自社の顧客に対して、十分な価値を提供できていますか?顧客が持っている期待を上回らなければ、良い印象は残せません。
そこで今回は、売り上げを拡大するために有効な顧客価値の上げ方を説明していきます。
目次
顧客価値とは「顧客が商品に対して適正と認める価値」である
顧客価値とは「商品やサービスに対して顧客が適正(コストを払っても良い)と考える価値」です。顧客の支払う「金銭的・時間的コスト」よりも大きな顧客価値を提供しなければ、お得感は与えられません。
そこで、商品そのものの質を上げるほか、従業員の対応を良くしたりブランドイメージを上げたりするなど、顧客価値を引き上げることが必要です。
また、顧客が置かれている状況によっても顧客価値は変動します。例として、普段ならば水を買うには100円までしか出せないという人も、喉がひどく渇くと150円払っても良くなるといった気持ちの影響があります。
顧客価値は4つの段階に分類できる
顧客が「どれだけ満足するか」「どれほど感動するか」を基に、顧客価値は4段階に分類することができます。
- 基本価値
商品にとって必要不可欠な価値です。例えば食品なら安全であること、自動車なら動くことなど、満たさなければクレームや取引中止につながる価値のことを言います。 - 期待価値
顧客が「あって当然だ」と期待する価値です。提供されなければクレームには至らないとしても、リピートしてはくれません。 - 願望価値
顧客が期待しているものではないですが、実現されれば高い評価を得ることができる価値です。実現できなくとも不満には繋がりませんが、実現すればリピート客を獲得できる可能性を大いに持ちます。 - 予想外価値
顧客の期待や願望をはるかに超える価値であり、提供できれば喜びや感動を与えられます。大きな感動を与えることができれば、良い口コミが広がる場合もあり、新規顧客の獲得にも繋がります。
売り上げの拡大には「願望価値」と「予想外価値」を提供しよう
「願望価値」と「予想外価値」を提供できれば、リピート率の向上と新規顧客の獲得が可能であり、売り上げの拡大につながります。以下にその成功例を示します。
サードプレイスを提供したスターバックスの例
数あるカフェチェーンの中でも、スターバックスコーヒーは特に人気を集めています。ドリンクやフードが美味しいことや、種類が豊富であることは当然その要因の1つです。しかし最大の理由は、顧客とのコミュニティを重んじた「憩いの場」を提供していることにあります。
顧客に寄り添うようなスタッフの応対や店内の内装からは、仕事場としての印象が強かった従来の喫茶店とは異なることが伺えます。職場・学校や自宅とは隔離されたスペースの提供によって「願望価値」「予想外価値」を与えているのです。これにより、リピート率の向上や他のカフェチェーンとの差別化に成功しました。
使いやすさ重視でゲームの常識を変えた任天堂「Wii」の例
かつて大ヒットした任天堂商品に「Wii」があります。これは、当時良いゲームの基準であった「高画質・高機能」を求める競争から脱却し、使いやすさを最重視したことで成功を収めたものです。
扱いやすいコントローラーと簡単な操作性によって、子供にとってゲームの”敵”である親もゲームの世界に引き込んだのです。また、パーティーゲームを発売することで家族みんなで楽しい時間を過ごせるものとして、子供たちの親に予想外価値を提供しました。
そのため、「一家に一台」が実現でき、売り上げの拡大につながったのです。
顧客価値を上げるための2つのポイント
顧客の期待を把握して応える
高い顧客価値を提供するには、顧客の期待を正確に把握しなければなりません。顧客満足度が低かった場合には顧客の期待を把握できておらず、それに沿えていない可能性があります。
また、偶然にも期待を超えることができたようでは、長期にわたるリピート率の向上を望めません。したがって、PDCAサイクルを回して、「顧客は何を期待しているのか」を確認し施策の改善を続け、コンスタントに感動を与えられるようにしましょう。
商品の質あるいは価格など、どこで価値を上げるか定める
顧客価値を上げるには多くのやり方があります。例えば、商品そのものの価値を上げたり、商品のバリエーションを増やしたり、価格を下げたりすることが挙げられます。
また、スターバックスのように接客などのサービス面で価値を提供することもできます。
自社のコンセプトに基づいて、どの面で競合他社と差別化を図りたいか、どこで価値を提供したいかを決めましょう。そのほか、商品の提供時に与えるのか、長い付き合いの中でカスタマーサービスなどにより与えていくのか、価値を与えるタイミングを決めるのも有効です。
いかがでしたか?
売り上げを拡大するには、「願望価値」「予想外価値」を提供することがポイントだと説明しました。それを想定通りに実現するためにも、顧客の期待値を把握しましょう。
自社それぞれの持ち味を活かして顧客価値を高めてください。
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