PESOモデルとは何かご存知でしょうか。PESOモデルを理解することは、マーケティング戦略でどのメディアを利用すればよいかを考える上で非常に重要です。
今回は、PESOモデルについて、4種類のメディアの概要や役割と、PESOモデルを活用する際のポイントを解説します。
目次
PESOモデルとは、4種類のメディアを駆使して集客を図るマーケティング戦略のこと
PESOモデルとは、ペイドメディア(Paid Media)・アーンドメディア(Earned Media)・シェアードメディア(Shared Media)・オウンドメディア(Owned Media)の4種類のメディアを駆使して、認知度を向上させたり、消費者から意見を収集したり、信頼関係を築いたりするマーケティング戦略です。
従来はペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディアの3種類からなるトリプルメディア(POEM)が主流でしたが、現代のWebマーケティングではこれらにシェアードメディアを足したPESOモデルが重要であると、アメリカのPRパーソン兼経営者であるジニ・ディートリッヒ氏によって提唱されました。
POEMからPESOが注目されるようになった背景
POEMとは、トリプルメディアであるペイドメディア(Paid Media)・オウンドメディア(Owned Media)・アーンドメディア(Earned Media)の頭文字と、メディアのMから取った言葉です。TVCMなどのマスメディアを含むペイドメディア、自社で記事を作成して読者の課題を解決するオウンドメディア、パブリシティなど第三者に情報を発信してもらうアーンドメディアを組み合わせることがマーケティング戦略で重要であると言われていました。
しかし、現在ではSNSの普及により、一般消費者が情報を発信しやすくなり、それに伴って消費者が商品選びで重視する情報「他の利用者の口コミ」を得やすくなりました。同時に、購入の意思決定よりもずっと前に商品の情報に触れていたという事実が、意思決定に影響を与えるという心理行動も相まり、SNSで情報を拡散し続けることがマーケティングで欠かせなくなっています。
こうした背景から、一般消費者にSNSで情報を拡散してもらうことで認知度を高めたり、消費者のリアルな声を聞いたりするためにシェアードメディアが重要視されており、PESOモデルが注目されました。
PESOモデルの4種類のメディアと役割
ペイドメディア:認知度の大幅な拡大
ペイドメディアとは、企業がお金を支払って情報発信を行うメディアのことで、テレビやラジオ、新聞や雑誌といったマスメディアなどが含まれます。ペイドメディアでは、不特定多数に情報を届けることができ、認知度を大きく高められるというメリットがあります。一方で、他のメディアと比較してコストが大きくかかる点に注意が必要です。
アーンドメディア:低コストでの情報拡散
アーンドメディアとは、発信力のある第三者に商品やサービスの情報を拡散してもらうメディアのことです。商品やサービスが話題を呼び、マスコミのニュースに取り上げてもらうパブリシティや、インフルエンサーに依頼してSNSで情報を拡散してもらうといった方法が挙げられます。
低コストでペイドメディア程度の情報伝達力を得られる可能性があったり、インフルエンサーに関心がある特定の消費者層にアプローチできたりする一方で、パブリシティの媒体によっては狙っているターゲットと別の層にしか情報が伝わらない可能性がある点や、企業が情報をコントロールできない点がデメリットです。
シェアードメディア:消費者主体の情報発信とリアルな声の収集
シェアードメディアとは、消費者を主とした第三者にSNSで商品・サービスの情報を発信してもらうメディアのことで、情報を拡散させたり、それに対する他の消費者の反応を集めたりする目的で使われます。
シェアードメディアは、従来のPOEMではアーンドメディアに含まれていました。しかし、アーンドメディアのインフルエンサーに発信してもらう方法では、商品・サービスの評価だけでなくインフルエンサーに対する関心も評価に影響してしまう可能性があります。シェアードメディアは、一般消費者が発信した情報であるため、商品・サービスそのものに対する評価を集められたり、消費者同士の対等な立場での意見交換からリアルな声を得られやすいというメリットがあるため、PESOモデルでは2つを分離して考えます。
このようなメリットはある一方、アーンドメディアと同様に企業が直接情報をコントロールできないところや、狙って拡散させることが難しいというデメリットがあります。
オウンドメディア:長期的な信頼の獲得
オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことで、企業Webサイトや公式SNS、ブログなどが挙げられます。オウンドメディアでは、ターゲットとの信頼関係を築くために幅広い役立つ情報や、直接購入を促すために商品・サービスの情報を発信したりします。
他社の媒体を介さないため低コストで運営することが可能ですが、SEOに関する知識が必要であり、さらに多くのコンテンツを作成する必要があるため、効果が出るまでに時間がかかる点がデメリットです。
PESOモデルを活用する際のポイント
マーケティングの目的とメディアの役割が一致した戦略を練る
PESOモデルを上手く活用するためには、マーケティングの目的と、利用するメディアの役割を一致させる必要があります。例えば、知名度を向上させたいときに、ペイドメディアやアーンドメディアではなく、拡散力が見込みにくいシェアードメディアやオウンドメディアでは、その目的を達成できません。
各メディアの強みや特徴を理解し、マーケティングの目的を達成できるようなメディアを選択しましょう。
それぞれのメディアを組み合わせる
PESOモデルでは、それぞれのメディアを独立したものでなく、組み合わせて活用することが重要です。ペイドメディアで知名度を高めた後、オウンドメディアで長期的な信頼関係を築くといった、各メディアの強みを組み合わせることで、効果的にマーケティングを実施できます。
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