この記事は 3 分で読めます

マズローの法則とマーケティング|欲求の5段階について解説

URLをコピーする

「マズローの法則」「マズローの欲求5段階説」といった言葉を聞いたことはありますか?
これは、人間の持つ欲求を5段階に分類したもので、マーケティングにおいても有効な心理学的アプローチとして知られています。

今回はマズローの欲求について、5つの段階それぞれについて解説します。

マズローの法則とは、人間の欲求は5段階のピラミッド構造になっているとする考え方のこと

マズローの法則(マズローの欲求5段階説)とは、人間の欲求は5段階のピラミッド構造に整理することができるという考え方です。アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908~1970)が考案しました。
この5段階の分類は心理学の用語ではありますが、マーケティングにおいて、消費者のニーズを分析するためにも用いられています

マズローの法則においては、人間の欲求は上の図のように整理されます。また、5つの欲求は、モノの有無による「精神的欲求/物質的欲求」、自分に求めるか・他者に求めるかによる「内的欲求/外的欲求」、成長を求めるか・不足を補うかによる「成長欲求/欠乏欲求」という形で分けられることもあります。

マズローの唱えた5段階の欲求

第1段階:生理的欲求

ピラミッドの最下層にある、人間の最も基本的な欲求が生理的欲求です。生理的欲求とは、人間の生命維持に必要な、必要最低限の本能的欲求のことを指します。食欲・睡眠欲・性欲の「三大欲求」や、呼吸をしたい、水を飲みたい、排泄をしたいといった欲求が生理的欲求です。

一般的に人間以外の動物がこの段階を超えることはありませんが、人間がこの段階の欲求から離れられない状況は尋常ではありません。生理的欲求は、人間にとっては次の段階の欲求に進むために必ず満たされている必要のある、前提となる欲求です。

第2段階:安全欲求

第2段階の欲求は安全欲求と呼ばれます。これは、身体的に安全で、精神的に安定した生活を送りたいという欲求を指します。ここには、経済的に安定した生活を送りたいという欲求も含まれます。

一般的に幼児にはこの段階の欲求が強く見られますが、成長に伴って安全欲求を抑制できるようになり、次の段階の欲求を持つようになります。

第3段階:社会的欲求

第3段階の欲求は社会的欲求です。社会的欲求とは、何らかの社会集団に所属して受け入れられたい、安心したいといった欲求のことを指します。ここでの社会集団とは、家庭や友人関係、会社などのことです。単に集団への所属を求める欲求ではなく、それによる安心感を求めるのが社会的欲求です。

「愛情と所属の欲求」と呼ばれることもあり、人間には物質的な豊かさだけでなく精神的な豊かさも必要であるということが示されています。

第4段階:承認欲求

第4段階の欲求は承認欲求と呼ばれます。承認欲求とは、所属する集団の中で高く評価されたい、尊敬されたいといった欲求を指します。承認欲求は社会的欲求を前提としており、集団に所属したいという欲求が満たされた後に集団での評価を求めるのは、自然な行為であると考えられています。

承認欲求は「低位の承認欲求」と「高位の承認欲求」に分けられます。「低位の承認欲求」は他者からの評価を求めるもので、尊敬や名声によって満たされます。一方、「高位の承認欲求」では自分自身を承認できるかということが問題となり、自己尊重の意識づけや、能力の向上・自立性の獲得によって満たされます。

第5段階:自己実現欲求

ピラミッド構造の頂点に位置し、第4段階までの欲求のすべてが満たされた後に現れる欲求が自己実現欲求です。自己実現欲求とは、「自分がなりたい自分」になりたい、自分らしく生きたい、自分のやりたいことをやりたいといった欲求を指します。

自己の可能性の追求や自己啓発、創造性の発揮などがこの欲求に含まれており、「足りないものを求める」という第4段階までの欲求とは質的に異なります。一般的に、この自己実現欲求を満たすことのできる人は少ないとされています。

(補足)自己超越欲求

マズローが欲求の5段階説を発表した後に、自己実現欲求のさらに高次元に位置付けた欲求が自己超越欲求です。自己実現欲求とは、「自分のやりたいことをやりたい」といったエゴを超えたレベルで、純粋に目標達成を志す段階を指しています。自意識を超越し、他者や社会など、自分以外のものに対して貢献したいという欲求が自己超越欲求です。

消費者のニーズ分析への応用

現代では、高度経済成長期の「よいものを作れば売れる」という大量生産・大量消費の時代は終わり、消費者のニーズに訴えることで購買行動を起こさせることが重要であるとされています。そこで、マズローの法則は、マーケティングにおいて消費者のニーズを分析するために役立てられます。

例えば「住居が欲しい」という欲求は、次のように5段階に分類することで、より深く分析できます。自社が低価格を強みとしている場合であれば、生理的欲求の段階にいる消費者をターゲットにするとよいでしょう。

生理的欲求 低価格、即入居できる など
安全欲求 耐震性が高い、防犯設備が整っている、清潔な空間である など
社会的欲求 家族・友人と過ごせる など
承認欲求 一軒家である、デザイン性が高い など
自己実現欲求 自己設計・自由設計 など

 

まとめ

いかがでしたか?

マズローの法則は、人間の欲求を段階ごとに整理した心理学上の言葉ですが、マーケティングにおいても重要な考え方です。

マーケティング施策を考える際には、マズローの法則の存在を意識するとよいでしょう。

ダウンロード ダウンロード
ダウンロード

持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳

無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。

マーケティングおすすめの記事

2020年7月22日

【マーケティングに必須】市場分析とは?フレームワークも併せて紹介

2020年4月28日

製品戦略(プロダクト戦略)とは?具体的なフレームワークも紹介

2018年8月1日

無料のマーケティングオートメーション(MA)ツール4選!簡単に使いこなそう