「CPV」という言葉をご存知ですか?これは、動画広告1回の視聴に対するコストで、動画を少しでも視聴したかという点に注力した指標です。
今回は、「CPV」について概要や計算方法を解説し、加えてWebサービスごとのCPV課金や最適にするためのポイントについても紹介します。
目次
CPVとは、動画広告1回の視聴に対するコスト
CPVとは「Cost Per View」の略称で、動画広告1回の視聴に対するコストを指し、動画広告の課金・評価指標でもあります。また、CPVは広告キャンペーンの調整と改善の指標としても用いられます。
動画コンテンツのCPVが良い結果を出した場合、その戦略やコンテンツを他のキャンペーンにも適用することが可能です。一方で、期待通りの効果が出なかった場合には、コンテンツの再設計やターゲティングの調整などの改善が必要です。
CPVの計算方法
CPVの計算方法はシンプルです。下記の計算式でCPVを算出します。
広告出稿費用 ÷ 再生回数 = CPV |
例えば、広告出稿費用が50,000円に対して、再生回数が5,000回だとすると、50,000÷5,000=10という計算式となります。CPVは10円と算出できます。
この計算により、1回の視聴にどれだけのコストがかかっているかを正確に把握でき、それを基に予算配分や戦略の見直しを行えます。
また、CPVは広告の効果測定だけでなく、競合や業界基準との比較にも活用できます。この指標を用いて、自社の広告パフォーマンスが業界内でどの位置にあるかを評価し、必要に応じて戦略を調整します。
CPVと他の広告指標の基本的な違い
デジタル広告にはCPVの他にもCPCV(Cost Per Completed View)、CPC(Cost Per Click)、CPM(Cost Per Mille)、CPI(Cost Per Install)など多様な指標が存在します。これらは、それぞれ異なる広告目的と効果測定のために用いられています。
CPCV(Cost Per Completed View)
CPCVは動画広告1回の完全視聴に対するコストを指します。CPVは動画を最後まで視聴しなくてもカウントされますが、CPCVは最後まで視聴することで初めて回数がカウントされます。
計算式はCPVと同じように「広告出稿費用÷完全視聴回数=CPCV」で算出されます。動画広告を評価する際に、最後まで視聴したかという点に注力する際にCPCVを使用すると効果的でしょう。
CPC(Cost Per Click)
CPCは広告がクリックされるたびに発生するコストを指し、主にリスティング広告やバナー広告に適用されます。この指標は直接的なユーザーの反応、つまりクリックを重視するため、広告のクリック率が高ければ高いほど効果的と評価されます。
CPM(Cost Per Mille)
CPMは広告が1,000回表示されるたびに発生するコストを指します。実際の動画の視聴完了状況に関わらず、動画が表示される回数に基づいて課金が行われ、動画が再生後にすぐにスキップされた場合も表示されたとしてカウントされます。主にブランド認知度向上やプロモーションの初期段階で重視される指標です。
CPI(Cost Per Install)
CPIは特にモバイルアプリの広告において重要な指標で、アプリがインストールされるごとに発生するコストを示します。
WebサービスごとのCPV課金
動画広告の掲載媒体によって、CPV(Cost Per View)の課金条件や単価は大きく異なります。これは、各Webサービスが設定している広告システムの条件によって、CPVの適用方法や効果、課金の基準、コスト感が変わるためです。
以下では、WebサービスごとのCPV課金の詳細を解説します。
YouTube
Youtubeでの動画広告は、インストリーム広告やバンパー広告と呼ばれる、動画の前後や再生途中に表示される形式が基本です。その中でも、インストリーム広告はCPV課金が適用されます。その際は以下の場合に費用が発生します。
- 30秒以上再生された場合
- 30秒未満の動画は最後まで再生された場合
- 動画広告がクリックされた場合
つまり、途中で広告がスキップ・中断された場合などは料金が発生しません。そのため、無駄な広告費を払うことなく、高い費用対効果を期待できます。また、YoutubeはGoogle広告でCPV課金の広告費用がシミュレーションできます。
なお、動画途中に流れるバンパー広告ではCPVは選べず、課金方式はCPMのみになります。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)の動画広告は最長2分20秒と決められている点が特徴です。また、指定したターゲットのタイムライン上に動画広告を表示する仕組みもあります。そしてXでは、目標に合わせて以下3種類のCPV課金が選べます。
- 動画全体が画面に表示された状態で3秒経過、または動画を拡大・ミュート解除した場合
- 動画の50%以上が画面に表示された状態で6秒経過、または動画を拡大・ミュート解除した場合
- 動画の50%以上が画面に表示された状態で2秒経過、または動画を拡大・ミュート解除した場合
さらに、Xには「いいね」「リツイート」の機能によって、動画広告の拡散が見込めるというメリットもあります。Xでの広告は、Xビジネスから料金をシミュレーションできます。ただし、当然ながら入札方式によって料金は変動するため注意が必要です。
Facebookの動画広告は、Xと同じくタイムラインに表示される形式です。音量がオフの状態で自動再生されるため、字幕などを付けると効果的でしょう。CPC課金やCPM課金などが採用されていますが、以下の場合にCPV課金でも運用が可能です。
- 動画が15秒以上再生された場合
- 15秒未満の動画は最後まで再生された場合
- 動画が2秒以上再生された場合
ただし、CPV課金は「動画の再生数を増やす」というキャンペーンでしか運用できないため注意しましょう。
Instagramの動画広告は、フィードに表示される形式と、ストーリーズ上に表示される形式があります。また、最大60分・最大サイズ250MBという制限も特徴です。以下の場合に、CPV課金では料金が発生します。
- 動画が15秒以上再生された場合
- 15秒未満の動画は最後まで再生された場合
- 動画が2秒以上再生された場合
基本的にはFacebookと同じ料金体系です。 動画の再生回数に応じた課金であるため、広告予算の管理がしやすいというメリットがあります。
CPVを最適化するためのポイント
ターゲットを正確に設定する
CPVを最適化するためには、広告のターゲットを正確に特定し、そのニーズに合わせたコンテンツを提供することが重要です。ターゲットオーディエンスのオンラインでの行動パターンや好みを分析し、それに基づいて広告を展開すると良いでしょう。
コンテンツの質を上げる
CPVを効率的に管理するには、広告コンテンツ自体の質も重要です。高品質で創造的な動画コンテンツは、視聴者の関心を引きつけ、視聴に繋がりやすくなります。
広告のメッセージが分かりやすく視覚的にも魅力的であればあるほど、視聴者は動画を最後まで見る可能性が高くなります。このためには、ストーリーテリングの要素を取り入れ、感情に訴えかけるシナリオやビジュアルデザインを用いることが推奨されます。
分析と改善を繰り返す
最適なCPV戦略は一度設定するだけではなく、定期的にその効果を分析し、必要に応じて改善することが重要です。具体的には、広告キャンペーンの各段階で収集されるデータを利用して、どの広告が最も高い効果を得ているかを分析します。また、A/Bテストを実施して異なる広告バージョンのパフォーマンスを比較し、より効果的な要素を見極めることも大切です。
成功事例を活用する
CPV改善に成功した他社事例を知ることも有効です。ターゲットや動画内容、配信していたプラットフォーム、配信時間、動画の長さなど、何が効果的だったのかを把握し自社の広告戦略に取り入れると良いでしょう。
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監修 | |
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Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー 河村 和紀(かわむら かずき) 大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。 主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66』 |