クロスデバイスという言葉をご存知ですか?これは昨今のユーザー行動の変化に対して注目されている仕組みです。
今回はクロスデバイスの概要や注目されている背景、メリットなどについて解説します。
目次
クロスデバイスとは、複数の端末間でユーザー情報を引き継げる仕組みのこと
クロスデバイスとは、同一ユーザーが異なる端末を利用する際に、閲覧履歴などのユーザー情報が引き継がれる仕組みを指します。通常では別デバイスで同一のサイトなどを閲覧した際はそれぞれ別の人物と判断されますが、クロスデバイスに対応させると閲覧者が同一人物かどうかを正確に判断することが可能になります。
判断する方法の一例として、サービスへのログイン情報を基にする方法が挙げられます。例えばGoogleやECサイトなどのオンラインサービスを利用する際に、ログインが求められる場合があります。IDを会員登録時などにユーザーそれぞれに割り振っておき、ログインしてサービスを利用してもらうことで、別端末からのアクセスでも同一ユーザーかどうかが判別できます。
クロスデバイスが必要とされている背景
スマートフォンやタブレットなどの普及に伴い、ユーザーはさまざまな端末を利用して情報にアクセスするようになりました。これまではPCのCookieなどの仕組みを利用しユーザーの行動履歴を把握していましたが、複数端末を利用するようになったことからそれだけでは正確なデータが得られなくなっています。例えば、ホームページへのアクセス情報を解析する場合に、同一ユーザーによる訪問を別々にカウントしていては、実際の利用状況と齟齬が生まれてしまい、効果的な施策を打つことができません。
クロスデバイスを活用することで、コンバージョンなどの数値を正確に計測したり、各端末での履歴を基に効果的にユーザーに訴求したりできるようになりました。
マルチデバイスとの違い
クロスデバイスと似た言葉に、マルチデバイスがあります。マルチデバイスとは、複数の端末で同じサービス・コンテンツを利用できることを指します。クロスデバイスと似ていますが、クロスデバイスは複数の端末間でサービス・コンテンツの情報を引き継げることを指す点で異なります。
また、クロスデバイスは複数の端末間でサービス・コンテンツが利用できることを前提とした仕組みであるため、クロスデバイスに対応するにはマルチデバイス対応でなくてはならないと言えます。
クロスデバイスに対応するメリット
正しいコンバージョンを測定できる
従来の方法では、例えばスマートフォンで広告を見て後ほどPCで購入するという行動を取るユーザーに対して、正しい広告の成果を測定できませんでした。しかし、クロスデバイスに対応することで、広告を見たユーザーと購入したユーザーが同一であるかどうかを判別できるため、広告の効果を正確に把握できるようになります。
効率的な広告配信が可能になる
クロスデバイスを活用したマーケティング方法に、「クロスデバイスリマーケティング」という手法があります。これは、ユーザーの利用している複数の端末を把握し、リマーケティングを行なう機能のことです。ユーザーがさまざまなデバイスから閲覧していると、ユーザーの行動を正確に把握できず、効果的な広告配信ができません。
しかし、クロスデバイスに対応させることで、ユーザーが異なるデバイスでWebを利用した際に、以前訪問したWebサイトに関する広告を配信することが可能になり、広告の効果が高まります。
クロスデバイスでのコンバージョンを解析するためには設定が必要
クロスデバイスにおける広告のコンバージョン(クロスデバイスコンバージョン)を解析するためには、利用する広告プラットフォーム上での設定が必要です。代表的な広告プラットフォームでの設定方法を紹介します。
Google Analytics
Google Analyticsでは、User IDビューやGoogleシグナルを設定することでクロスデバイスレポートを確認できます。UserIDビューから確認する場合は、UserIDの設定とUser IDビューを作成しておく必要があります。また、Googleシグナルの設定方法は以下の通りです。
- Google Analyticsにログイン
- メニューから「ユーザー」「クロスデバイス」「複数デバイスによる重なり」の順にクリックする
- 対象のプロパティのGoogleシグナルを「有効にする」に設定
YDN
YDNでは、Cookie情報やYahoo!Japanのログイン情報を基に同一ユーザーを判別し、クロスデバイスコンバージョンを測定します。広告管理ツールで以下のように設定することで対応させられます。
- YDN広告管理ツールにログインする
- メニュー「コンバージョン測定」にある「デバイスをまたいだコンバージョンの測定」という項目を「する」に変更する
- 発行されるコンバージョン設定タグをサイトに設置する
設定が完了すれば、管理画面やレポートにてクロスデバイスコンバージョンの数値が確認できます。
クロスデバイスコンバージョンは必ず正確に測れるわけではない
クロスデバイスの設定を行なっていても、必ずしもコンバージョンが正確に測れる訳ではありません。例えば、GoogleのアカウントAにログインしたタブレット端末でとあるサイトを訪れた後、GoogleのアカウントBでログインしたスマートフォンで同じサイトを訪れた場合、操作主は同じでも同一人物として計測することはできません。クロスデバイスコンバージョンの数値を活用する際は、その点を十分留意しておく必要があります。
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