営業パーソンが備えておきたい能力は多々ありますが、中でも重要なのが営業資料作成能力です。営業トークは商談の時のみ必要であるのに対し、営業資料は顧客が持ち帰り、契約するか否かを決定する判断材料になり得るからです。
営業資料を作成する上で必要な要素は、営業資料の中身である「構想」部分と外身である「デザイン」部分に二分されますが、両方の要素を混同して用いていることがしばしば見られます。
今回は営業資料の作り方を「構想段階」と「デザイン段階」の2つの要素に分けて、解説していこうと思います!
目次
営業資料の構想段階でおさえるべき3つのポイント
顧客の抱えている問題を挙げる
自社サービスをいきなり紹介しても、顧客が抱えているどのような問題を解決してくれるかが分からないため、サービスの核心が顧客に伝わらない可能性があります。そのような状況を避けるために、まず最初に顧客が抱えている現状や問題を提起するようにしましょう。
問題を提起することにより、どのような問題を解決できるかが明確になるだけでなく、潜在的な課題に顧客が気付く可能性があるというメリットを持ちます。また、顧客が問題を意識することで、プレゼン自体を積極的に聞いてもらえます。
課題解決のために自社商品・サービスが有効であることを示す
前項で顧客の現状に関して提示することができたので、次は顧客が目指す理想状態を提示しましょう。
ここで重要となるのが、理想と現状のギャップが解決すべき課題であり、課題を解決するツール=自社サービスという論理構造を意識して取り込むことです。
これにより、自社サービスの説明にスムーズに入ることができます。
自社サービスを紹介
自社サービスの紹介として盛り込むべき内容は以下のものが挙げられます。
・キャッチコピー(一言でどんなサービスか伝わるもの)
自社サービスを一言で表したものです。これを提示することで、顧客はサービスの大枠を捉えることができます。
・サービスを導入するメリット
概要に少し「肉付け」した内容を提示するようにしましょう。
コストの削減や業務の効率化など、サービスを導入することで、何が得られるのかを明確にすることが重要です。
・どのような機能があるか
具体的な機能などを提示するようにしましょう。
例えば、業務の効率化であれば、
- 具体的にはどの工数を減らせるのか
- 効率化するためのアプローチ方法はどのようなものであるのか
などを提示するように意識しましょう。
・競合優位性
具体的な機能が分かった段階で顧客は購入を検討し始めますが、その際に必ずといっていいほど、類似商品との比較検討を行います。したがって、自社製品を購入することへの納得感を強くするためにも、他社製品と比較した際の強みをしっかりと明記することが必要です。
・導入事例
導入事例を書くことで、サービスに対する信頼度が上がります。
可能であれば、顧客の同業他社での導入事例を紹介することで、サービス自体が身近なものであると感じてもらえるようにしましょう。
・価格
価格設定が複数存在する場合は、それぞれのプランについて提示するようにしましょう。
その際は、どのような違いがあるか、差別化するように書くとベターです。
また、複数の選択肢を挙げることで、成約率自体が上昇することがあります。(二者択一話法といいます。)
・導入までのステップ
導入までにかかる日数や方法、導入するにあたって顧客が留意すべき点などを提示しましょう。
これがあることで、サービスを実際に導入するイメージがつきやすくなります。
営業資料のデザイン段階でおさえるべき4つのポイント
前項で、営業資料の大枠は完成したので、ここからは営業資料の完成度を引き上げるデザイン的な要素について説明していきます。
言葉ではなく図やグラフで説明する
1枚のスライドにおとし込む内容が決まったら、実際のレイアウトを考えていきます。その際に重要なのが、「言葉」を「図やグラフ」に変換するという視点を持つことです。
試しに以下のスライドを見てみましょう。
文字と数字の羅列だけで、具体的なイメージを持ちにくい印象となっています。
ではこれを図やグラフに変換したスライドを見てみましょう。
数値が円グラフという視覚的に分かりやすいものに変換されたことで、それぞれの大きさが把握しやすいものになりました。
スライドを作った後に、図やグラフで置き換えられるところはないかをチェックする習慣をつけるようにしましょう。
スライド1枚に盛り込むメッセージは1つまで
1つのスライドに複数の重要な情報が盛り込まれているケースをしばしば見かけますが、非常にもったいないケースの1つです。
「あの情報を伝えたい!」「付随する情報も入れておこう!」など、サービス精神で入れてしまうことが多いように思われますが、逆効果となってしまいます。
情報が煩雑に盛り込まれたスライドは顧客からすれば
- 最も重要な情報が何であるのか分からない
- 情報処理に気を取られて本題に集中できない
などの印象を受けるものであるからです。
原則として、1つのスライドに盛り込むメッセージは1つになるようにしましょう。
レイアウトを統一する
レイアウトを統一させることで、顧客にきちんと細部まで注意して仕事ができるという印象を与えることができます。
具体的に意識すべき内容としては
- フォントを統一する
- 行間を統一する
- 配置(余白の使い方)を統一する
が挙げられます。細かいことに思われますが、このような些細な点でデキる営業パーソンとデキない営業パーソンの間には差が生まれています。
使用する色は3色まで
色を使用する目的は重要な箇所をマークし、スライドを分かりやすくすることです。使用する色が多すぎるとどこが重要なのかがぼやけてしまい、本来の目的を損なってしまいます。
原則として、使用する色は3色までにしましょう。
いかがだったでしょうか?今回は今さら聞けない営業資料の作り方を「構想段階」と「作成段階」の2つの側面から解説しました。営業資料の作り方1つで成績が変わると思えば改善するに越したことはありません。この記事で得た知識を生かして自信をもって営業資料を作成していきましょう!
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