営業のリソースには限りがあります。一度にあらゆる顧客に対応することはできないため、「成約できそうか?」「成果に繋がりそうか?」といった視点で見込み顧客を選ばなければいけません。
しかし、選ぶといっても一筋縄ではいきません。今回は、見込み顧客を選ぶ「リードクオリフィケーション」というプロセスについて、その基本と注意点をご紹介していきます。
目次
リードクオリフィケーションとは、営業すべき見込み顧客を見分けること
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客(=リード)に対してアプローチするべきか否かを見分ける(=クオリフィケーション)ことです。
セールスを行う際には、膨大なリードの中から特に成約見込みが高そうなリードに絞ってアプローチしていく事によって、少ないリソースで大きな効果を期待することができます。
リードクオリフィケーションの手法
リードクオリフィケーションを行うにあたっては様々な手法が存在します。定量的・定性的な手法の両面からアプローチして、最もリターンが大きく見込まれるリードを見出していきましょう。
スコアリング
スコアリングとは、特定の顧客の行動に応じて予め決めておいたスコアを計上し、そのスコアの合計が多い顧客から順番にアプローチしていくリードクオリフィケーションの手法です。
顧客がどのようなプロセスで購買に至るのかをデザインして、各段階に応じたスコアを設定するのが一般的です。
Webページ訪問:2点
製品ページ閲覧:5点
資料ダウンロード:10点
セミナー参加:20点
問い合わせ:5点
…
また、単純な行動に基づく得点付けに加えて、「行動の時期」を加味した採点をすることも有効です。
例えば、顧客Aが60点で、顧客Bが30点だったとします。スコアだけを見ると顧客Aにアプローチすることが最適なように見えますが、顧客Aの最終行動が2ヶ月前、顧客Bの最終行動が5日前だとするとどうでしょうか?
おそらく顧客Aは、自社製品に対する関心をすでに失っています。そのため、スコアは低くてもホットな関心を持っているであろう顧客Bに対してアプローチをかけるのが最適であると考えられます。
定性的なインタビュー、アンケートなど
インタビューやアンケートによるリードクオリフィケーションは、スコアリングでは見えない各段階におけるリードの「意識」や「状況」を確認するのに非常に有効な手段です。
例えば、資料を山のようにダウンロードしているリードは非常にスコアが高くなります。一見非常に有力なリードであるように見えますが、ダウンロードしている主体が「大学のゼミ生」「企業のインターン生」などでは、成約は見込めません。
また、セミナー受講によってスコアが高くなっていても、「セミナーの内容が思っていたものとは違った」「あまりよくわからなかった」などで意識が低くなっている可能性もあります。
そういった状況を、アンケートやインタビューで洗い出すことで、より精度の高いリードクオリフィケーションが可能になります。
リードクオリフィケーションの注意点
リードクオリフィケーションを行うにあたっては、絞り込む条件に偏りが生まれないようにする必要があります。今回は、その中でも最も重要なポイントを2つご紹介します。
スコアリング結果のみに依存しない
スコアリングによるリードクオリフィケーションは仕組みさえ作ってしまえば特に労力を割くこと無くリードを絞り込める、非常に効率のよい方法です。そのため、ともすればスコアリングだけでリードクオリフィケーションを行ってしまいがちです。
しかし前述したように、スコアリングはその裏側にある実際の顧客心理を100%反映することはなく、あくまで写像としてぼんやりとした全体像を見せているに過ぎません。
多少の労力は必要ですが、必ず何らかの方法でスコアリングの裏付けを取り、確実なリードクオリフィケーションを行うようにしましょう。
顧客の取りこぼしのリスクを把握し、絞り込み方をアップデートする
リードクオリフィケーションは、「もしこの顧客にアプローチしていれば…」という可能性を切り捨てて、限られたリソースを活用するための考え方です。
そのため、「優良なリードが漏れてしまいアプローチできなかった」といった事態が発生してしまうこともあります。
リードクオリフィケーションを運用する際には、そのトレードオフ関係をしっかりと把握し、一方で「意図しない顧客の取りこぼし」が発生しないようにする必要があります。
本来ならばアプローチすべき顧客がリードクオリフィケーションの結果として漏れてしまっている場合は、絞り込み方の何が問題だったのかをしっかりと洗い出して対策を練るようにしましょう。
いかがでしたか?
高い営業生産性を実現するために必要なリードクオリフィケーションですが、その分犠牲となるものも多くあります。現状のリードクオリフィケーション施策で最善のリターンが得られているのかを常に意識しておきましょう。
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