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商品開発に役立つ!ホームユーステスト(HUT)について解説
「新製品のモニター募集中!」といった広告を目にしたことはありませんか?
これはホームユーステストという調査手法で、商品開発において役に立つ意見を集めることができるものです。
今回はこのホームユーステストについて、実施の際の注意点もあわせて解説していきます!
目次
ホームユーステストとは、商品を家庭で利用してもらう形の商品満足度の調査手法
ホームユーステスト(HUT:Home Use Test)とは、商品を実際に消費者の家庭で利用してもらい、その後アンケートで意見や感想を取得する形式の商品満足度の調査手法です。主に商品開発の分野で使用するデータを集めることが目的となっています。
新製品開発の場合は、使い心地などの受容性の調査や、複数ある新製品の候補からの絞り込みなどを行うことができます。また、既存製品についても改良すべきポイントを洗い出したり、競合他社の製品と共に利用して比較してもらったりすることも可能です。
会場調査との違い
同じく商品を利用してもらう調査手法としては、消費者をある会場に集めたうえで商品をテストしてもらう会場調査もあります。会場調査には、全ての対象者に同じ条件でテストを実施できる、商品を企業側で厳重に管理できるなどのメリットが存在します。
これに対し、ホームユーステストでは実際に家庭で商品を使用してもらうため、より生活実態に即した意見を集めることができるといえるでしょう。
ホームユーステストの流れ
ホームユーステストは、基本的に
➀調査の企画:何のために調査を行うか、何を使ってもらうかを決定する
➁モニターの募集・選定:商品のターゲットとなりうる消費者をモニターにする
➂テスト製品の送付:試用期間を決めて製品をモニターに送る
➃アンケート調査と集計
の流れで行われます。
ここで、➂のテスト製品の送付についてブラインドテストとブランデッドテストの2つの方法があります。
ブラインドテストとブランデッドテスト
ブラインドテストとは、ブランド名を明らかにせずに商品を送付する方法です。ブランドに対しての評価や先入観を取り除いて、製品そのものへの客観的な評価を得られるというメリットがあります。
一方、ブランド名を開示して商品を送付する方法をブランデッドテストと呼びます。こちらの方法では、ブランドへの評価や先入観を含めた商品の評価を得ることができます。ブランドイメージについて調査したいときには、こちらの方法が有効でしょう。
商品を評価してもらう方法
商品を送付した後、モニターに使用・評価してもらう手法としては、主にモナディックテストと直接評価法があります。
モナディックテスト
モナディック(Monadic)は「単独の、単一の」を意味します。モナディックテストは、モニター1人につき1つの商品をテストしてもらう評価方法です。
消費者が同一カテゴリから2以上の商品を同時に購入することは少ないので、現実の購入プロセスに近い形で商品を評価してもらうことができます。また、他の商品による影響を完全に排除できるため、他のモナディックテストの結果と比較することが可能です。
ただし、過去のモナディックテストの結果などの比較対象がない場合、単独で結果の良し悪しを判断することは難しいでしょう。
直接評価法
1人のモニターに対して2種類以上の商品を送付し、それらを直接比較してもらう評価方法を直接評価法と呼びます。テストしたい製品間の差が小さいときや、複数商品の中で優劣を付けたいときに使用します。
直接評価法には主に次の2つがあります。
●シークエンシャルモナディック法
1つ目の商品Aの絶対評価の後に続けて2つ目の商品Bを絶対評価してもらい、最後にAB間での比較を行います。調査に際して、Aを先に評価するグループとBを先に評価するグループに分けることで使用順序による影響を除去します。
●プロトモナディック法
1つ目の商品の絶対評価の後に2つ目の商品との比較を行ってもらう方法で、2つ目の商品の絶対評価は行いません。既存商品と新商品の比較を行いたい場合や、競合との比較を目的とする場合に適しています。
どちらの方法でも、モナディックテストと比較すると結果から商品の良し悪しが判断しやすいといえます。ただし、テストしたいずれの商品も絶対的な評価が低い可能性があることには注意が必要です。
ホームユーステストでの注意点
モニターに一時的に商品を預けることになるホームユーステストには、その特徴ならではの注意点が存在します。
商品の管理がモニターに一任される
調査期間中は、商品はモニターの家庭で管理されることになります。そのため、企業が商品を管理する場合と比較して破損・紛失のリスクが大きくなるといえます。また、新商品のテストを実施している場合には発売前に情報が漏れてしまうといったことも考えられます。
よって、テストを行う際には商品の使用方法や機密保持について丁寧に案内する必要があります。破損しやすい商品や機密性の高い商品の場合はホームユーステストに向かないこともありますので、注意しましょう。
モニターが調査期間中に離脱する可能性がある
ホームユーステストには一定の期間を要するため、その間にモニターが離脱してしまう可能性があります。例えば、商品の使用を中断する場合や、アンケートに未回答のまま連絡が取れなくなるような場合です。
そのため、離脱者が出ることを想定した上で多めにモニターを確保する、離脱を防ぐため相場にあった謝礼を用意するなどの注意が必要です。
いかがでしたか?
ホームユーステストには特有の注意点もありますが、状況に合わせて様々な方法で実施できます。
是非この記事を参考にして、自社の商品にあった調査を実施しましょう!
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