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アンケートの作り方を流れで解説|効果を最大限に得るためのポイント

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アンケートを実施する際、その効果を高めるためには、回答率が高く良質な結果を得られるようなアンケートを作成する必要があります。今回は、良質なアンケートの作り方や事前準備、実施手順やポイントを紹介します。

アンケートを作成する前に確認すべき項目

アンケートを作成する前に、まずは以下の項目を確認しましょう。

  • アンケートの実施目的
    アンケートを行うこと自体は目的ではありません。プロジェクトの目標から、なぜアンケートを行う必要があるのかを明確にしましょう。例えば、新規商品の開発プロジェクトに取り掛かる際は、消費者がその商品に求めている要素や、購入の決め手となる要素などを知ることがアンケートの実施目的となります。アンケートの目的を明確にすることで、必要な質問や対象者などが定まります。
  • アンケート対象となるターゲット
    アンケートの目的から、回答者となるターゲットを定めることも重要です。例えば、事業全体のターゲットを絞るためのアンケートでは年代、性別、地域などを幅広く対象とする必要がありますが、商品改善のためのアンケートではそもそも商品の顧客層とアンケートの対象者が異なれば効果が得られません。
  • アンケートの実施期間
    どの時点でアンケートの調査結果が必要であるかを明確にし、そこから逆算してアンケートの実施期間を決めましょう。

これらの要素を決めたら、質問内容や実施場所についても大まかに検討し構想を練りましょう。

アンケートの作り方と実施手順

1. 質問内容を考える

アンケートを作成する際は、まずは質問内容を考えます。アンケートの目的を見失わないよう、集めたい情報が得られるような質問を考えることが重要です。例えば、商品の改善アンケートでは、現在の商品の各機能面に対する満足度(デザイン・耐久性・重量など)や、ブランドとしての価値、価格の適切さ、優先的に改善すべき事項などが質問内容として挙げられます。

質問数が多すぎると回答するのが面倒になり、回答率が下がってしまうため質問数は最小限にすることを心掛けましょう。まずは重要そうな質問を可能な限り洗い出し、そこから被っている内容の質問や、重要度の低い質問を削っていくことが有効です。

2. 回答形式を決める

質問内容が決まったら、次に回答形式を決めます。主な回答形式として、以下のものが挙げられます。

  • シングルアンサー
    複数の選択肢から1つだけを選んで回答してもらう形式です。回答者の属性を尋ねるときなどに用いられます。
  • マルチアンサー
    複数の選択肢を選べる形式です。重要視している要素を複数選んでもらう場合などに用いられます。
  • 順位回答
    選択肢に対して優先順位を付けてもらう形式です。商品を選ぶ際に重視している要素に対して順位を付けてもらうといった方法が挙げられます。
  • スケール
    「満足・やや満足・どちらともいえない・やや不満・不満」「あてはまる・ややあてはまる・どちらともいえない・ややあてはまらない・あてはまらない」といった、質問に対する段階を答えてもらう形式です。回答者は「どちらともいえない」を選びやすく、さらにデータとしても質が悪くなってしまうため、これを含めない場合も多いです。
  • 数値配分法
    回答者に持ち点(10点、100点など)を与え、それらを各選択肢に対して配分してもらう形式です。解答の手間はかかりますが、順位回答よりもさらに詳細に回答者が重視することを把握できます。
  • フリーアンサー
    自由に記述してもらう形式です。アンケートに対する感想を求める際などに用いられます。
  • マトリックス
    質問項目を複数用意して、それぞれに同じ選択肢から選んでもらう形式です。例えば、ある製品について、価格や機能性、耐久性など複数の軸に対して「良い・普通・悪い」といった同じ選択肢を用意し、その製品に対する顧客イメージを理解するために用いられます。

3. 質問文と回答内容を作成する

質問内容と回答形式を決めたら、実際にアンケートに記載する質問文と回答内容を作成します。質問文と回答内容はわかりやすくすることを心掛けましょう。また、マルチアンサーを選んだ場合は回答内容の項目を最大で10個程度に留めるようにするなど、回答者の負担が重くならないよう注意が必要です。

