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【初心者向け】クロス集計とは?種類やメリット、注意点を紹介
クロス集計をご存知ですか?クロス集計は複数の質問や項目を掛け合わせて集計し、新たな視点からデータを分析する手法です。
今回は、クロス集計の概要や種類、メリット、注意点を紹介します。
目次
クロス集計とは、2つ以上の質問や項目を掛け合わせてまとめる集計方法
クロス集計は、アンケート調査やマーケティングリサーチにおける集計方法の一つで、複数の質問項目の結果を組み合わせて比較し、調査データを詳細に把握する集計方法です。クロス集計では、2つ以上の質問や項目の結果を掛け合わせて比較分析します。年代や地域、職業などの属性を組み合わせることで、さまざまな視点からデータを分析できます。
クロス集計の集計表では横側(左側)を「表側(ひょうそく)」、上側を「表頭(ひょうとう)」と呼びます。分析の際には、全体の傾向に対してどの項目を組み合わせるかが重要で、この視点を「分析軸」または「ブレイクダウン」と呼びます。
クロス集計を表にすると以下のようになります。
【設問】海外旅行に行く予定はありますか?
予定がある(%) | 予定がない(%) | |
女性 | 74.5 | 25.5 |
男性 | 60.3 | 39.7 |
全体 | 67.4 | 32.6 |
単純集計とは、設問ごとに回答データを集計すること
単純集計は、アンケート調査における基本的な集計方法で、アンケートの各設問ごとに回答結果のデータを集計し、回答者数や各選択肢の人数、その割合を表に示す方法です。単純集計を用いることで、回答全体の傾向を視覚的に把握できます。ただし、属性ごとの詳細な傾向を読み取ったり、結果同士で比較したりすることが単純集計では難しいため、クロス集計を活用し属性を組み合わせてより詳細な分析が行われます。
単純集計を表にすると以下のようになります。
【設問】海外旅行に行く予定はありますか?
はい(%) | いいえ(%) | |
全体 | 67.5 | 32.5 |
クロス集計の種類
属性クロス集計
属性クロス集計では、異なる属性同士を組み合わせてデータを集計します。これにより、属性ごとの関連性や傾向を把握することができます。
設問の例には以下のようなものがあります。
- 年代
- 性別
- 職業
- 居住地
- 未婚/既婚
- 家族構成
設問間クロス集計
設問間クロス集計では、異なる質問項目同士を掛け合わせて分析します。例えば、「AとBの質問の回答がどう関連しているか」を分析することが可能です。
設問の組み合わせの例には以下のようなものがあります。
- 満足度と購買意向
「製品の満足度」の質問と「今後同じ製品を購入する意向」の質問を掛け合わせ、満足度が購買意向にどのように影響するかを分析します。 - 利用頻度と満足度
「サービスの利用頻度」の質問と「サービスの満足度」の質問を掛け合わせ、利用頻度が満足度にどのような影響を与えるかを分析します。 - 興味のあるカテゴリと購買意向
「興味のある製品カテゴリ」の質問と「今後購入したい製品カテゴリ」の質問を掛け合わせ、興味が購買意向とどのように関連しているかを分析します。 - 広告の認知と購買行動
「広告を見たことがあるか」の質問と「広告を見た後の購買行動」の質問を掛け合わせ、広告を知っていたことにより、どのような購買行動をとったのかという関連性を分析します。
設問間クロス集計を表にすると以下のようになります。
【設問】サービスを利用した回数を教えてください。また、サービスを利用した満足度を5段階で評価してください。
サービス利用頻度(表側)/満足度(表頭) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
1〜3回 | 25 | 35 | 30 | 10 | 5 |
4〜6回 | 18 | 27 | 45 | 25 | 10 |
7回以上 | 2 | 5 | 30 | 65 | 90 |
多重クロス集計
多重クロス集計では、3つ以上の複数の属性や質問項目を組み合わせて集計します。これにより、さらに詳細なデータの傾向や関連性を把握することができます。
- 性別、年代、購買意向
「性別」「年代」「製品の購買意向」の質問を掛け合わせ、性別と年代が購買意向とどのように相関しているかを分析します。 - 地域、利用頻度、満足度
「地域」「サービスの利用頻度」「サービスの満足度」の質問を掛け合わせ、地域の違いで利用頻度や満足度にどのような違いが出るかを分析します。 - 教育レベル、収入、購買予算
「教育レベル」「月収」「購買予算」の質問を掛け合わせ、教育レベルと収入が購買予算とどのように関連しているかを分析します。 - 興味のあるカテゴリ、製品評価、購買意向
「興味のある製品カテゴリ」「製品の評価」「製品の購買意向」の質問を掛け合わせ、興味のあるカテゴリと製品評価が購買意向にどのように影響するかを分析します。 - 広告認知、購買場所、購買理由
「広告を見たことがあるか」「購買場所」「購買理由」の質問を掛け合わせ、広告の認知度が購買場所と購買理由に与える影響を分析します。
多重分析を表にすると以下のようになります。
【設問】この製品を購入する予定はありますか?
サンプル数(人) | はい(%) | いいえ(%) | ||
全体 | 500 | 40.0 | 60.0 | |
性別 年代 |
男性合計 | 205 | 30.0 | 70.0 |
20代 | 35 | 40.0 | 60.0 | |
30代 | 80 | 10.0 | 90.0 | |
40代 | 90 | 21.1 | 78.9 | |
女性合計 | 295 | 53.9 | 46.1 | |
20代 | 80 | 80.0 | 20.0 | |
30代 | 105 | 19.0 | 81.0 | |
40代 | 110 | 68.2 | 31.8 |
クロス集計のメリット
可視化された結果が分かりやすい
クロス集計はグラフや表を活用して、複雑なデータを可視化できるため、データの傾向やデータ同士の関連性が一目で理解できます。深い洞察を得るとともに、表や結果を使ってわかりやすく説明できるため、説得力ある提案が可能になります。
ツールを利用することで集計が容易に行える
クロス集計は専用のソフトウェアやツールを活用することで、集計作業が効率的に行えるというメリットがあります。手動で集計するよりも迅速で正確な集計が可能で、ツールの利用により膨大なデータを効率よく処理し、有用な情報を抽出することが可能です。
クロス集計を行う際は、多重クロス集計しすぎないように注意する
クロス集計を行う際には、多重クロス集計を過度に行わないことに注意しましょう。多重クロス集計では、項目を細分化しすぎると表での視認性が低下するほか、各項目のサンプル数が少なくなるため統計的な妥当性を損ないます。適切なバランスを保ちつつ、必要な情報のみ抽出することが重要です。
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