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インストアマーチャンダイジング(ISM)を解説|代表的な手法も紹介

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「インストアマーチャンダイジング」という用語をご存知ですか?
スーパーや衣料品店などの実店舗で、低コストで売上を伸ばすための施策として重要なのがインストアマーチャンダイジングです。

今回は、インストアマーチャンダイジングの基本や代表的な手法をご紹介します。

インストアマーチャンダイジング(ISM)とは、商品の陳列や構成の検討によって収益アップを狙う活動

インストアマーチャンダイジングは英語のIn-Store Merchandisingに由来し、この頭文字をとってISMと省略されることもあります。In-Store Merchandisingは直訳で「店内の商品計画」を意味するように、「店内の商品・サービス・広告・陳列・販売方法などの検討を通して売上を向上させるための施策」を指します。

マーチャンダイジングには「商品」「時期」「場所」「数量」「価格」の要素があり、これらの中でも店内のものに注力することで売上向上を目指すのがインストアマーチャンダイジングです。

インストアマーチャンダイジングによって、低コストで収益アップが狙える

インストアマーチャンダイジングでは、既存顧客である来店者をターゲットとした施策を打ち出します。そのため、メディアへの広告の出稿や、大規模なマーケティング施策を打ち出す必要がなく、コストがかかりにくいというメリットがあります。また、インストアマーチャンダイジングの成功によって、既存顧客の単価の向上が見込めるため、低コストでの収益アップを狙うことが可能です

インストアマーチャンダイジングには大きく分けて「スペースマネジメント」と「インストアプロモーション」の2つの手法があります。

スペースマネジメントは、商品のレイアウトや棚割を活用したISMの手法

スペースマネジメントは、商品や棚の並べ方、来店者が店内で歩く動線などを活用して売上向上を目指す手法です。店舗そのものの在り方に注目し、商品の見せ方・来店者の誘導の仕方などに改善を加えます。スペースマネジメントには、「スペースアロケーション・シェルフスペースマネジメント」、「ワンウェイコントロール」の2つの手法に分けられます。

スペースアロケーション・シェルフスペースマネジメント

スペースアロケーションは商品が置かれている棚(シェルフ)の配置の仕方を最適化することを指し、シェルフスペースマネジメント棚の中での商品陳列の仕方を最適化する手法を指します。

例えば、店内に入ってすぐのエリアに置かれている棚は来店者全員の目につくため、商品が注目を得やすい配置だと言えます。また、棚の中でも胸の高さに置かれた商品は自然と目に入りやすいです。それ以外にも、子供が好むようなおもちゃやお菓子を下の段に置くことで、子供の目に入りやすく、結果として売上に繋がりやすくなります。

その他にも、同じような商品を1箇所にまとめる「グルーピング」、各グループが棚の中で占める割合を決める「ゾーニング」、売れている1つの商品が複数個並ぶように陳列する「フェイシング」などのテクニックがあります。

ワンウェイコントロール

ワンウェイコントロールとは、来店者が店内をどのように歩くかを最適化する手法です。基本的な原則として、来店者が店内を歩く距離・店内滞在時間が伸びるほど買い上げ点数が増える傾向にあります。店内をなるべく歩いてもらえるように、配置する棚の数や連結させる数、通路の幅、入口と出口の配置などを最適化することをワンウェイコントロールと言います。

なるべく店舗内を歩き回って多くの商品を見てもらうことが目的ですが、かえって歩きづらい・商品が見づらい・時間がかかるといった不満から他店舗に顧客が流れてしまう可能性もあるので注意が必要です。例えば、下図では左の店内配置の方が顧客は歩きやすいですが、顧客の目に触れる商品の数は減ってしまいます。その一方で、右の店内配置では顧客は長距離を歩く必要があり、1つの商品を探す際に多くの商品が目につくようになります。

インストアプロモーションは、値引きや試供品を活用したISMの手法

インストアプロモーションは、商品の値段や試供品・POP広告などによる商品のプロモーションを行う手法です。来店者自身による商品の発見を促すスペースマネジメントと違い、店舗側から来店者に働きかけることで購買に繋げようとする取り組みです。インストアプロモーションは、大きく「価格主導型」と「非価格主導型」に分けられます。

価格主導型

価格主導型は、値引きを主体としたインストアプロモーションです。セールの実施による値引きやポイントの還元、「3つで1,000円」といった複数個の購入による割引、増量などが例として挙げられます。

非価格主導型

価格の変更を行わずに売上を伸ばそうとするのが非価格主導型です。例としては、店内放送による商品のプロモーションや、実演販売試食の提供などが挙げられます。その他にも、「ビールを箱で購入した時に洗剤が付いてくる」といった試供品の提供や、「ペットボトルを購入するとコラボグッズが付いてくる」といったノベルティの提供も非価格主導型のインストアプロモーションの手法の1つです。

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