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セグメントとは?同じビジネス用語でも全く違う2つの意味を解説
「今回の事業のターゲットセグメントは……」「今期の当該セグメントの売上は……」など、ビジネスシーンで「セグメント」という言葉を聞くことは多いのではないでしょうか。しかしビジネスにおける「セグメント」は2種類の意味で使われるため、よくよく意味を理解しておかなければ混同してしまいます。
今回は、ビジネスで使用される「セグメント」という言葉の意味を詳しく紹介していきます。
目次
セグメントとは「全体を細かく分けたうちの1つ」
そもそもセグメント(segment)は、「区切り」「部分」といった意味を持ちます。また、単に「全体の一部」であるというよりは、「全体をまず細かく分けて、そこから1部分を取り出した」というニュアンスです。
同じような意味を持つ言葉には「part」「section」などがありますが、これらは単純に「全体の一角」という意味に近いものとされています。
マーケティングの視点での「セグメント」
ビジネスで「セグメント」という言葉が用いられるシーンの1つに、マーケティングに関する話題を出しているときが挙げられます。おそらく、これが最もメジャーな用法なのではないでしょうか?
では、マーケティングの文脈での「セグメント」に関して、詳しく見ていきましょう。
マーケティングでのセグメントは「共通の要素を持った顧客群」のこと
マーケティングにおける「セグメント」は、「市場全体のうち、共通の要素を持った性質の近い顧客群」を指します。
事業を展開する際、あらゆる顧客に対し無差別に商品を売ろうとするのは効果的ではありません。自社の製品が最も刺さりやすい顧客を選んで狙い撃つか、あるいは全体を狙うにしても顧客によって売り方を変える必要があります。
そういった際に「年齢」「居住地」「性格」などさまざまな要素で顧客を分け、その中から取り出した特定の顧客群を「セグメント」と呼びます。
マーケティングの視点での「セグメント」を使った例文
「セグメント」という言葉は、マーケティングの文脈では次のように使われます。
こういったケースでは、顧客を「居住地(都道府県)」「年齢」「性別」「所得」という変数で細かく分け、その中から特定の一部分を取り出してターゲットにした、ということを意味しています。
市場セグメントの4つの分け方
顧客をセグメントに分けるには、さまざまな方法があります。大きく分けると、以下の4種類があります。
- 地理的変数:居住地、文化、インフラの発展度合など
- 心理的変数:価値観、政治的信条、宗教観など
- デモグラフィック変数:年齢、家族構成、引っ越し履歴など
- 行動変数:過去の購買履歴、1日のスケジュールなど
こうした情報をもとに、セグメントを切り出していきます。
経営の視点での「セグメント」
ビジネスで「セグメント」という言葉が用いられるもう1つのシーンに、経営戦略に関する文脈があります。マーケティングの文脈ほどではありませんが、こちらも頻繁に用いられます。
では、経営の視点からの「セグメント」について、詳しく見ていきましょう。
経営でのセグメントは「事業領域」のこと
経営の文脈でのセグメントは「複数の事業があるうちの、1つの事業領域」ということを意味します。
中小企業の多くは単一事業で会社を経営しているため、こうした言葉が使われることはまれです。一方、多角的に事業を展開する中堅~大企業では、企業全体の業績を見るためにこうした言葉が使われるケースがあります。
経営の視点での「セグメント」を使った例文
経営の視点では、「セグメント」という言葉は以下のような使い方をされます。
この文章は、「うちの会社にはITコンサルティング、技術者派遣、Web制作の3つの事業が存在していて、それぞれの売上がこうなっています」ということを意味しています。決算説明会などでよく聞くフレーズで、株主に対して業績の内訳を公表して、なぜそうなったかを解説する際に使われます。
有価証券報告書に見る「セグメント」
実在する会社の「セグメント」について見てみましょう。パナソニックの2018年度の有価証券報告書の87ページをみると、「セグメント情報」というセクションがあります。
(参考:https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/pdf/Report2018.pdf)
これを見ると、この企業には「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」「その他」のセグメントが存在していることが分かります。それぞれの売上や費用が紹介されており、経営の効率性がより細かくわかるようになっています。
いかがでしたか?ビジネスシーンでの「セグメント」という言葉が持つ2つの意味がよく理解できたのではないでしょうか。
ビジネスでは複数の意味を持つカタカナ言葉が頻出するので、日常会話以上に文脈に注意しましょう。
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