ビジネスでは、施策の企画やソリューション営業など、上司やお客様に提案を行うシーンが多くあります。そのような中で、このような悩みを抱えることも多いのではないでしょうか?
「なかなか企画が通らない…。」
「イマイチ提案の説得力がない…。」
説得力を出すには、「これをやることで確実に旨味がある!」ということを言わなければなりません。そのような際に、数字を使ってわかりやすく効果を表現できるのがROI(Return of Investment, 投資利益率)です。
また、企画の説得力を増すだけではなく、既存の施策の効果を測定し、費用対効果を上げるために何が出来るのかを考える際にも使うことができます。
今回は、そんなROIの基本や計算方法、解釈の方法について解説していきます。
ROIとは、投資に対してどの程度利益が上がるかの指標
ROIとは、一定額の投資に対し、どの程度の利益が上がっているのかを示した指標です。ROIは一般的に百分率(%)や倍率(~倍)という形で表されます。
ROIが高い投資ほど効率のいい投資であるといえます。また、ROIが100%(1倍)を下回る投資は損失を生んでいると言えます。
一般的に、ROIは300%(3倍)を超えると「費用対効果が良い」と言われることが多いです。
ROIを見るメリット
冒頭でも述べましたが、ROIを計算し、分析することには様々なメリットが存在します。
数値を示すことで、企画や提案の説得力が上がる
ROIが最もよく登場するシーンは、施策や営業の提案を行う場面です。こうした場面で説得力を出すには、提案を受け入れることによる旨味を、具体的な数字とともに示すことが必要です。
ROIは言ってしまえば「どの程度儲かるのか」を示した指標です。実際の企画内容とともに、「このぐらい儲かりますよ!」と示すことができれば、高い現実性をもって提案を行うことができます。
投資と利益のバランスを見ることで「本当の効果」が分かる
ROIは、実際に行った投資に対しどの程度の利益が発生しているのかを見る際にもよく使用します。投資の効果を見る似たような指標にROAS(Return of Advertising Spend)というものがあり、これは広告への投資に対してどの程度の売上が発生したかという指標です。
一方ROIは売上ではなく利益を見ているので、実際の効果(=儲け)のみを抽出して見ることができます。本当に効果のある投資なのかを調べるには、ROIが最適なのです。
ROIの計算方法
では、実際にROIの計算をどうやるのかを見ていきましょう。一般的な計算式は以下のようになります。
ROI(%)=利益÷投資×100
これを少し分解して、より計算しやすい形にしていきましょう。利益は一般的に下のような式で表されます。
利益=売上-売上原価-投資
今回は売上原価に関連しない部分(ex. 広告費)で投資した場合を考えています。これをROIの式に当てはめると下のようになります。
ROI(%)=(売上-売上原価-投資)÷投資×100
具体的な計算事例
では実際にROIを計算してみましょう。
■ケース1
- 売上:5億
- 売上原価:1億
- 投資額:2億
■ケース2
- 売上:1億
- 売上原価:1000万
- 投資額:2000万
これらのROIを計算してみると、ケース1は100%(損益なし)、ケース2は350%(3.5倍)となっています。ケース1のほうが大きなビジネスではありますが、効率が良いのはケース2であることが分かります。
ROIを解釈する上での注意点
ROIは効果を測定するために非常に有効な指標ですが、一方でROIにも限界があります。ROIで結局どこまで分かるのかを把握し、正しい解釈を加えるようにしましょう。
「利益」に表れない成果もある
ROIは文字通り「利益」と「投資」の関係のみを示しています。しかし、投資の成果には利益に直接繋がるものと、そうではないものが存在します。
例えば、顧客満足度の増加や認知度の改善などは、それ自体が利益の向上には繋がりませんが、利益を向上させるための十分条件にはなりえます。
そのため、ROIを解釈する際には、その他の定性的な指標を組み合わせ、「利益を改善させるにはまだ何が足りないのか?」を考えるようにしましょう。
利益を伸ばすだけが「ROIの改善」ではない
ROIを改善させるための方法として、真っ先に思い浮かぶのは「利益を改善させること」ではないかと思います。しかし、それだけがROIの改善ではありません。今一度、ROIの計算式を見てみましょう。
ROI(%)=(売上-売上原価-投資)÷投資×100
これを見ると分かるように、単に利益を上げるというだけでも、「売上を伸ばす」「売上原価を下げる」の2通りがあることがわかります。また、利益は変わらずともそれを少ない投資で実現することができれば、それでROIを改善することができます。
様々な変数を精査し、改善の余地を探ることで、包括的にROIを上げることを目指しましょう。
いかがでしたか?
ROIの基本的な考え方や計算方法、簡単な分析方法が分かったのではないでしょうか。ROIに限らず、定量的な指標を扱う際は「それが何を意味しているのか?」といった部分を、より広い視野で考えるようにしましょう。
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