チャットボットを導入したいものの、作り方や導入の流れが分からないという方が多いのではないでしょうか。
今回は、チャットボットの作り方や手順、作成時の注意点について解説します。
目次
チャットボットを導入すれば、質問・相談に関わる業務を削減できる
チャットボットとは、事前に用意したり、AIに学習させたりした回答を使ってコンピュータが質問対応を自動で行うプログラムのことです。チャットボットを導入すれば、人が直接対応するはずだった質問・相談にコンピュータが自動で回答を提案するため、これらに関わる業務を削減できます。
チャットボットの導入例としては、顧客からの問い合わせ対応、社内から管理部門への質問・相談対応のほか、ノウハウを蓄積してアドバイスをもらうという、上司のマネジメント負荷軽減を目的としたものも挙げられます。
チャットボットの3通りの作り方
自社で開発する
プログラミングを行い、自社で独自のチャットボットを開発します。PythonやPHP、Javascript、Rubyといった機械学習やWebの連携に長けたプログラミング言語を用います。全てのコードを自作するのではなく、オープンソースや開発フレームワークを活用して一部を書き換える方法が主流です。
自社開発はカスタマイズ性が高く、自社で扱うシステムとの連携もとりやすいメリットがありますが、システム開発や定期的なメンテナンスまで手がける必要があるため、高度なプログラミングスキルやノウハウが必要です。
APIを利用する
APIとはApplication Programming Interfaceの略で、システムやプログラムを繋ぐ仕組みのことです。チャットボットに対応したAPIを利用することで、自社で開発するよりも容易にチャットボットを作成できます。同時に、自社で作成したプログラムを繋ぐこともできるため、独自性のあるチャットボットに仕上げられます。
一方で、APIを扱うにはシステムの仕組みやプログラミングの知識も少なからず必要であり、ノウハウや経験がない場合は困難と言えるでしょう。
専用ツールを使用する
ベンダーが提供するチャットボット専用ツールを使用すれば、プログラミングのスキルを必要とせずチャットボットを作成できます。コンピュータに答えてもらう質問と回答を用意してツールに落とし込むだけで、すぐにチャットボットを構築できます。一方で、カスタマイズ性が低く自社独自のものを作れないことや、自社の他のシステムと連携できない場合があることがデメリットです。
専用ツールを使う場合は、自社の目的に沿うものか、他のシステムとの整合性はあるかといったことを検証しましょう。
チャットボットを導入する手順
1. 導入する目的を明確にしてプラットフォームを決める
チャットボットを導入する際、まずはその目的を明確にします。例えば、顧客からの問い合わせ件数を減らすのか、社内での疑問を解決できるようにするのか、大まかな方針とともに何割ほど減らすかという具体的な数値目標も決定します。
目的を決めたら、チャットボットを導入する場所であるプラットフォームを決めます。カスタマーサポートであれば顧客層に応じてWebサイトかLINEなどのSNSかを決め、社内であればマニュアル内かSlackかといったユーザー目線のアクセスのしやすさを考慮しましょう。
2. FAQを洗い出す
続いて、チャットボットが答える質問と回答のセットを用意します。チャットボットの回答形式には、自作したものとAIが作成したものに分かれます。自作する場合は、問い合わせ件数の多い重要な質問に対する回答を用意します。FAQの数が少ない場合でも、用意した質問に対しては正確に答えられるため、初期導入の手間は少なくて済みます。
AIを用いる場合は、回答内容を事前に学習させる必要があります。自作のFAQと異なり、用意していない質問に対してもAIが学習内容から自動で回答を返事してくれます。一方で、回答の精度を高めるには多岐に渡るFAQのセットを学習させる必要があるため、導入コストがかかる点に注意が必要です。とはいえ、現在はChatGPTなどのAPIが普及しており、FAQを準備するだけで容易に学習させることが可能であり、魅力的な形式であると言えます。
3. チャットボットの作り方を決めて実装する
チャットボットの構築方法は自社で開発するか、APIや専用ツールを利用するかという方法に分かれます。
- 自社開発の場合
自社開発の場合は、内部・外部設計を行い、それを実現するためのプログラミング言語を選択します。チャットボットに持たせたい機能やデザインの設計内容を決めて、それに従って構築した後、用意したFAQを記憶させます。 - API利用の場合
チャットボットを付与したいツールと互換性のあるAPIを選びます。その後、デザインや機能に関する調整を行い、独自性のあるチャットボットを構築します。構築後は自社開発と同様にFAQを記憶させます。 - ツール利用の場合
チャットボット専用ツールを導入する場合は、予算や目的、ツールのコストや機能に応じて適切なツールを選択します。その後、チャットボットを導入するためのマニュアルに従ってFAQを記憶させることで、容易にチャットボットを準備できます。
4. チャットボットをテストして修正する
チャットボットを構築した後は、質問に対してコンピュータが適切に答えてくれるかをテストする必要があります。特に、AIの回答の場合はちぐはぐな質問が返ってくる可能性が高いです。この場合、学習させたデータの品質が悪い、量が少ないといった原因が考えられるため、再度学習させましょう。
5. チャットボットを公開する
チャットボットが正常に機能することを確認後、顧客や社員が利用できるようにプラットフォームに公開します。公開後は、問い合わせ回数が減ったかなどの効果を測定し、減っていなければFAQへの導線や回答内容の見直しをしましょう。
チャットボットを作成するときの注意点
自社開発ではコストに見合った効果を得られるか十分検討する
自社開発では独自性のあるチャットボットを作成できる一方で、プログラミング知識が必要である上、設計・開発に多大な期間を要します。そのため、自社で開発できるほどのノウハウがあるか、チャットボットにコストを割くだけの効果を見込めるかどうかを十分検討することを心掛けましょう。
定期的に回答を更新する
チャットボットを導入すると、導入前とは異なる内容の質問が寄せられるようになります。その質問内容を分析して、さらに質の高い回答を出せるよう、FAQの内容を見直すとともにチャットボットを改善することが重要です。
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