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ユーザビリティ評価とは?代表的な手法の概要を紹介

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「ユーザビリティ評価」という用語をご存知ですか?これは、ユーザーにとってのサービス・商品の使いやすさを示す「ユーザビリティ」の度合いを測ることを指します。

今回は、ユーザビリティ評価の基本や代表的な手法の概要をご紹介します。

ユーザビリティとはユーザーが感じるサービスの使いやすさのこと

ユーザーがサービスや商品を使用する際は、「旅行を予約したい」「お店のレビューを知りたい」などの目的を持っています。ユーザーが目的を達成するためにサービス・商品を使用する際に感じる使いやすさを、ユーザビリティと呼びます。

ユーザビリティは「有効性」「効率」「満足度」によって決まる

ISO(国際標準化機構)は、ユーザビリティの定義として「有効性」「効率」「満足度」の3つのキーワードを示しました。「有効性」はユーザーが目的を達成できる正確さ・完全さを指し、「効率」は目的を達成した際の正確さ・完全さに対して費やしたリソース、「満足度」は使用した製品への肯定的な感情を指します。つまり、多くの時間や労力をかけたのにもかかわらず、使用目的を完全に達成できず、不快感を覚えたサービスはユーザビリティが低いと言えます。

また注意点として、ユーザビリティは状況・目的・ユーザーに依存し、絶対的な評価はありません。そのため、あるユーザーが使用したときにユーザビリティが高いと評価されたサービスでも、違うユーザー・目的・状況で使用した際は同じ評価にはなりません

ユーザビリティ評価によって、ユーザーが目標を達成できるかを検証する

ユーザビリティには絶対的な評価はありませんが、使いづらいサービス・商品をリリースしないためにも、自社サービス・商品のターゲットユーザーにとってのユーザビリティを把握しておく必要があります。使いにくいサービス・商品はユーザーに敬遠されてしまうため、リリース前にユーザビリティを測り、課題を洗い出す必要があります。このような評価過程をユーザビリティ評価といいます。

ユーザビリティの評価手法

分析的手法:専門家の知識や経験に基づく手法

ユーザビリティの評価手法の1つが、ユーザビリティに詳しい専門家の知識や経験を用いて行う分析的手法です。比較的短期間で評価が可能な一方、評価者の主観が強く反映されるという欠点があります。分析的手法には「ヒューリスティック評価」や「認知的ウォークスルー」などがあります。

  • ヒューリスティック評価
    ヒューリスティック評価は、「ヒューリスティック」が「経験則」を意味することから分かるように、ユーザビリティの専門家が自身の経験から評価観点をまとめたチェックリストを用いて、サービス・商品に点数をつけます。専門家が1人で実施できるため、他の手法に比べて短時間で行えます。また、改善点が点数で表れるため、分かりやすいというメリットもあります。
    一方で、評価結果が専門家の主観に大きく依存するといったデメリットや、専門家が最初に決めてしまった評価軸以外の観点からは課題を発見しづらいというデメリットがあります。

 

  • 認知的ウォークスルー
    認知的ウォークスルーとは、ユーザビリティの専門家がターゲットユーザーになりきり、サービス・商品を使用してみる手法です。専門家がユーザーとして課題の発見に努めるので、重要な課題は早急に見つかる一方で、ヒューリスティック評価よりも網羅性が低く、細かい課題や想定外の課題を見つけにくいというデメリットがあります。また、ヒューリティック評価同様、専門家の主観が結果に大きく反映されます。

実験的手法:データに基づく手法

専門家の知識や経験ではなく、数値やデータを用いて客観的な評価を行うのが、実験的手法です。分析的手法より時間やコストがかかる一方で、説得力のある評価ができることがメリットです。実験的手法には「ユーザビリティテスト」「パフォーマンス測定」「アンケート評価」などがあります。

  • ユーザビリティテスト
    ユーザビリティテストは、ターゲットユーザーに一致する被験者を募り、「このアプリ上で服を買ってください」のような課題に取り組んでもらいながらサービス・商品を操作してもらい、行動や発言からユーザビリティを測る手法です。具体的には、ユーザーが操作する様子を録画する方法や、ユーザーと対話をしながら進める方法、被験者自身が考えていることを話しながら操作する思考発話法、操作が終わった後に質問する回顧法などが用いられます。ユーザーの行動の理由が詳細に分かる一方で、被験者の募集や実験の実施のコストが高いというデメリットがあります。

 

  • パフォーマンス測定
    パフォーマンス測定は、被験者に課題に取り組んでもらい、課題の達成率やかかった時間、アンケートの結果などを踏まえて評価を行う手法です。ユーザビリティの要素である「有効性」「効率」「満足度」の全てを評価できることが特徴です。達成率や時間など、定量的なデータが取れることがメリットですが、思考発話法などに比べて、被験者の細かい心理までは把握しにくいというデメリットがあります。

 

  • アンケート評価
    アンケート評価は、操作を終えた被験者に対してアンケートを実施し、ユーザビリティを評価する手法です。アンケート結果は集計しやすいため、ユーザビリティを定量的に評価しやすいというメリットがあります。しかし、選択式のアンケートなどを用いた場合、開発側が想定していなかった課題や解答の背景までは発見・把握しづらいといったデメリットがあります。
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