ロングテールとは？メイン商品に依存せず売上を安定させるポイントを解説

みなさんは「ロングテール」という言葉をご存じでしょうか？聞いたことはあるけれど具体的にどのような意味なのか、どのように使うのかよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、マーケターなら知っておきたい「ロングテール」の意味やメリット、成功に導くためのポイントを紹介していきます。

ロングテール戦略とは、売れない商品で売上を安定させるWeb販売戦略のこと

ロングテールとは、アメリカのWired誌編集長のクリス・アンダーソンが提唱した売上の法則のことです。主にWeb販売において、販売機会の少ないニッチな商品の売上合計が売れ筋のメイン商品の売上を上回る現象のことをいいます。売れ筋商品とその他商品の売上をグラフにしたとき、グラフの形が恐竜のしっぽ（テール）のように見え、テールの部分が長く大きく伸びていく形からロングテールと呼ばれています。

実店舗での商品販売が主だった頃は、売場面積が限られていたり、ニッチ商品の宣伝にコストを割けなかったりといった理由から、ニッチ商品を顧客に勧めることは困難でした。しかし、インターネットの普及に伴いそれらの問題が解消されたため、次第にニッチ商品の売上が向上し、ロングテール現象が起こるようになったのです。そして、ロングテール現象を利用した、ニッチな商品の売上を積み重ねることで全体の売上を伸ばす「ロングテール戦略」という戦略が生まれました。

ロングテール戦略のメリットとは？

ブームや競合商品に影響されにくい

ビジネスにおいては、売上の80%は上位20%の売れ筋商品が生み出しているという「パレートの法則（80:20の法則）」というものもあります。しかし、売れ筋商品の販売にばかり注力しすぎると、その商品・サービスのブームが終わってしまったり、競合商品が出てきたりした場合、消費者の購買意欲が低下し売上が落ちてしまいます。

パレートの法則に則った販売戦略のほうが一般的ではありますが、売れていない商品にも注目し、ロングテール戦略を効果的に取り入れることで、たとえ売れ筋商品の売上が下がった時でも、長期的・安定的に売上を維持できます。

集客につながる

消費者は検索エンジンから商品を検索できます。そのため、ECサイトのページ数が多ければ多いほど、Webサイトへの入り口が増えることになります。

商品・サービスの個別ページを作るためには時間とコストがかかりますが、サイト全体のアクセス数を伸ばせます。また、一度作成したページは、商品やサービスを求めている消費者を長期的に集めることができます。

ロングテール戦略の成功事例

豊富な品揃えで他社に差をつける「Amazon」

Amazonが他のECサイトを圧倒している点は、需要が少なく売れない商品も取り扱う圧倒的な商品の品揃えです。書籍を例にとっても、専門書からコミックまで幅広い客層とニーズに応えられる商品を取り揃え、売上をのばしています。

あまり知られていない曲を取り扱うApple「iTunes Store」

Appleの「iTunes Store」では、世間にあまり知られていないアーティストの楽曲も提供しています。需要が少なく、1年に数回の販売機会しかない商品でも、幅広く取り扱うことで大きな売上が得られます。

ロングテール戦略を成功に導くポイント

検索順位があがるホームページ作り

ロングテール戦略の鍵は検索エンジンを通じての集客にあります。長期的に安定した売上につなげるためには、Googleなどの検索エンジンに評価されるようなホームページを作ることがポイントです。検索エンジンに評価されることで、検索順位が高くなります。

検索エンジンに評価されるためには、消費者にとって役立つ情報やコンテンツの提供を心がけましょう。また、商品が見やすく選びやすいページにすることでユーザビリティが高くなり、検索順位の向上が期待できます。

ただし、改善を行ってから成果が出るまでには時間がかかる点に注意が必要です。

定期的にページ更新を行う仕組み作り

定期的にメルマガを送ったりSNSで発信したりすることで、消費者へサイトへの再訪を促します。そのためには、メルマガやSNSのネタ作りとして、ページを定期的に更新することが必要です。

「スタッフブログを書く」「定期的に商品やサービスを追加する」「ライターをつかって情報追加する」など、定期的にページを更新する仕組みを作り、消費者が必要としている商品情報を常に届けるようにしましょう。