この記事は 2 分で読めます
顧客インサイトとは?把握する手順や活用の際に注意すべき点を紹介
顧客インサイトという言葉をご存知ですか。顧客インサイトは消費者の自覚できていない欲求を把握することに役立つ考え方で、マーケティング戦略の立案などに役立ちます。
この記事では、顧客インサイトの概要や把握する手順、活用する際に注意すべき点を紹介します。
目次
顧客インサイトとは、顧客自身が自覚できていない欲求のこと
顧客インサイトとは、顧客自身もまだ自覚できていない欲求や意識のことを指します。本質的な欲求は本人も自覚できていない場合が多いため、顧客インサイトを知り活用することで効果的なマーケティング戦略を立案できます。
近年は、性能や品質が良いものでも類似品が簡単に手に入るようになり、優れた商品というだけでは競争に勝てなくなりました。顧客インサイトを把握することで、顧客の本質的な欲求や意識に対してアプローチできる商品を開発でき、競合他社との差別化につながるとして注目を集めています。
潜在ニーズとの違い
顧客インサイトと似た意味を持つ言葉に潜在ニーズがあります。潜在ニーズとは、顧客自身が気づけていないニーズのことを指し、顧客自身が気づいていないという意味では顧客インサイトと似ていますが、顧客インサイトは潜在ニーズよりも深く、引き出しにくい欲求のことを指します。
顧客インサイトを活用した例
実際に顧客インサイトを活用した企業の例として、日清食品があります。日清食品は若年層がメインターゲットであり、シニア層を取り込むことが課題でした。
シニア層は健康を意識した食生活を望んでいると考え、カロリーや塩分を抑えた商品の開発に取り組みましたが、シニア層からの支持はそれほど得られませんでした。これを受けてさらに調査を行なったところ、シニア層は健康を意識した食事を求める以上に品質の高い食事を求める傾向があることが分かりました。この顧客インサイトから「カップヌードルリッチ」を開発し販売したところ、シニア層の購入者が増加しました。
顧客インサイトを把握する手順
1. 顧客の声を集める
顧客インサイトを把握するためには、まずインタビューやソーシャルリスニングによって顧客の声を集めることが大切です。インタビューはあらかじめ用意した質問に答えてもらうため、定量的なデータを集めたい場合に効果的です。状況に応じてオンラインインタビューやグループインタビューなど実施の方法を変えることもできます。
ソーシャルリスニングとはSNS上で発信されている消費者の声を収集することを指します。ソーシャルリスニングではより本音に近い意見を知ることができるため、定性的なデータの収集に役立ちます。
2. 集めた情報を分析する
次に、インタビューやソーシャルリスニングによって集めた情報を定性・定量の両方について分析します。対象とした消費者の属性ごとの特性を探るなどして傾向を掴みます。この際、分析ツールやシステムを用いることも効果的です。
3. 分析情報を基に顧客インサイトを探る
分析した情報を元に顧客インサイトを探り、定義します。顧客の声は表面的であることが多いため、仮説を立て実際の傾向と照らし合わせて顧客インサイトを見つけます。
顧客インサイトを活用する際に注意すべき点
可視化が難しいことを考慮しておく
顧客インサイトは表面的でないことが多いため、可視化が困難です。顧客インサイトを分析する際には、社内で共通のフレームワークを持つなどして意思決定の基準を定めることで、顧客インサイトの把握や利用がしやすくなるでしょう。
発見した顧客インサイトが周囲に理解されにくい場合がある
顧客インサイトは可視化が難しいため、活用しようとしても社内の理解を得ることが難しく、無視されてしまう可能性があります。そのため、商品開発などに取り組みにくく、アンケート調査などによる証拠を提示できるようにすることが大切です。
企業の印象を悪くするおそれがある
顧客の潜在意識に働きかけたいがためにストレートな表現を用いてしまうなど、企業の印象を悪くしてしまうおそれがあります。顧客インサイトが顧客のコンプレックスにつながっている場合は特に悪い印象を与えてしまい、かえって購入につながりにくくなります。訴求方法は顧客インサイトに応じて選ぶようにしましょう。
持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。