「今までも何度か提案書を書いたが、どうも相手の反応がいまいちだ・・・」という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、相手を納得させる提案書を書くための思考プロセスや注意点について紹介します。
目次
提案書とは、相手の課題を見つけて改善策を提案するもの
そもそも提案書とは、「社内・社外の相手が抱える課題を解決するために必要なことを提案する文書」を指します。
主に社内向けの提案書では、業務の改善や効率化に関する提案を行う一方で、社外向けの提案書では営業をかける際のツールとして、相手の課題解決のために自社の製品やサービスの導入に関する提案を行います。
プラスアルファの価値を提案する企画書とは異なる
提案書に類似したものとして、「企画書」が挙げられます。これらはほぼ意味合いとして扱われることもありますが、両者には明確な違いがあります。
提案書が「課題を解決するために必要なことを提案する文書」を指す一方で、企画書では必ずしも課題の解決が目的ではなく、「こうすればもっと良くなる」というポイントを探してプラスアルファの価値を提案する文書を指します。
つまり、企画書はゼロの状態から新しい価値を生み出すためのものである一方、提案書はマイナスの状態(=課題がある状態)からゼロまたはプラスの状態にするためのものである、ということです。
提案書を書く前の思考プロセス
まず、相手に何を提案するか考える
相手が本当に必要とするものを提案するためには、提案書をいきなり書き始めるという方法はおすすめできません。相手に「何を」提案するかを、事前にしっかりと検討する必要があります。そこで、以下のステップを踏むことで提案する事柄を吟味しましょう。
①相手の課題を見つける
相手へのヒアリングや、相手に関するデータの精査が手段として挙げられます。これらを組み合わせると、相手が漠然と問題意識を持っている課題のほか、まだ自覚すらしていない課題も見つけることができます。
②解決策を考える
①で見つけた相手の課題に対する解決策を考えます。「自社の製品やサービスをどう生かせるか」という視点を常に持ち、他社とは差別化された自社ならではの解決策を提案できるようにしましょう。
③実現可能なものをピックアップする
①②で課題や解決策を複数考えたら、予算や必要な期間、インパクトなどの観点から実現可能なものに絞り込んで、実際に相手に提案するものを決定します。
CTPTの要素から、「誰に」「何を」伝える提案書か明確にする
提案するものを決定したら、次は提案書が全体として何を伝えたいのかを明確にします。このプロセスを踏むことで、相手にとっても読みやすく検討したいと思えるような提案書を作成できます。ここではCTPTという要素が重要であるため、以下で説明します。
・C = コンセプト
提案の背景や目的のことを指します。コンセプトの決定にあたって「この提案はどのような利益をもたらすのか」「他社と比べてどのような優位性があるか」ということを根拠を交えて明確にすることが重要です。
以下のFABE分析を使うと、一貫性を持った内容の提案書が作成可能です。
FABE分析とは?
提案書において重要となる4つの要素です。
Feature (特徴):提案の概要
Advantage (優位性):他社と比較した場合の優位性
Benefit (利益):この提案によって顧客が得られる利益
Evidence(証拠):提案の根拠となる事実やデータ
・T = ターゲット
誰に対する提案であるか、という提案先のことを指します。
・P = プロセス
どのような段階を踏んで提案を実行するか、という提案を実行する方法のことを指します。ここで大まかなスケジュールが作成できていると、相手も提案内容に対する具体的なイメージを持つことができます。
・T = ツール&イベント
提案を実行するにあたって必要なものやイベントのことを指します。
提案書を書く時の注意点
必要な情報だけを簡潔にまとめる
提案書を実際に作成するにあたって、できるだけ簡潔にまとめることが必要です。提案書の目的は、ただ相手に読んでもらうことではなく、そこから自分の提案したものを採用するか検討してもらうことです。分量が多すぎる文書になることを避けるために、相手が考える上で本当に必要な情報だけを記載するようにしましょう。
客観的なデータを用いる
説得力のある提案書を作成するためには、提案者側の主観的な考えだけでは不十分であり、客観的なデータが必須です。提案書は簡潔にまとめることが要求されますが、提案を裏付けるデータは必ず添付するようにしましょう。データを記載することが提案書の分量が多くなってしまいそうであれば、データだけをまとめたものを別紙資料として作成することも一つの手段です。
【テンプレート】相手を納得させる提案書の書き方
年 月 日
○○株式会社○○部
(自分の名前)
○○に関するご提案
記
・現状
・提案内容の詳細、予算
・ベネフィット(提案を採用することで得られる利益)
・スケジュール
いかがでしたか?提案書に対する相手の反応が芳しくないのは、提案書の書き方に問題があるのかもしれません。今回ご紹介したポイントを参考にして、相手に響く提案書を作成できるようにしましょう。
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