4. アンケートの実施形式を決める

アンケートの内容が決まったら、どのような形式で実施するかを決定します。まず、対面かオンラインどちらで実施するかを検討しましょう。対面の場合は紙で実施する方法や、資料に添付したQRコードを読み込んでもらって携帯から回答してもらう方法が挙げられます。紙の場合は重複選択が起こる可能性があるほか、収集したデータの分析が煩雑になるため、QRコード形式にし、ネット環境を整えておくとなお良いでしょう。

オンラインの場合は、メールなどにWebアンケートフォームのリンクを添付したり、メールそのものに回答してもらう方法が挙げられます。GoogleフォームやMicrosoft Formsを用いれば、回答結果に応じて表示する質問が切り替わる分岐質問にも対応しています。

アンケート作成ツールについては、次の記事を参考にしてみてください。

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5. アンケートを実施して結果を分析する

アンケートを実施したら、結果を集計して消費者の意見や考え方の傾向を分析します。回答結果を表やグラフで可視化すると、説得力のある分析報告や仮説の立案が可能です。そして、アンケートで得た分析結果をマーケティングや商品開発に活かしましょう。

アンケートの効果を最大限に得るためのポイント

アンケートの効果を最大限に得るためには、作成したアンケートへの回答率を上げることによるデータ量の確保と、結果を今後のマーケティングに活かせるような品質の高いデータの収集が必要です。ここでは、回答率を上げるためのポイントと品質の高い回答を得るための工夫を紹介します。

アンケートの意図と想定回答時間を明記する

アンケートの意図を伝えると、回答が何に使われるのかを回答者が把握できるため、不安を取り除くことができます。同時に、アンケートの結果によって回答者にも恩恵が巡ってくることをイメージしやすくなり、回答率が上がるとともに回答の質も向上するでしょう。

また、回答にかかると想定される時間を明記することも重要です。ただし、アンケートの質問数が多いと想定回答時間が長くなり、回答者の意欲を削いでしまうため、質問数は最低限になるよう注意しましょう。

質問の順番は流れを意識する

質問は、まずは顧客の属性を尋ねるような簡単な質問から、より深掘りを進めていくような順に並べることで回答者のアンケートに取り組むハードルを下げられます。また、ある質問で「いいえ」と答えた回答者は、特定の深掘り質問には答える必要がない場合などには、まずは絞り込む分岐質問を用意しておくことで、回答者の答えるべき質問数を最小限にするとよいでしょう。

謝礼をつける

アンケートの回答者に、小物やギフトカード、抽選券などの謝礼を用意することで、回答意欲を高められます。ただし、謝礼を豪華にしすぎると、それを目的に雑に回答する人が増えるため、適切なインセンティブとなるよう調整することが重要です。

正確なデータが得られる質問文を考える

品質の高い回答を得るためには、適切な質問文を作成する必要があります。公平な回答を得るためにも、誘導質問を作らないことを心掛けましょう。「治安が悪い〇〇を旅行先として選びたいですか」といったような、既にある仮説を立証したいがための質問はアンケートとして不適切です。回答者には先入観を与えずに回答してもらいましょう。

また、シングルアンサーに対して論点を盛り込みすぎることも、どの要素が重要であるかが曖昧になるため適切な質問文とは言えません。「商品を選ぶ際、品質や価格を重視しますか」という質問で「はい・いいえ」の回答しか用意しない場合、品質と価格のどちらを重視しているのかが明らかになりません。シングルアンサーでは論点を1つに絞りましょう。

逆に、アンケートの結果を分析する際に論点を絞り込めない曖昧な質問も避ける必要があります。「今の家庭のテレビに満足していますか」という質問では、「いいえ」を選んだ場合、デザインやサイズ、画質や録画機能といった機能面のどこに不満を持っているかが分かりません。アンケート結果を改善策にまで落とし込めるような回答が得られるよう、質問文を推敲することが重要です。

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