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ターゲティングとは?「選択と集中」で成功を掴む方法を紹介
「御社のメインターゲットはなんですか?」と聞かれて、わからない経営者やセールスパーソン、マーケターはいないかと思います。では、「そもそもなぜターゲットを絞るのか?」という問いに答えられる方はどのくらい居るでしょうか?
ターゲティングは目的を理解して行わなければその効果を最大化することはできません。また、そもそも「ターゲティングって何?」という方は要注意です。
今回は、ビジネスに欠かせない考え方である「ターゲティング」を、基本から解説していきます。
目次
ターゲティングとは、マーケティングの中心となる顧客を設定すること
ターゲティングは一言で表せば「中心顧客の設定」です。つまり、自社にとってのメインのお客様となる層を、さまざまな切り口で定義していくのがターゲティングなのです。
メインターゲットが定まっていない状態では、手当たり次第に営業を掛けたり、宣伝を打ったりしなければなりません。また、「誰に売れば良いのかわからないから動けない」という状態にもなりえます。
メインターゲットを設定することでこうした状況を避け、全社に明確な行動規範を示す助けとなります。
ターゲティングによって、顧客に「刺さる」戦略が打てる
ターゲティングの最大のメリットは、宣伝や営業、商品開発といった部門に至るまで、「どのような製品で、どんな売り方をすればこの顧客に刺さるのか?」という考え方ができるようになることです。適切なターゲティングによって、有望な顧客を逃す可能性を限りなく下げ、自社の獲得できるパイを最大化する戦略を打てるようになります。
しかし裏を返すと、ターゲットを見誤れば顧客を取り逃したり、競争に負けたりすることも大いにあり得るため注意が必要です。
ターゲティングの前提として「市場の細分化」が必要
ターゲティングを行う前に、顧客を定義する軸を「市場の細分化(セグメンテーション)」という作業を通じて決定する必要があります。ざっくり言えば、「市場にはどんな顧客がいるのか?」を徹底的に洗い出す作業です。
洗い出しの軸としては、以下の4種類があります。
- 地理的変数…国、地域、都市/郊外など
- 人口動態的変数…年齢、性別、家族構成など
- 心理的変数…価値観、政治的主張など
- 行動変数…過去の購買パターン、日常の行動パターンなど
こうした軸から、どのような顧客が理論上存在しうるのかを考えます。
ターゲティングの種類
顧客が洗い出せたら、自社が狙うターゲットはどこなのかを決定します。ターゲティングの種類には対象とする市場と投入する製品で大きく4種類に分けられます。
全面
あらゆる市場にあらゆる製品を投下するのが「全面」のターゲティングです。対象となる顧客が多いので、成功すれば非常に高い売上が見込めます。
洗剤、石鹸などの消費財はこのようなターゲットの設定を行なっていることが多いです。
集中
特定の市場に特定の製品を投下するのが「集中」のターゲティングです。リソースの少ない企業では、ニッチなニーズを満たすことで大手に負けない強い戦略が打てます。
市場集中
特定の市場にあらゆる製品を投下するのが「市場集中」のターゲティングです。特定の層に強く刺さる製品のラインナップを持った企業は、市場を集中させることによって特定の顧客からの売上を大きくできます。
製品集中
あらゆる市場に特定の製品を投下するのが「製品集中」のターゲティングです。汎用性の高い商品を取り扱っている企業などは、一つの製品に集中することで自社の強い製品で全体から売上をあげるという戦略が取れます。
ターゲティングの注意点
ここまで、ターゲティングの種類とメリットについて説明しましたが、実際にターゲットを選ぶ際にはいくつかの注意すべきポイントがあります。今回はその中でも特に重要なものを3つ紹介します。
十分な顧客がいるか
最も重要なのは、事業を成立させるのに十分な顧客がその市場に存在するかということです。まず大前提として、損益分岐点をクリアしている必要があります。それに加えて、投資対効果をそのセグメントで実現できるか、企業理念の実現のために十分なインパクトを市場に与えられるか、といった観点から、市場のボリューム感が適切かどうかを判断するようにしましょう。
例えば、「とんでもなくいい製品ができた」と思っても、それが当たるのが「あなたの町の40代の専業主婦」だけで、かつ事業に必要な投資が大きすぎてペイしないという場合は、ターゲティングを見直す必要があります。
競争が激しくないか
一般的に競争が激しい市場(レッドオーシャン)は競争の穏やかな市場(ブルーオーシャン)に比べてシェアを勝ち取りにくいです。そのような市場ではいくら市場のボリュームがあっても、獲得できるパイは非常に小さくなります。
例えば2019年現在、QRコード決済やモバイル決済の市場は、外資から日系大手金融機関、ベンチャー企業、その他IT企業まで、非常に多くの企業がなだれ込んでいます。各社はばらまきともいえるキャンペーンで必死にパイを獲得しようとしており、そこに資本で勝てない企業が今から参入するのは賢い戦略とは言えません。
その顧客にその製品は刺さるのか
せっかく良い製品を持ち、ボリュームのあるブルーオーシャンをターゲットにしても、その市場の顧客が製品に一切反応しなければ何の意味もありません。
極端な例を言えば、ベジタリアンにステーキ肉を売ろうとしても一切売れないでしょう。また、健康志向の30代女性はファストフード店を利用しようとはしないでしょう。それよりも、ステーキ肉であれば筋トレが趣味の20代男性を、ファストフードは忙しいビジネスパーソンをターゲットにしたほうが建設的です。
いかがでしたか?マーケティング戦略の立案におけるターゲティングの重要性とポイントが理解できたのではないでしょうか。
ターゲティングは「STP分析」と呼ばれるマーケティング戦略の立案手法の一部となっています。このサイトでもSTP分析について紹介していますので、よろしければそちらもご覧ください。
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