マーケティング戦略

戦略PRとは?世論を動かすために知っておくべきポイントを解説

2009年、本田哲也氏によって提唱された「戦略PR」は、SNSの発達とともに重要性を増しています。
そこで今回は、戦略PRが重要視されている背景と、それを成功させるためのカギである「ストーリーテリング」について解説していきます。

戦略PRとは、商品が売れる”空気をつくる”活動である

戦略PRとは「商品と世の中を結びつけるテーマを発掘して、世の中の購買意欲が高まるように世論を動かす活動」です。商品(企業)に関する良いイメージを世の中全体に広める流れを作る、つまり商品が売れるための”空気をつくる”活動と言えます。

大きな流れとしては、まず一部の消費者に対して自社の良い印象を与え、「誰かに共有したい」と思わせます。その後、消費者がSNSや口コミなどで情報を発信して他の消費者の購買意欲にも影響を与えていくことで、空気が生まれます。

戦略PRは、消費者に第三者の目線から情報を発信させるという点で広告活動と大きく異なります広告で発信する主観的な情報よりも信憑性が高いため、世の中全体で消費者の興味を引きやすいのが特徴です。

戦略PRで「良い商品の基準」を変える

消費者は多くの商品から買うものを選びますが、選択する際の根拠の1つに「良い商品の基準」に関する、世の中の共通認識があります

この共通認識は時代によって変遷していきます。例として、良い車の基準が「カッコいい→乗り心地が良い→家族で乗れる→環境にやさしい」と変わったことが挙げられます。これは、若者の車離れや環境問題の発生などが影響したものです。

しかし、戦略PRを行うことで企業の思惑通りに「良い商品の基準」を変えることが可能です。実際に良い洗剤の基準を変えた例に、花王の「アタック」とP&Gの「アリエール」があります。
まず、花王が「スプーン一杯で驚きの白さに」というキャッチコピーで、「白さ」を良い洗剤の基準として社会常識にしました。その後、P&Gの戦略によって世の中の良い基準は「除菌力」となりました。

このように、戦略PRで世の中の共通認識を変えて、自社の商品を買うように消費者の行動を促すことができます

戦略PRが重要視されるようになった背景

消費者の購買意欲の低下

現代は不況続きで消費者の購買意欲が低下しており、商品のコストパフォーマンスが高くても売れるとは限りません。そこで、商品の質や製造効率を上げるだけではなく、消費者の購買意欲を喚起することが重要です。

消費者はトレンドに敏感な傾向があるため、世の中で「この商品がスゴイ」という共通認識を生むことができれば、購買意欲も高まります。

情報増加による広告コンテンツの敬遠

インターネットの普及により、今現在もネット上に流通する情報量が爆発的に増え続けています。そのため、テレビや折り込みチラシ等による広告では、たくさんの情報の中に埋もれる可能性があります。

また、興味のない広告が溢れかえっているために、広告コンテンツが敬遠されているのも事実です。したがって、広告だけで認知度を高めようとする従来のやり方では、効果が期待できないのです。

SNSの発達による共有の簡易化

SNSが発達したことでコミュニティが広がり、消費者も簡単に情報を発信することができるようになりました。また、知り合いからの口コミは広告と比べて、より信頼度が高い傾向にあります

さらに、バズらせることが出来れば世間で話題となり、認知度を上げることにも繋がります。したがって、広告を流すだけでなく消費者にも情報を発信させることで、世論を動かしやすくなります

これからの戦略PRのカギは「ストーリーテリング」

ストーリーテリングとは「伝えたいことやコンセプトを、体験談やエピソードを交えて物語調にし、相手に印象付ける伝え方」です。世の中で商品が売れる”空気をつくる”には話題性が必要であり、ストーリーテリングを行うことが有効です。また、競合他社との差別化を図ることもできます。

印象的でシェアしたくなるようなストーリーをつくる

商品を作ろうと思った「きっかけ」や作るまでの「苦労」などを述べましょう。単純な事実だけを述べるのではなく、感情的なエピソードを織り交ぜることで、印象に残したり共感させたりすることが大切です。

また、画像や映像を用いて発信するほか、馴染みやすいように漫画やドラマ風にしてコンテンツそのものを楽しんでもらうことも効果的です。

世の中と築きたい関係をコンセプトとして明確に示す

戦略PRの目的は、消費者の購買意欲を上げることなので、企業や商品が生活の中でどのような役割を果たすのか(買う根拠)を示さなければなりません。ここで重要なのが、機能だけを述べるのではなく、消費者にとって身近なものであると気付けるようなコンセプトを掲げることです

上手な例に、iPodのコンセプトがあります。iPodは「小型HDDを搭載したMP3プレイヤー」ですが、Apple社は「1000曲もの音楽をCD品質のままポケットに入れて持ち運べる」というコンセプトでPRを行いました。

ただ単にMP3プレイヤーという説明をしただけでは、その商品は生活の中でどのように役立つのかがピンと来ません。しかし、「音楽を持ち運べる」という情報から、音楽と生活をどこででも結び付けてくれる役割があることを読み取れます

まとめ

いかがでしたか?

戦略PRを成功させるポイントは、「いかにして話題性を作るか」です。せっかく良い広告を作っても、他の情報に埋もれてしまうのは非常にもったいないことです。
ストーリーテリングを巧みに使って、トレンドを生み出し消費者の購買意欲を掻き立てましょう。

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