レコメンデーションという言葉をご存じですか?直訳すると「推薦」となるこの言葉ですが、具体的に何を行うのでしょうか?
今回は、ECサイト等でレコメンデーションを行うメリットや、実際のECサイトでのレコメンデーションの具体例を紹介していきます。
目次
レコメンデーションとは、商品をおすすめすること
レコメンデーションとは顧客の興味や嗜好などを分析し、それに合った商品や情報を提示するサービスです。例として、ECサイトで商品の購入・閲覧後に表示される「あなたへのおすすめ商品」などがあります。
近年、ECサイトにおけるロングテール理論(※)の登場により、売れ筋でない商品の売上も重視されるようになりました。そのため、多くの商品の中からニーズに適したものを見つけ出すレコメンデーションが非常に重要になっています。
(※)ロングテール理論とは、ECサイトなどにおいて、売れ筋商品の売上よりも、売れ筋でないニッチ商品群の総売上の方が大きいという理論です。下の図のように、縦軸に売上、横軸に売上の高い商品を順番に並べたときに、売上の小さい商品部分がしっぽ(テール)のように伸びているためロングテール理論と名付けられました。
レコメンデーションが企業にもたらすメリット
顧客単価の増加や購買品数の増加が見込める
顧客が購入・閲覧した商品に基づくレコメンデーションを行うことで、顧客一人あたりの購買品数の増加を狙う「クロスセル」や、購入単価の増加を狙う「アップセル」が見込めます。
クロスセルとアップセルのためのレコメンデーションの例を、ハンバーガーチェーンのマクドナルドで見てみましょう。
- クロスセル:ご一緒にポテトもいかがですか?
- アップセル:+50円でポテトをLサイズに変更できますがいかがですか?
実店舗のように顧客が買い物を楽しむ
レコメンデーションが導入され、おすすめ商品が表示されるようになったため、顧客はECサイト上でも実店舗のようにウィンドウショッピングを楽しむことが可能になりました。
レコメンデーションを用いて、おすすめ商品や購入履歴が似た顧客の購入商品を提示することは、実際に接客されているような楽しさを感じるほか、顧客自身が見落としていた商品の発見にもつながります。
その結果、ECサイト内での回遊時間が増えることでついで買いを誘発し、一回あたりの顧客の購買価格を上げることができます。そして、顧客がそのサイトで定期的に商品を購入するようになると、結果としてLTV(顧客生涯価値)を増加させることが可能になります。
レコメンデーションの実例
顧客におすすめ商品などを提示するレコメンデーションですが、実際にどのようなものがあるか、ECサイト「Amazon」と「ZOZOTOWN」を具体例として紹介します。
ZOZOTOWN:「関連アイテム」
ZOZOTOWNで商品を閲覧した際に、ページ下部にこのような関連アイテムが表示されているのはご存知でしょうか?このようなレコメンデーションは「コンテンツマッチ」に分類されます。
コンテンツマッチは、顧客が閲覧した商品や購入した商品との関連度が高い商品をおすすめする手法です。
例えば、ブランドAの商品を検索した顧客に対し、同じブランドAの他の商品をおすすめすることが挙げられます。
Amazon:「よく一緒に購入されている商品」
上の写真にある「よく一緒に購入されている商品」は、Amazonを利用した方なら一度は見たことがあると思います。これは「協調フィルタリング」を用いたレコメンデーションの一つです。
協調フィルタリングとは、ある顧客と嗜好が似た別の顧客の購入履歴や閲覧履歴などの情報を用いて、好みを推測する方法です。協調フィルタリングを用いておすすめする商品の選択方法には、「アイテムベース」と「ユーザーベース」の2つがあります。
- アイテムベース
ある商品を購入した際によく一緒に購入されている商品を見つけ、その商品をおすすめする。
例:コートと一緒にマフラーがよく購入されていた場合、コートを購入した顧客にはマフラーをおすすめする。 - ユーザーベース
購入履歴が似ている顧客を見つけ、その顧客の情報などに基づいて商品をおすすめする。
例:購入履歴が似たAさんとBさんがいる場合、Aさんは購入しているがBさんは購入していない商品を、Bさんにおすすめする。
いかがでしたか?
私達がよく知るECサイトなど、身近なところにもレコメンデーションがありましたね。ECサイト内でうまくレコメンデーションを行い、売上増加につなげましょう。
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