この記事は 3 分で読めます

Cookie規制の影響を解説|規制内容や対策方法もあわせて紹介

URLをコピーする

最近、「Cookie規制が強化される」といった記事を目にする機会があった方もいるのではないでしょうか。CookieはWebマーケティング活動に重要であり、規制に対して適切な対応をしなければなりません。
この記事では、Cookie規制の背景や内容、規制による影響や対策方法を紹介します。

Cookieとは、Webサイトにアクセスしたユーザー情報を記録したファイルのこと

CookieとはWebサイトにアクセスしたユーザー情報を記録したファイルであり、ブラウザに保存されます。Cookieには固有IDが含まれており、IDを基にサーバーがユーザーを識別できます。そのため、サイト再訪問時に自動ログインや中断したショッピングの再開などが可能になり、快適にサイトを閲覧することができます。

また、Cookieによってユーザーの行動履歴を取得できるため、ユーザーの趣味嗜好にあった広告が配信可能になります。よって、CookieはWeb広告配信にとても重要であり、規制による影響を把握する必要があります。

Cookieの種類

Cookieには発行するサイトの違いにより、3つの種類があります。

  • ファーストパーティCookie
    ファーストパーティCookieは、アクセスしているサイトで発行されたCookieを指し、発行されたサイトのみで機能します。自動ログインのために役立ちます。
  • セカンドパーティCookie
    セカンドパーティCookieは、他のサイトで発行されたファーストパーティCookieを指します。他サイトから提供されることで取得できます。
  • サードパーティCookie
    サードパーティCookieは、アクセスしているサイトの運営者以外の第三者が発行したCookieを指します。主にWeb広告によって発行されます。ターゲティング広告に活用されます。

Cookie規制の背景は、プライバシー保護への関心の高まり

近年、プライバシー保護への関心の高まりによって、Cookie規制が強化されています。日本においては、2019年にCookieが関係する大きな問題が起こりました。就職情報サイトを運営する企業が、就活生の内定辞退率を予測したデータを企業に販売していた問題です。

そのサイトでは、企業応募者の個人情報と就活情報サイトのユーザー情報の照合にCookieが使われていたため、Cookieによって個人が特定できる形になっていました。そして、ユーザー側には個人情報の第三者への提供の有無をはっきり知らされないまま、同意がなされていました。この問題が、個人情報保護法の改正にCookie規制が盛り込まれる一因になりました。

Cookie規制の内容

法律による規制

海外の法律であれば「GDPR」「CCPA」、日本の法律であれば「改正個人情報保護法」による規制が挙げられます

GDPR(General Data Protection Regulation)は、欧州経済地域における法律であり、CookieやメールアドレスおよびSNSへの書き込み、IPアドレスなどが個人情報として定義され、利活用にユーザーからの事前同意が必要です。つまり、「サイトの閲覧を続けるとCookieポリシーに同意したことになる」といったユーザーの許可・拒否の選択行動が伴わない同意は違反とみなされる可能性があります。日本企業であっても、欧州経済地域のユーザーデータを取り扱う場合は、規制の対象となります。

CCPA(California Consumer Privacy Act)はアメリカ合衆国カリフォルニア州における法律です。GDPRと同様にCookieが個人データとして定義されますが、事前同意は必要ありません。しかし、ユーザーから情報の利用方法に対する開示や削除の依頼があった場合には速やかに対応する必要があります。また、法の対象範囲は、日本を含む全世界に及ぶので注意が必要です。

日本では個人情報保護法の改正によって、Cookieを含むデータの利活用にユーザーの事前同意が必要な条件が明確化されました。また、罰金刑の最高額が1億円以下に引き上げられ、規制が強化されています。このように国内外でCookieの規制強化が進んでいるため、注意が必要です。

各ブラウザによる規制

ブラウザ「Safari」「Google Chrome」「Firefox」によるCookie規制も強化されています。例えば、AppleのSafariは2018年からファーストパーティCookieの利用を制限しており、保存期間が24時間に制限されています。さらに、2020年3月からはサードパーティCookieを完全に削除する規制が加えられています。また、GoogleのGoogle Chromeは、2024年までにサードパーティCookieのサポートを廃止するとしています。

そして、MozillaのFirefoxは、プライバシー保護機能「Total Cookie Protection」をデフォルトで有効にすることを発表しました。この機能は、各WebサイトでCookieを共有しない機能であり、各々が発行したCookieのみにしかアクセスできなくする機能です。

Cookie規制によるマーケティングへの影響

リターゲティング広告の配信量低下や効果減少

Cookie規制によって、ユーザーの興味関心や行動履歴を収集しにくくなるため、リターゲティング広告の配信量の低下や効果の減少が見込まれます。これまではWeb広告媒体企業が発行したサードパーティCookieを活用し、ユーザーの趣味嗜好を収集してユーザーにあった広告を配信していました。しかし、ブラウザによってサードパーティCookieを削除されてしまうと、ターゲティング広告に活用できなくなってしまいます。

コンバージョンやアトリビューション計測精度の低下

コンバージョンやアトリビューション計測にもサードパーティCookieが活用されているため、Cookie規制によって計測精度が低下する可能性があります。すでにサードパーティCookieを制限しているブラウザ「Safari」では、コンバージョン数が減少している可能性があります。

また、ユーザーがコンバージョンするまでに通った経路を分析するアトリビューション計測にサードパーティCookieは重要であり、この計測にも大きな影響が見込まれます。

Cookie規制への対策方法

ファーストパーティCookieを活用した広告手法を用いる

Googleアナリティクスには、ファーストパーティCookieを用いてユーザーの行動履歴を取得し広告配信を行う方法があります。これは、GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携することで実施できます。ブラウザから規制を受けやすいサードパーティCookieを用いていないため、効果的です。

Cookieを用いない広告手法を導入する

Cookieを用いない広告手法としては、「コンテキストターゲティング広告」「Googleファインド広告」が挙げられます。コンテキストターゲティング広告は、広告配信側が指定したテーマおよびキーワードに関するページや、指定したURLに配信するため、ユーザーのデータを用いません。Googleファインド広告は、Googleアカウントに紐づいた閲覧履歴をもとに、YoutubeやGmail内で広告を配信する手法です。このようにCookieに依存しない広告手法を取り入れることで、規制を回避できます。

プライバシーポリシーの見直しやCookie利用の同意取得を行う

法令に関するCookie規制に対しては、プライバシーポリシーの見直しやCookie利用の同意取得を行いましょう。その際、プライバシーポリシーが改正個人情報保護法や海外の法律に則っているか、法律の専門家に相談しましょう。またWebサイトにおいては、ボタンやチェックボックスのクリックによってCookie利用の同意を取得するツールの導入により、法令に対応することも必要です。

ダウンロード ダウンロード
ダウンロード

これからはじめるBtoBマーケティング施策入門書

無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。

マーケティングおすすめの記事

2020年7月22日

【マーケティングに必須】市場分析とは?フレームワークも併せて紹介

2020年4月28日

製品戦略(プロダクト戦略)とは?具体的なフレームワークも紹介

2018年8月1日

無料のマーケティングオートメーション(MA)ツール4選!簡単に使いこなそう