みにすることで登録者数の増加を図れます。

ツァイガルニク効果を活用するメリット

効率的に業務を行える

他の仕事が割り込むといった理由で中途半端に終わっている仕事が増えると、ツァイガルニク効果が働いてそれらの仕事を終わらせたいと考えるようになり、仕事の優先順位などに注目するようになります。そのため、仕事をあえてキリの悪いところで終わっている状態にしておくと、作業を再開した時に集中力を維持したまま取り掛かることができ、効率的に業務を行えます。

また、作業を先延ばしにしてしまう傾向のある人は、少しでも手を付けておくことでツァイガルニク効果が働き、作業を終わらせようと取り掛かるきっかけになります。

モチベーションを維持できる

ツァイガルニク効果を活用して効率的に仕事が行えるようになれば、自身の成果などを体験できるようになり、モチベーションの維持・向上につながります。

また、ツァイガルニク効果を得るために、1つの作業を長時間続けるのではなく中断をはさみながら行えば、こまめな休憩を取ることもでき、より集中して取り組めるでしょう。

顧客の興味を引き付けられる

ツァイガルニク効果をマーケティングに活用することで、顧客の興味を引き付けられます。例えば、営業で最初に自社製品のメリットのような、顧客の興味を刺激する情報を伝えておいて、さらに詳細な情報はなかなか話さないようにします。そうすることで、顧客の興味を引き付けた状態を維持して営業を行えます。

Webサイトでも、タイトルだけでは内容の一部しか分からないようにしたり、重要な情報を最初に書かないようにしたりすることで、ユーザーにツァイガルニク効果が働いて最後まで見てもらえるようになります。

ツァイガルニク効果を活用する上で注意すべきこと

仕事のやり残しはストレスの原因になるおそれがある

ツァイガルニク効果の性質を利用するためにあえて中途半端に終わっている状態にすると、やり残した仕事が増えていきます。このように未完の仕事が溜まることによって、ストレスを感じてしまうおそれがあります。

仕事にストレスを感じる状態が続くと、モチベーションが下がる原因にもなります。各仕事の目標時間を設定することによって、ツァイガルニク効果をうまく活用しましょう。

無駄な業務が増えるおそれがある

ツァイガルニク効果を活用するためとはいえ、むやみに仕事を中断するのは意味がありません。中断された仕事が溜まっていくとタスク管理が難しくなり、無駄な業務が増えてしまうおそれがあります。

無駄な業務が増加すると、作業効率が下がるといった問題が生じてきます。仕事を中断したとしても、作業時間を記録して、しっかりと目標の時間で終わらせられるようにタスク管理しましょう。

また、時間がかかりそうな仕事や締め切りの近い仕事に限定して利用するというように、ツァイガルニク効果の性質を理解し、乱用するのではなく工夫して活用することが重要です。