自社の商品やサービスの売り上げを上げるためには、顧客から愛され信頼されることが必要です。今回はそんな顧客からの愛着や信頼をはかる「顧客ロイヤリティ」について解説し、向上のための3つのステップもご紹介します。
目次
顧客ロイヤリティとは、顧客の企業やサービスに対する「信頼」や「愛着」のこと
「顧客ロイヤリティ(ロイヤルティ)」は、顧客が企業やサービスに対して抱く「信頼」や「愛着」のことです。
ロイヤリティは英語で「Loyalty(忠誠心)」を意味し、「顧客満足度」よりも感情的で強い結びつきを表す概念です。
ロイヤリティが高い顧客ほど、商品を長期にわたって複数回購入してくれたり、より高価な商品を購入してくれたりします。
顧客満足度の数値が高くても、なかなかリピート率が上がらないという場合は顧客ロイヤリティが低い、ということが考えられます。
心理ロイヤリティと行動ロイヤリティの2つがある
顧客ロイヤリティは、「心理ロイヤリティ」と「行動ロイヤリティ」の2つに分けられます。
心理ロイヤリティは、商品やサービスに対する感情のことで、愛着や信頼を持っているかどうかということです。
行動ロイヤリティは、商品やサービスに対する行動を示し、実際に購買したり人に勧めたりすることを指します。
基本的に心理ロイヤリティが高ければ行動ロイヤリティもおのずと高くなる、と考えられていますが、そういった例ばかりではありません。
顧客ロイヤリティによる購買活動は以下のような四つに分類できます。
行動ロイヤリティが高い | 行動ロイヤリティが低い | |
心理ロイヤリティが 高い |
商品(サービス)に対して愛着や信頼があり、購買も積極的に行う。 例:お気に入りの入浴剤 |
商品(サービス)に愛着や信頼があるが価格が高いなどの理由で購入しない(できない)。 例:憧れのファッションブランド |
心理ロイヤリティが 低い |
その商品(サービス)に対する愛着はないが、何らかの理由によりよく購入(利用)する。 例:家の近くのコンビニ |
商品(サービス)に不満があったり他社に魅力を感じている。もしくはそもそも認知していない。 例:不良品だった商品 |
このように顧客を分類し、状況に応じてどの層に対してアプローチしていけばいいのか、投資対効果も含めて考えることが重要です。
顧客ロイヤリティを上げると、顧客単価やリピート率が上がる
顧客ロイヤリティを高めるメリットは、なんといっても長期的な売り上げに繋がるという点です。
ロイヤリティの高い顧客は、相対的に1回当たりの購入金額が高い傾向があります。企業やブランドに愛着を感じているため、本来求めていたもの以外でも購入する場合があり、顧客単価の向上に繋がります。
また、他社に乗り換えられる心配も減り、リピート率が上がります。
さらに、ロイヤリティの高い顧客は、家族や友人などの周囲の人間に商品を勧めてくれることがあります。身近な人間からの口コミは信頼度も高いため、新規顧客の獲得できる可能性が高まるのです。
顧客ロイヤリティを上げる3つのステップ
1. 顧客リストを作成し、顧客ロイヤリティを数値化して把握する
まずはじめに、顧客ロイヤリティを把握するところから始めます。
そのために、顧客リストを作成し、顧客ロイヤリティの指標を定めて数値化していきます。
ここで大事なのは、客観的な方法で顧客の声をできるだけ多く集めて把握することです。
数値化には、自社独自の指標を用いても問題ありませんが、代表的なものとして「NPS(ネットプロモータースコア)」というものがあります。
NPSは顧客に「周囲の人間に勧める可能性」を0~10の11段階で答えてもらい、その解答から数値を分析する方法です。
NPSは統一指標の為、競合他社とスコアを比較できるというメリットがあります。
2. 顧客をカテゴリに分けカテゴリごとに施策を立てる
1で数値化したロイヤリティを分析し、顧客をカテゴライズします。
行動ロイヤリティが高い | 行動ロイヤリティが低い | |
心理ロイヤリティが 高い |
商品(サービス)に対して愛着や信頼があり、購買も積極的に行う。 例:お気に入りの入浴剤 |
商品(サービス)に愛着や信頼があるが価格が高いなどの理由で購入しない(できない)。 例:憧れのファッションブランド |
心理ロイヤリティが 低い |
その商品(サービス)に対する愛着はないが、何らかの理由によりよく購入(利用)する。 例:家の近くのコンビニ |
商品(サービス)に不満があったり他社に魅力を感じている。もしくはそもそも認知していない。 例:不良品だった商品 |
たとえば、心理ロイヤリティは高いが行動ロイヤリティは低い顧客、心理ロイヤリティも行動ロイヤリティも低い顧客などに分け、それぞれに合った施策を考えます。
この際、商品やサービスの特性によって、顧客ロイヤリティがどのように売り上げ向上に繋がるかは違ってくるため、注意しましょう。
3. 施策の結果をはかり改善策を考える
2で企画した施策を行い、そこで出た数値で効果を測定します。
効果は、収益性とロイヤリティの2つの観点を中心に評価していき、施策実行後と実行前の数値を比較しましょう。
また、「カスタマーエクスペリエンス」と呼ばれる顧客と商品(サービス)との接触機会を洗い出し、改善していくことも必要です。
どの顧客接点(例:接客、SNS)に関してロイヤリティの数値が悪いのかを分析し、改善策を講じて結果測定を行い、それを元にまた改善する、ということを繰り返しましょう。
企業に対する愛着や信頼を数値化し、ダイレクトにアプローチや改善を行うことでロイヤリティは向上していきます。顧客ロイヤリティを高めて、売り上げアップにつなげていきましょう。
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