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コーホート分析とは?マーケティングに活用し需要を予測するには

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「コーホート分析」という分析手法をご存知ですか?
コーホート分析は一般的にかなり長期的な調査期間を要するため、企業が導入するにはハードルが高いと思われます。しかし、この分析を行うことによって将来的な需要の予測ができ、長期的な事業計画を立てることができます。

今回はコーホート分析がどのような手法か、結果の解釈例とあわせて紹介します。

コーホート分析とは、ターゲットを世代ごとに分析する手法である

コーホートとは、英語で書くと”cohort”、つまり「同時に出生した集団の群」を表します。
コーホート分析は、生まれた時代で分類された集団ごとにアンケートや統計などの調査を行い、世代別の行動や思考、ライフスタイルなどの分析を行うことを目的とします。

一般的に、同じコーホート内の消費者は似たような思考を持っていたり、似たライフスタイルをとったりしているとされます。また、各世代に見られた変化の中には、他の世代にも同様に発生するものもあると考えられています。
そのため、コーホート分析を行うことで、将来的な需要の変化の予想が可能になります。

コーホート分析を将来の事業計画に活用する

特に加齢による思考やライフスタイルなどの変化は、どのコーホートにも同じように発生すると考えられています。そのため、コーホート分析の結果を活用することで、各コーホートの将来的なニーズを予測できます。

各コーホートの分析を行うことで世代ごとに今後ヒットしやすい商品やプロモーション方法を推測、準備することも可能です。特に住宅などの使用期間が長い商品を販売する場合には将来的なニーズの予測が重要です。
そのため、コーホート分析の結果は長期的な事業計画を行う上で重要な指標とされます。

コーホート分析の結果に影響を与える3つの要因

コーホート分析の結果に見られる変化は、

年齢(加齢)効果 + 時代効果 + コーホート効果

のように3つの要素に起因していると考えられています。

年齢(加齢)効果:齢を重ねることによる要因

ターゲットの加齢や成長によって生じた変化を、「年齢(加齢)効果」と言います。
人格の形成による変化などは人生のステージに伴って変化が生じるため、それぞれのコーホートに似たような効果が現れるとされます。

例として、一般的に加齢とともに増加する病院に通う頻度や医療費などが挙げられます。

時代効果:時代背景や環境から生じる要因

各コーホートが生活してきた社会環境や時代背景に影響を受けて発生するものを「時代効果」と言います。

高度経済成長期やバブル期などの要因のほか、流行、IT化などの社会の流れが具体的な例として挙げられます。
このような社会環境や時代背景をともに過ごしてきたコーホートは、似たような思考やライフスタイルを取りやすいとされています。

しかし、時代背景などによって生じた変化は後々別の方向に影響を及ぼすことがあるため、時代効果による変化は流動的とされます。

コーホート効果:世代ごとの特徴による要因

団塊世代や団塊ジュニア世代、ゆとり世代のように同時期に出生し、同じ時代を過ごしたことによる要因を「コーホート効果」と言います。それぞれの世代が生まれ育った環境を反映する形で特徴が現れます。

コーホート効果はその世代特有のものであるため、世代交代によって世の中に大きな変化が生じるとされます。
例えば、戦争を経験した世代がいなくなり、経験していない世代が登場することによって世の中の平和に対する考え方が変わることなどが挙げられます。

コーホート分析および解釈の例

A市において、1年間で病院に行った回数を継続的に調査し、以下の結果を得たとします。

以下のようなコーホート表を作る際、各年齢層の年齢幅と調査年の間隔を等しくします。こうすることで、オレンジのセルのような斜めの一列が同じ集団に関する結果を示し続けます
今回はこの結果を、コーホート分析の3つの要素に分類して解釈します。

年齢効果による変化:
各世代に共通して加齢と共に通院回数は増加していることがわかります。これは主に加齢効果に原因しているものだと考えられます。
また、高齢になりすぎると外に出ることが負荷となり、逆に通院回数が減ることも推測できます。

時代効果による変化:
同じ年齢層を見た場合、調査年が最新のものになるにつれ通院回数が増えていることもわかります。
このことから、時代が進むとともに、健康志向が高まっていることが予想できます。

コーホート効果:
一般的に加齢とともに通院回数は増加すると考えられますが、表の結果を見ていると高齢になってもあまり通院していない世代があるとわかります。
一つの仮説として、このような世代はあまり病院に頻繁に通う習慣がなかったことが推測できます。
一方で、比較的最近の世代は若い頃から病院に頻繁に通い、健康を気遣っていることが予測できます。

まとめ


いかがでしたか?
コーホート分析を行うためにはかなり長期に渡って調査を行う必要があります。
結果を分析し、将来的な消費者の思考の変化などを予測することで、事業計画に活用しましょう。

 

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