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正常性バイアスとは?企業に及ぼす悪影響や陥らない方法を紹介
正常性バイアスという言葉をご存知ですか?正常性バイアスは、災害の発生時に生じる心理効果として知られていることが多いです。しかし、ビジネスでも正常性バイアスは見られ、企業や従業員に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意しなければなりません。
この記事では、正常性バイアスが及ぼす悪影響や陥らないための方法を紹介します。
目次
正常性バイアスとは、予期せぬ事態に遭遇したときに「自分は大丈夫だろう」と思い込む心理のこと
正常性バイアスとは、予期せぬ事態に遭遇した時に「自分は大丈夫だろう」と考え、通常通り問題ないと思い込もうとする心理のことを指します。災害が起きた際などによく生じ、緊急事態への対処が遅れる原因とされています。
本来、正常性バイアスは日常のストレスを和らげ、平穏に過ごすために備わっている機能です。しかし、状況によっては悪影響となる場合もあるため、正常性バイアスについて理解し、悪影響が出ないように制御することが大切です。
正常性バイアスは、企業の倒産を招くおそれがある
日本の企業は「10年後に3割、20年後には5割の企業が倒産する」と言われていますが、正常性バイアスが働くことにより「自分の企業は大丈夫だろう」と考えるおそれがあります。このように物事を根拠なく楽観的に捉えてしまうと、急な事態の悪化に対応できなくなり、最悪の場合倒産してしまうこともあるでしょう。
また、自社に不祥事が起こり、正常性バイアスに陥ってしまえば、事態を収集できなくなるほど手遅れになることも十分あり得ます。
正常性バイアスが及ぼす悪影響
都合の悪い情報から目を逸らすようになる
予期せぬ事態を正常だと思い込もうとする結果、自分にとって都合の悪い情報から目を逸らしてしまいます。都合の悪い情報から目を逸らしてしまえば、情報を客観的に集めることができません。
都合の悪い情報には、問題解決に必要な情報が含まれることもあるため、問題を悪化させないように都合の悪い情報も集めましょう。
自身の成長を怠るようになる
正常性バイアスに陥ってしまうと、「自分が働いている会社は倒産しないだろう」などと考え、自分が成長するための努力を怠る場合があります。自分の能力を向上させておかなければ、会社の経営が悪くなった際にリストラの対象にされたり、会社が倒産した場合には再就職に困ったりするおそれがあります。
従業員がルールを守らなくなる
正常性バイアスが働くことで、従業員は「自分がルールを守らなかったからといって、大事になることはないだろう」と考え、ルールを守らなくなる場合があります。従業員一人であったとしても、正常性バイアスを放置してしまえば、社内にルールを守らない風潮が生じて、取り返しのつかないミスや事故につながってしまうでしょう。
ハラスメントの原因になる
人は、普段口には出さないものの、無意識のうちに偏見などを心に抱くことがあります。正常性バイアスによって「自分の発言が問題になることはないだろう」という考えが生じてしまうと、普段は口に出さないような偏見や差別的な言葉を発してしまう場合があります。配慮のない発言が繰り返されてしまうことで、ハラスメントの原因になる可能性もあります。
人事評価が公平に行えなくなる
人事評価をする立場の人が正常性バイアスに陥り、「自分の評価は正しいはずだ」と思い込んでしまうと、人を公平に評価することができなくなります。
人事評価を公平に実施できなければ、従業員のモチベーション低下につながってしまうため、特に人事担当の心理状態は把握しておくことが重要です。
正常性バイアスに陥らないための方法
様々なリスクを想定しておく
正常性バイアスは予期せぬ事態が起きたときに生じます。そのため、日頃から様々な事態のリスクを想定しておくことで正常性バイアスを回避できます。また、単に異常事態を想定するだけではなく、それが起きた際どのように行動すべきかまで考えることが大切です。これにより、異常事態が起きた場合でも正常性バイアスに陥ることなく、状況を客観的に分析して行動できるようになるでしょう。
想定外の事態が起きた際の行動指針を定めておく
正常性バイアスに陥らないためには、社内で行動指針を決めておくことが大切です。想定外の事態が起きたとしても、行動指針やルールを定めておけば必要最低限の対応ができ、問題を悪化させてしまうことを防げます。
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