この記事は 4 分で読めます
顧客のニーズを引き出すSPIN営業とは?やり方とコツを紹介
「SPIN営業」「SPIN話法」という言葉をご存じですか?
顕在化したニーズのみに対応する従来の営業手法とは違い、相手の潜在ニーズをヒアリングを通して聞き出し、顧客に自社商品が必要であると思わせることが目標です。
今回は、そんなSPIN営業のやり方やコツを紹介します。
目次
SPIN営業とは、潜在ニーズを引き出す営業手法
SPIN営業とは、ヒアリングに重点を置いた営業手法です。ヒアリングを通して、顧客がまだ自分でも気づいていなかったニーズや課題に気づかせることが目標です。
SPIN営業は以下のS(状況質問)、P(問題質問)、I(示唆質問)、N(解決質問)の頭文字を取っていて、これらを順番に行います。
S(状況質問):顧客の現状を聞く
まずは、営業先の現状を把握するための質問をします。
具体例として、
- 「プロジェクトはどのような体制で勧めていますか?」
- 「業務ではどのようなソフトウェアを使用していますか?」
などの質問が考えられます。
その他にも、業務のプロセスや内容、営業エリアを聞くことがあります。
例えば、自社商品が使用人数によってラインアップを分けている場合は、プロジェクトごとの人数を聞くことが必要です。
P(問題質問):潜在的な課題に気づかせる
次は顧客に、自分が抱えている潜在課題やニーズに気づかせます。
事例として、
- 「データの処理にかかるコストはどの程度ですか?」
- 「各工程にどれくらいの時間をかけていますか?」
- 「業務を行う上でで不便だと感じている点はありませんか?」
などの質問を通して、
- 「コストをかけすぎているかもしれない」
- 「この作業はもっと効率化できるかもしれない」
というように課題を自覚させることが目標です。
I(示唆質問):課題を解決することの重要さに気づかせる
顧客は課題の深刻さや解決した場合の利益に気づいていない場合があります。
そこで、潜在課題を解決することの重要さを本人に発言させることで自覚させます。
事例として、
- 「毎年これだけのコストが掛かっていますが、収益に悪影響を与えていませんか?」
- 「〇〇を行う業務でこれだけの時間がかかっていますが、他の業務をする時間を圧迫していませんか?」
などの提案・質問を行い、課題を解決させることへの意欲を持たせましょう。
N(解決質問):課題が解決された状態をイメージさせる
顧客が課題解決の意欲を持ったら、より課題解決を目指すために、解決後の状態を想像させます。
そのためには、具体的な解決策や、効果の提案を行う必要があります。
例えば、
- 「〇〇の自動化を行うソフトウェアの導入によって、△%のコスト削減を行うことができます。ご興味はありますか?」
- 「〇〇によって□□が改善できると思うのですが、それによってなにか別の業務の効率化にもつながりますか?」
などの提案を通して、商談の成立への誘導が目標です。
各工程におけるコツや注意点
S(状況質問):正確な現状を聞き出す質問をする
相手先の現状を聞くにしても、初歩的な質問ばかりをしていては本当に営業先に興味を持っているのか不審に思われてしまいます。
相手先の商品やサービス、主要な取引先などを事前に調べることで、より踏み込んだ質問ができるようにしましょう。
また、過去の取引の内容や自社との関係、類似企業が抱えていた課題を参考に、より詳細な現状や自社商品を提案しやすくなる情報を聞き出すこともポイントです。
例:
「〇〇で悩んでいる企業も多いのですが、御社はどのように営業を行っていますか?
「弊社から□□の業務に使うソフトウェアを購入されていましたが、△△はどのようしていますか?」
P(問題質問):顧客自身に課題に気づかせる
SPIN営業法の重要なポイントは、顧客自身の発言によって潜在課題を自覚させることです。
営業担当者から「〇〇を解決すべきです」「うちの商品を導入すると△△の効率化が行えます」と言われてしまうと、押し売りをされているように感じてしまいます。一方で、自分で気づいた課題はより納得感が高く、解決への意欲が高まります。
また、「オープンクエスチョン」を活用することも効果的です。
オープンクエスチョンとは、相手が自由に回答できる質問で、相手の回答の幅を制限しないため、より多くの情報を聞き出すことができます。
ただし、質問が曖昧だと相手も何を答えればいいのかわからず、曖昧な回答しか得ることができません。そのため、なるべく具体的な質問をしましょう。
オープンクエスチョンについては、以下の記事を参考にしてみて下さい。
I(示唆質問):課題によって受けている悪影響に気づかせる
示唆質問では課題を解決することの重要さを認知させます。
そこで、「損」「コスト」「減少」などのネガティブな言葉を使うとより効果的です。その他にも、データやグラフ、数値を使ったプレゼンテーションを行うことでより説得力が増します。
例:
「この課題を解決せずに放置していると、毎年これだけの無駄なコストがかかってしまいまうことが予想できます。このコストは業績の負担になってしまっていませんか?」
しかし、あまりにも売り込みを意識しすぎたプレゼンテーションは胡散臭く思われてしまう可能性がるため、注意しましょう。
N(解決質問):最終的に自社商品を選択してもらう
この段階では、顧客自身に解決策にたどり着かせ、その一環として自社商品を選んでもらうことが目標です。課題解決までの道のりをイメージさせることで意欲を高めましょう。
また、相手が課題解決へ強い意欲を示したら、その場ですぐに改善すべき点、手法などを提案することでより自社商品を選んでもらいやすくなります。
このとき、「うちの商品を使えば…」と質問中にあからさまに自社商品を勧めるような解決策を含んでしまうと、押し付けがましさが出てしまいます。
いかがでしたか?
今回は顧客のニーズを引き出す営業手法であるSPIN話法を紹介しました。
コツをしっかり抑えて、顧客が自ら自社商品を購入したいと思うような営業を目指しましょう。
実践!知って得する、初めてのテレアポ
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。