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損を惜しむ気持ちが損を生む「コンコルド効果」とは?対処法も紹介
コンコルド効果をご存知ですか?すでにかけた費用がもったいなくて、やめられないという経験がある方もいらっしゃると思います。
この記事では、コンコルド効果の内容や陥らない方法、身近な例を紹介します。
目次
コンコルド効果とは、すでにかけた費用の回収見込みがなくても、かけた費用を惜しんでやめられない状態のこと
コンコルド効果とは、すでにかけた費用の回収見込みがなく事業を続けても赤字が出ると分かっていながら、その費用を惜しんで事業を継続してしまう状態のことを指します。
コンコルド効果は、イギリスとフランスが共同で開発を進めた超音速旅客機コンコルドから由来しています。コンコルドは1969年に開発され、1976年から事業運用が開始されました。当初は注目を集め注文が相次いでいましたが、収容人数や燃費の悪さ、超音速飛行による騒音やソニックブームの影響が浮き彫りになり、受注キャンセルが相次ぎました。
元々開発費用も高いことから採算が合わないと判明していましたが、費やしたコストを惜しんで事業を進めた結果、赤字をさらに拡大する結果になってしまいました。
コンコルド効果とサンクコスト効果の関係
コンコルド効果と同じ意味で用いられる言葉に「サンクコスト効果」があります。
サンクコストを日本語に訳すと「埋没費用」であり、事業の継続・縮小・中止などにかかわらず、回収不能なコストのことを指します。
そのため、コンコルド効果とサンクコスト効果はともに、回収不能なコストを惜しんで物事をやめられない状態のことを表す意味で用いられます。
コンコルド効果に陥らない方法
あらかじめ限度や損切りのラインを設定しておく
あらかじめ損失の限度や損切りのラインを設定しておけば、コンコルド効果に陥ることを防止できます。
損切りとは損失を抱えた際に、今後その損失をカバーできる見込みがないと判断した場合、その損失を確定させることです。
コンコルド効果は回収不能なコストを惜しんでやめられない状態であるため、事前に損切りのラインを設定し、早めに見限ることが大切です。
ゼロベース思考を取り入れる
ゼロベース思考とは、自分が今持っている知識や思い込みを一旦ゼロにして物事を考えることです。
事業の採算が合わないと分かっているにもかかわらず、事業を継続するのは避けなければなりません。
ゼロベース思考で考えることで、採算の合わない事業ではなく会社全体の方向性を踏まえた決断が可能になり、コンコルド効果に陥らずに済みます。
収益性の試算を行う
収益性の試算を行うことも、コンコルド効果に陥らない方法の一つです。
収益の計算を行うことで、事実に基づいた客観的な数値が導き出されます。数値には損益などが明確に現れるため、事業の現状を把握でき、冷静に今後の判断を下すことができます。
身近なコンコルド効果の具体例
ソーシャルゲームのガチャ
ソーシャルゲームには、アイテムやキャラなどを排出する「ガチャ」という要素があります。ガチャの中には様々なアイテムやキャラが含まれており、確率に基づいて排出されるようになっています。
アイテムやキャラには多くの場合レアリティが設定されており、レアリティが高いほど排出率は低くなっています。
そんなアイテムやキャラを引くために課金したもののゲットできず、課金したお金が惜しくて目当てのキャラを入手するまで課金してしまうのも、コンコルド効果によるものです。
パチンコなどのギャンブル
パチンコなどのギャンブルでは、返ってくる見込みが低いにもかかわらず、現在負けている分を取り返そうと躍起になってさらにお金を使ってしまいます。
負け分を一気に取り返すことなど非常にまれだと頭の中で分かっていても、実際に損切りができず結果的に負け分が膨らんでしまうのは、コンコルド効果がよく現れている例です。
恋愛
恋愛には、お金も時間も多くかかります。「別れたい」と思っていても、これまでに費やしたお金や時間が惜しく感じて、なかなか別れられない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、片思いの場合でも、相手に振り向いてもらうためにかけた時間や労力などが惜しく感じ、アタックを続ければ振り向いてくれるかもしれないと期待し、アタックし続けることも恋愛におけるコンコルド効果の一種です。
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