マーケティング戦略

ニーズとウォンツの違いとは?顧客が本当に欲しいものを知ろう

「ニーズとウォンツ」の考え方はマーケティングで顧客の心理を考える上で基本的な概念になります。この2つがそれぞれ何を意味するのか、その違いとは何かご存知ですか?

どちらも似たような言葉ですが、全く性質の異なるものです。今回は、ニーズとウォンツの違いと、実際のマーケティングにおける応用方法をご紹介します。

ニーズとは顧客が解決したがっている「困りごと」のこと

ニーズとは、具体的な「モノ」への欲求に発展する前段階の欲求であり、「何かが足りない」「何かで困っている」「もっとこうなったほうが良い」という欠乏状態の事をいいます。

具体的には、水がほしいと思っているときの「のどが渇いている」という状態や、カラオケに行きたいと思っている時の「暇つぶしがしたい」あるいは「仕事のストレスを発散したい」という思いがニーズに当たります。

ニーズは特定のモノではなく、あらゆるモノに対する欲求へと繋がることが特徴です。例えば「喉を潤したい」というニーズは水だけでなく、ジュースやお酒などへの欲求に発展する可能性があります。

潜在ニーズとは、顧客自身がまだ自覚していないニーズ

上で解説した「のどが渇いている」といったニーズはすでに本人が自覚している、「顕在化したニーズ」です。しかしながら、すべてのニーズが顕在化しているとは限りません

例えば、以前はスマートフォンは存在しませんでしたが、その事によって「何かが欠乏している状態=ニーズ」は生まれていませんでした。しかし現代人がスマートフォンを持っていないと「もっと便利にコミュニケーションが取りたい」というニーズが発生するでしょう。

これはつまり、以前も便利なコミュニケーション手段へのニーズが潜在的に存在していたが誰も気づいておらず、それが現代のスマートフォンの登場によって顕在化されたことを意味しています。

このように、我々自身が気づいていないニーズを潜在ニーズと言います。

ニーズの調査にはターゲット分析やSNS調査、アンケートが最適

市場のニーズを知る方法は様々にありますが、既存顧客のニーズはターゲット分析から導くことができます。自社製品ユーザーのターゲット像を具体的に割り出し、「誰がどんな製品を使うのか」という情報からニーズを読み解くことができます。

また、最近ではSNSや、ウェブサーベイを活用したアンケートも多く行われています。SNSでの調査では市場のほんの小さなニーズさえも拾い上げることができるため、イノベーションの種となりやすいです。またウェブサーベイでは、多くのサンプルを集めることができ、仮説の実証には最適です。

ウォンツとは、ニーズの解決のために欲している「具体的な解決策」のこと

ウォンツとは、ニーズが具体的な「モノ」への欲求に発展した状態を示しています。例えば「喉を潤したい」というニーズは「水」「ジュース」「お茶」などへのウォンツへと発展します。

また、ウォンツの広がりは直接的な競合にはとどまりません。テレビ局はかつて他局のみを競合だと考えていましたが、これは「暇をつぶしたい」「情報を集めたい」というニーズから発展する主要なウォンツが「テレビ」しかなかったからです。

しかし、今やこのニーズに対応するウォンツはスマートフォンに置き換わりつつあります。テレビとスマートフォンという、一見競合しないように見える2つの製品が、競合するウォンツとなっているのです。

ニーズ・ウォンツごとの顧客分類とアプローチ方法

実際のマーケティング施策は、ニーズとウォンツの高低によって区別されます。具体的には、以下の4つの要素に分類されます。needs_and_wants

それでは各分類について見ていきましょう。

「今すぐ客」には購買方法をわかりやすく示す

今すぐ客とは、製品自体への欲求(ウォンツ)も、購買への動機づけ(ニーズ)も高く、「今すぐにでも買いたい!」と思っている顧客です。

こうした顧客は、流通やアクセスの面で負担をかけること無く、スムーズに製品の購買へと繋げる必要があります。Webの申し込みフォームや、電話1本での申込みなど、「面倒くさい」という理由で欲求を冷まさないようにすることが重要です。

「お悩み客」には他の手段との差別化をする

購買への動機づけは高いものの、「本当にこの製品でいいのか?」と考えている顧客は「お悩み客」と呼ばれており、この顧客には競合する製品に対する差別化が有効です。

他の手段と比較した数値的な優位性や、実際に利用した人の満足度などの情報などを、積極的に発信していくことが有効です。

また、あえて競合する製品を取り入れて、お悩み客の持っている高いニーズに総合的にアプローチするという方法を取ることも有効です。

「そのうち客」には動機づけを行う

そのうち客」とは、製品自体には強い魅力を感じているものの、購買への動機づけに欠けており、「まあいずれ買えばいいか…」と思っている顧客を示しています。

こうした顧客にはニーズを喚起するためのコミュニケーションが必要です。代表的な例が一時期多くの健康食品メーカーなどが行っていた「血液ドロドロ・サラサラ」という表現です。

これは「健康に気を遣ったほうが良いし食べるものを気にしたいけど、そんなに危機感を持っていない」という層に対して、不健全な食生活の結果として体内を流れる血液の流動性が低くなっている状態を「血液ドロドロ」と伝えることで危機感を喚起したマーケティングだといえます。

「まだまだ客」には将来使ってもらえるようにブランドを作る

まだまだ客」は、特に製品への魅力も感じていない上に、購買へのニーズも存在しない状態の見込み客です。こうした顧客は短期的には購買につながらないので、将来困ったときに使ってもらえるようなブランド作りが必要です。

伝統的には、就職・結婚・出産・子の独立…といったライフステージに応じて「今はいらないけど、このときにはこれを買う!」というブランディングが、時計メーカーや家具メーカーなどでは行われていました。

一方で、ライフサイクルが多様化している現代においては、ターゲットに応じて細かくブランドを使い分ける必要があり、難易度は上がっているといえます。

まとめ

いかがでしたか?

ニーズとウォンツを理解することで、視座の高いマーケティングが可能になります。それぞれの高低での顧客の質の違いを理解し、効果的なマーケティングを行いましょう!