ユーザビリティテストという言葉をご存知ですか？
ユーザビリティテストはWebサイトやアプリにおいて、ユーザーに快適な体験を提供するために欠かせない検証プロセスの1つです。
今回は、ユーザビリティテストを実施する目的や手順を解説します。
目次
ユーザビリティテストは、ユーザーが感じる使いやすさを検証するために行う
Webサイトやアプリ開発におけるユーザビリティとは、ユーザーがWebサイトやアプリを自身の目的達成のために使用する際に感じる「使いやすさ」の度合いを意味します。
例えば、乗り換え案内アプリを使用するユーザーは、「目的地までに乗るべき電車を知りたい」という目的を持っています。この目的を達成するためにアプリを使用したユーザーが感じる、「検索ボタンが押しづらい」「検索結果が見やすい」といった「使いやすさ」に対する反応がユーザビリティです。
ユーザビリティが低い場合、ユーザーは使用目的を達成しづらく、不快感を感じてしまい、結果として顧客の離脱につながります。ユーザビリティの低いサービスを提供しないために、一部のユーザーにリリース前のWebサイト/アプリを使用してもらい、課題を洗い出すことを目的とする実験をユーザビリティテストと言います。
ユーザビリティテストを行う目的
開発側では気づけない、ユーザーの視点を知る
ユーザビリティテストを行う目的の1つは、Webサイト/アプリを実際に使用するユーザーの心理・実態を知ることです。Webサイト/アプリを開発する上での大きな問題の1つに、開発側が想定するユーザーの関心・疑問・ニーズが実態と異なるということが挙げられます。
Webサイト/アプリのユーザーを実際に募ってユーザビリティテストを実施することで、開発段階で想定したユーザーの仮説が合っているかを検証できます。
Webサイトが抱えている問題点を知る
ユーザビリティテストでは、「このアプリ上で服を買ってみてください」のように被験者となるユーザーにアプリ上で達成してほしいお題を与え、取り組んでいる途中でインタビューやヒアリングを行います。実際に操作している様子を観察し、ユーザーが感じた使いづらさや戸惑いなどのWebサイト/アプリが抱えている潜在的な問題を明らかにするのがユーザビリティテストの目的です。
ユーザビリティテストの実施手順
1. ユーザビリティテストを実施する目的、対象者を明らかにする
ユーザビリティテストを実施する際は、「なぜ行うのか？」「誰に行うのか？」を明確にする必要があります。ユーザビリティテストは、目的と対象者によってヒアリングするべき項目や結果が大きく変わってしまうため、実施する前にWebサイト/アプリを開発する際に立てた仮説やターゲットを確認しましょう。
ユーザビリティテストを実施する目的として多いのは以下のものが挙げられます。
- Webサイト/アプリが本来の開発目的を達成できるように作られているかの確認
- 使いやすさの確認
- 競合との比較
- 仕様変更に対するユーザーの反応の確認
2. ユーザーがどういう行動をとっているのか仮説を立てる
ユーザビリティテストにおけるユーザーへの質問を考えるために、ユーザーの行動の仮説を立てる必要があります。「どのような人がどのような状況で、何を目的としてどのようにWebサイト/アプリを使用しているのか」を具体的に想定しましょう。仮説が不十分だと的外れな質問をすることになり、ヒアリングしたかった部分に対する意見が得られず、ユーザビリティテストの目的を達成できなくなってしまいます。
3. ユーザーにテストしてもらう際のシナリオと課題、質問を作る
次に、ユーザビリティテストで使用するシナリオ・課題・質問を作ります。Webサイト/アプリが最も使用されるであろう状況や目的を想定し、なるべく具体的なものを作成しましょう。
開発段階での仮説の検証に繋がり、かつユーザーの心理を探れるように内容を吟味することが大切です。
4. ユーザーに実際に操作してもらう
シナリオ・課題・質問が完成したら、まずは社内で事前テストを行い、不備や修正点を改善しましょう。問題点が解消できたら、いよいよ実際のユーザーでユーザビリティテストを行います。
はじめに、ユーザーにシナリオやユーザビリティテスト中に達成してほしい課題を伝えます。その後、実際に課題に取り組んでもらいながら、インタビュアーが「今なぜこのボタンを押しましたか？」「最初に何が目につきましたか？」などの質問を行い、対話形式で進めます。
そのほかにも、ユーザーが1人で操作したものを録画して最後にインタビューを行う方式や、ユーザーに考えていることを逐一発言してもらう発話思考法、ユーザーの視線を追跡する装置を用いてユーザーがどこを見ているのかを分析する方式など、目的ごとに様々な方法があります。
5. 結果を評価・分析し、改善を行う
ユーザビリティテストの結果が出揃ったら、評価や分析を行いましょう。ユーザーがどこで失敗していたのか、何がユーザーを混乱させていたのか、どこがわかりづらかったのかなどを分析し、Webサイト/アプリに反映させます。
これからはじめるBtoBマーケティング施策入門書
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。
