この記事は 2 分で読めます

ニーズ・ シーズ志向によるアプローチのメリット/デメリットを解説

URLをコピーする

「ニーズ」「シーズ」といった言葉をご存知でしょうか?
この2つの言葉は、商品開発における消費者へのアプローチ手法として頻繁に対比されます。

今回はこの2つの言葉と、これらに基づく消費者アプローチのメリットとデメリットを解説します。

ニーズは消費者が求めているもの、シーズは企業が持つリソースを表す

「ニーズ」「シーズ」はそれぞれ英語で「needs」「seeds」と書かれます。ニーズは顧客の「何かが足りなくて困っている」「何かを改善したい」といった欠乏状態を示します。シーズは「種」、つまり、企業が持っている独自の技術やノウハウなど、新しい商品を開発するためのリソースを表します。

ニーズ志向とは、消費者が求めているものを提供する、消費者視点のアプローチ

ニーズ志向とは、消費者が求めているものが明らかになっている需要に対して商品を提供する、消費者視点のアプローチです。例えば、ニーズ志向が適用される商品には、洗剤や食材などの需要が途切れることがあまりないような商品が挙げられます。

ニーズ志向をもとに商品を開発する企業は、顧客が求めている機能や特徴を調査し、それを満たすことを目標とします。

シーズ志向とは、企業が独自の技術を活用して新商品を提供する、生産者視点のアプローチ

シーズ志向とは、消費者がまだ自分自身で気づいていない需要に対して、自社技術やノウハウ、アイデアなどを用いて今まで市場に出回っていなかった新しい商品を提供する、生産者視点のアプローチです。

消費者は実際に新しい商品を見ないと、自分が何を求めていたのかわからないと言われています。そのため、企業は顧客が抱えている潜在的な悩みを事前に把握し、顧客が自分ですら気づいていない課題を解決する商品を開発しなければなりません。

現代ではニーズ志向が重視されている

現代では消費者のニーズは個人によって異なるほか、タイミングによっても変化するとされています。企業はこのような多様化しているニーズに対応して商品を開発する、つまりニーズ志向を重視することが求められています。

一方で、シーズ志向によって革新的な商品を生み出して消費者のニーズを顕在化させることで、ほか商品との差別化を図れます。この方法は大きな売り上げが望めますが、まだ明らかになっていない潜在ニーズを探し当てづらいともされているため、シーズ志向でヒット商品を作り出すことはかなり難しい可能性があります。

ニーズ志向のメリット・デメリット

【メリット】需要が高く、途切れることはない

ニーズ志向の商品は常に需要が高いため、消費者のニーズを正確に汲み取って価格や機能で競合と勝負をすれば、途切れることなく顧客を獲得できます

例えば、常に一定の需要がある自動車や洗剤などにおいて、低価格のものや特定のターゲットに対応する商品を開発することで、一定の需要が見込めます。

【デメリット】市場が成熟しきっているため、市場の独占が難しい

ニーズ志向で生み出された商品は需要が安定している一方、すでに多くの商品が市場に存在しており、市場が成熟しきっている可能性があります。自社が商品を開発してもより安価な商品が出回っていたり、別の商品がすでに顧客に浸透してしまっていると自社商品の入る隙がなく、市場の独占が難しい場合があります。

市場を細かく分析し、顧客がどういった商品を求めているのかを的確に掘り下げ、確実に競合に勝てる商品を開発することが求められます。

シーズ志向のメリット・デメリット

【メリット】競合がいないため、市場を独占しやすい

シーズ志向で開発された商品は革新的な商品であるため、市場を取り合う競合がおらず、市場の独占がしやすいといった特徴があります。有名な例としては、Apple社が最初にスマートフォンを販売したことが挙げられます。販売当初は革新的な商品として消費者の注目を集め、スマートフォン市場では需要を独占することに成功しました。

【デメリット】事業を始めるのに大量の資金が必要・回収に時間がかかることがある

シーズ志向では、自社しか持っていないノウハウや技術などをもとに前例のない商品開発を行うため、事業の開始にあたって大量の資金が必要な場合があります。また、商品が市場に浸透し、一定の売上を得られるまで時間がかかってしまう可能性があり、なかなか投入した資金が回収できないといった事態が考えられます。

【デメリット】消費者の潜在ニーズを満たせないと、商品は売れない

シーズ志向の商品が消費者を獲得するには、商品が顧客の潜在ニーズを満たしている必要があります。つまり、消費者がまだ自分では気づいていないニーズに気づき、それを的確に満たす商品を開発するといった難易度の高いプロセスが求められます。この条件が満たせなかった場合、消費者の関心を得られず、売り上げを出して採算を取ることが困難になります。

まとめ


いかがでしたか?
今回はニーズ・シーズの意味やそれぞれに基づいた顧客アプローチについて解説しました。
どちらのアプローチ手法でも、市場の適切な分析を通した需要の把握が必要なことに注意しましょう。

ダウンロード ダウンロード
ダウンロード

持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳

無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。

マーケティングおすすめの記事

2020年7月22日

【マーケティングに必須】市場分析とは?フレームワークも併せて紹介

2020年4月28日

製品戦略(プロダクト戦略)とは?具体的なフレームワークも紹介

2018年8月1日

無料のマーケティングオートメーション(MA)ツール4選!簡単に使いこなそう