ビジネスにおいて顧客を成功に導き、顧客ロイヤリティを最大化するための役職・活動がカスタマーサクセスです。カスタマーサクセスを成功させるには適切な指標を設定することが必要不可欠です。
今回は、カスタマーサクセスにおいて設定すべきKPIを解説していきます。
カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性
カスタマーサクセスは、顧客ロイヤリティを上げて契約を継続してもらうことが重要なサブスクリプション型のサービスで主に行われます。顧客から問い合わせがあってから問題を解決するカスタマーサポートと違って、能動的・積極的に働きかけることが特徴です。
カスタマーサクセスの最終目標は、顧客を成功させてLTV(顧客生涯価値)を最大化することです。LTVとは、1人の顧客が企業にもたらした価値の合計であり、「顧客単価」「購買頻度」「継続期間」「顧客満足度」といった要素の改善によって向上させることができます。
カスタマーサクセスの直接的な目標は顧客を成功させることですが、「顧客の成功」という数値化しづらい目標を設定しても効果の測定が難しいですし、PDCAサイクルを回して業務を改善することもできなくなります。そこで、カスタマーサクセスにおいては、「顧客の成功」の先にある「LTVの向上」を目指すべきです。
そのためには、どの要素を改善するべきなのか考え、それに対応した指標をKPI(Key Performance Indicator)として設定することが重要です。
KPIに設定するべき指標の例
ここでは、カスタマーサクセスのKPIに適した指標を4つご紹介します。LTVを向上させる上でどのような数値に課題があるのかを分析し、最適な指標を選択して下さい。
オンボーディング完了率
オンボーディング完了率は、継続期間に関わる指標です。
「オンボーディング完了」とは、サービスの初期設定や操作方法を顧客が完了し、サービスを運用し始めた状態を指します。オンボーディングが完了していないと顧客はサービスを十分に利用できないため満足度が下がり、継続してもらうことが難しくなります。初期設定や導入のサポートによってなるべく早くサービスに慣れてもらえれば、それが継続期間を伸ばすことにつながるのです。
指標としては、「○ヶ月以内に〇〇の設定までを完了している」状態を「オンボーディング完了」と定め、オンボーディング完了率の向上を目指しましょう。
解約率(チャーンレート)
解約率(チャーンレート)も、継続期間に関わる指標です。
サービスを長期間利用してもらいLTVを上げるためには、当然解約率を下げる必要があります。サブスクリプション型サービスにおいては、一度長期的に利用する顧客になってもらえれば売上も長期的に積み上がることになり、全体の売上が大きく上がるのです。
解約率には、顧客数ベースで算出するカスタマーチャーンと、売上ベースで算出するレベニューチャーンの2種類があります。サブスクリプション型サービスにおいては、解約による売上へのインパクトを表したレベニューチャーンが用いられることが多いです。
- カスタマーチャーン=解約した顧客数÷契約した顧客数
- レベニューチャーン=(単価×解約数)÷売上
アップセル・クロスセル率
アップセル・クロスセル率は、顧客単価に関わる指標です。
現在使っている商品より高額な商品を買ってもらうのが「アップセル」、関連する別の商品を買ってもらうのが「クロスセル」です。商品・サービスへの満足度が高い顧客は、上位モデルの商品を購入したり関連商品を購入する傾向にあり、顧客単価の向上に繋がります。
■アップセルの例
- まずエントリープランに加入してもらい、継続期間の長い顧客に上位プランを提案する。
- 商品満足度の高い顧客に、上位モデルへの乗り換え割引を提案する。
- 長期利用特典として、自社商品の購入に使えるクーポンを配布する。
■クロスセルの例
- 通販サイトで、関連製品のレコメンド表示を行う。
- 関連商品とのセット割引を行う。
- 機能を拡張するオプションプランへの追加加入を提案する。
そもそも現在のサービスに満足していなければ、アップセルやクロスセルをしてもただの押し売りになってしまいます。まずは顧客の満足度を上げてから、提案を行うようにしましょう。
NPS
NPSとは「ネット・プロモーター・スコア」の略で、顧客満足度に関わる指標です。
サービスの解約率を下げて長期的に利用してもらうには、顧客ロイヤリティを上げることが不可欠です。NPSは顧客ロイヤリティという計測の難しい指標を、商品やサービスへの愛着・信頼といった形で数値化したものです。
NPSを測定するためには、「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問をして、0~10の11段階で評価してもらいます。9~10を「推奨者」、7~8を「中立者」、0~6を「批判者」とし、以下の式でNPSを算出します。
- NPS=推奨者の割合-批判者の割合
NPSと事業の成長率には高い相関関係があるとされています。顧客に信頼されるサービスを提供することでNPSの向上を目指しましょう。
いかがでしたか?
KPIに最適な指標は、ビジネスモデルや伸ばしたい要素によっても変わります。この記事を参考に、自社に合ったKPIを設定し、カスタマーサクセスを成功させて下さい。
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