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セグメントとは?同じビジネス用語でも全く違う2つの意味を解説

「今回の事業のターゲットセグメントは…」
「今期の当該セグメントの売上は…」
このように、ビジネスシーンで「セグメント」という言葉を聞くことが多いのではないでしょうか。一方で、「セグメント」という言葉は2種類の意味を持っており、よくよく意味を理解しておかなければ混同してしまいます。
今回は、ビジネスで使用される「セグメント」という言葉の意味を詳しく紹介していきます。
目次
セグメントとは「全体を細かく分けたうちの1つ」
そもそも、セグメント(segment)は「区切り」「部分」といった意味を持ちます。ただ「全体の一部」であるというよりは、「全体をまず細かく分けて、そこから1部分を取り出した」というニュアンスがあります。
同じような意味を持つ言葉には「part」「section」などがありますが、これらは単純に「全体の一角」という意味に近いものになっています。
マーケティングの視点での「セグメント」
ビジネスで「セグメント」という言葉が持ちられるシーンの1つに、マーケティングに関する話題を出しているときが挙げられます。おそらく、これが最もメジャーな用法なのではないでしょうか?
では、マーケティングの文脈での「セグメント」に関して、詳しく見ていきましょう。
マーケティングでのセグメントは「共通の要素を持った顧客群」のこと
マーケティングにおける「セグメント」は、「市場全体のうち、共通の要素を持った、性質の近い顧客群」のことを示します。
事業を展開する際には、あらゆる顧客に対し無差別に商品を売っていくことは効果的ではありません。自社の顧客が最も刺さりやすい顧客を選んで狙い撃つか、あるいは全体を狙うにしても顧客によって売り方を変える必要があります。
そういった際に「年齢」「居住地」「性格」などさまざまな要素で顧客を分けた上で、その中から取り出した特定の顧客群を「セグメント」と呼びます。
マーケティングの視点での「セグメント」を使った例文
「セグメント」という言葉は、マーケティングの文脈では次のように使われます。
「今回の戦略では、都内在住の40代女性、年収400万~600万のセグメントをターゲットにしています。」
こういったケースでは、顧客を「居住地(都道府県)」「年齢」「性別」「所得」という変数で細かく分け、その中から特定の一部分を取り出してターゲットにした、ということを意味しています。
市場セグメントの4つの分け方
顧客をセグメントに分けるには、さまざまな方法があります。大きく分けると、以下の4種類があります。
- 地理的変数(居住地、文化、インフラの発展度合など)
- 心理的変数(価値観、政治的信条、宗教観など)
- デモグラフィック変数(年齢、家族構成、引っ越し履歴など)
- 行動変数(過去の購買履歴、1日のスケジュールなど)
こうした情報をもとに、セグメントを切り出していきます。
経営の視点での「セグメント」
ビジネスで「セグメント」という言葉が用いられるもう1つのシーンに、経営戦略に関する文脈があります。マーケティングの文脈ほどではありませんが、頻繁に用いられるケースです。
では、経営の視点からの「セグメント」について、詳しく見ていきましょう。
経営でのセグメントは「事業領域」のこと
経営の文脈でのセグメントは「複数の事業があるうちの、1つの事業領域」ということを意味します。
中小企業の多くは単一事業で会社を経営しているため、こうした言葉が使われることはまれです。一方、多角的に事業を展開する中堅~大企業では企業全体の業績を見るためにこうした言葉が使われるケースがあります。
経営の視点での「セグメント」を使った例文
経営の視点では、「セグメント」という言葉が以下のような使い方をされます。
「今期の当社のセグメント別の売上は、ITコンサルティング事業が2億円、技術者派遣事業が1億円、Web制作事業が5000万円となっています。」
この文章は、「うちの会社にはITコンサルティング、技術者派遣、Web制作の3つの事業が存在して、それぞれの売上がこうなっています」ということを意味しています。
決算説明会などでよく聞くフレーズで、株主に対して業績の内訳を公表して、なぜそうなったかを解説する際に使われます。
有価証券報告書に見る「セグメント」
それでは、実在する会社の「セグメント」について見ていきましょう。パナソニックの2018年度の有価証券報告書の87ページをみると、「セグメント情報」というセクションがあります。
これを見ると、この会社には「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」「その他」のセグメントが存在してることが分かります。また、地域別の業績も出ています。
それぞれの売上や費用が紹介されており、経営の効率性がより細かくわかるようになっています。
いかがでしたか?
ビジネスシーンで「セグメント」という言葉が持つ2つの意味がよく理解できたのではないでしょうか。ビジネスでは複数の意味を持つカタカナ言葉が頻出するので、日常会話以上に文脈に注意していきましょう。




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