仮説思考という言葉を聞いたことがあるけれど具体的にどのように行うのかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はビジネスにおいて役立つ仮説思考の意味と、思考のプロセスや思考力を高める方法を紹介します。
目次
仮説思考とは、限られた情報の中から、目標達成や問題解決に向けた仮説を考える思考方法
仮説思考とは、限られた情報やデータから仮の答えである「仮説」をたてる思考方法のことです。仮説に基づいて必要な根拠を探すという、逆算的な思考を行います。
仮説をたてると、考慮すべき点や調査すべき点を絞り込むことができるので、効率よく目標達成や問題解決を進められます。社会が複雑化し、将来の予測ができないVUCAの時代では、従来より社会の変化の速度が速くなりました。そのため、効率的な仮説思考によって課題解決を行うことがビジネスパーソンに求められています。
仮説思考を身に付けると生産性の向上につながる
仮説思考を身に付けるメリットには、以下のようなものがあります。
- 仮説思考によって意思決定が素早く行え、課題解決のスピードが上がる
網羅的に考え試行錯誤するより、課題解決に近い仮の答えを優先的に考え検証することで、成果が出やすくなります。 - 仮の答えの分析・検証過程で素早く間違いに気付け、方針変更や修正が行える
仮説の検証が思い描いていた内容と違うと、仮説が間違いだったと気づけます。さらに、新たな仮説を立てるためのヒントが得られます。
仮説思考のプロセス
仮説思考は、以下のようなプロセスで行います。このプロセスを繰り返すことで効率的に問題解決が行えるようになります。
- 状況の分析
網羅的に状況を分析するのではなく、現在持っている課題や問題の状況を分析し背景を推察します。 - 仮説の設定
課題や問題を深堀りし、具体的な仮説を設定します。 - 仮説の実行
仮の理論に沿って具体的な行動に移します。 - 仮説の検証
実行した結果を基に、仮説が正しかったかを検証します。検証結果が仮説通りの場合は、課題が解決されたと言えます。 - 仮説の修正
検証結果を基に問題点を修正します。仮説通りにいかなかった部分は、どこに問題があるのかを分析し修正しましょう。
仮説思考力を高める方法・ポイント
ビジネスにおける知識・経験の引き出しを増やす
仮説思考力を高めるには、まず仮説を立てるために必要な知識の引き出しを増やしましょう。知識を持っているか、持っていないかで仮説を立てる力に大きく差が出ます。知識には、「経験から得られる知識」と「学習から得られる知識」の2種類があります。
- 経験から得られる知識
日々の業務を、自ら経験することで蓄積されていく知識です。自分で経験しなければいけないので、知識や経験の幅・深さが限定される場合があります。 - 学習から得られる知識
ビジネスを体系的に学び養われる知識です。経験からでは得られない知識を、学ぶことで補います。
ビジネスに使えるフレームワークを活用する
仮説を立てる場合によく利用されるフレームワークを活用することで、仮説を立てる際の糸口になります。例えば、ビジネスで代表的なフレームワーク「3C」を使うと、市場の分析を行う際の仮説を立てることができます。
- Customer(市場・顧客)
市場の大きさや顧客のニーズ、市場の変化を把握します。 - Company(自社)
市場・顧客分析や競合分析から、自社がどのような戦略を立てるべきなのかを検討します。
- Competitor(競合)
競合の現状シェアと推移や業界における競合のポジション、競合の強みや弱みを把握します。
3C分析の詳細は、以下の記事をご参照ください。
具体的な行動に結びつく仮説を立てる
仮説を立てる際には、具体的に実行に移し、成果に結びつくような仮説を立てましょう。考え出した仮説に対して「So What?(だから何なのか?)」を繰り返し問いかけることで、仮説を具体化することができます。
例えば、
「今月の売上が前年に対して、10%落ちている。」
という問題に対して、
↓ So What?(だから何なのか?)
「客数・客単価が落ちているのでは?」
↓ So What?(だから何なのか?)
「店舗の改装に伴い入店客数は増えているが、在庫整理の作業が増えてしまい接客ができていないのでは?」
↓ So What?(だから何なのか?)
「タイムスケジュールを見直し、入店のピークタイムに接客を行える人員と時間を確保する。」
という、具体的な行動に結びつく仮説が立てられます。
日常的に仮説立てて考える
仮説思考を高めるには、日常的に仮説立てて考える習慣をつけましょう。日常的に考えるポイントは以下のようなものがあります。
- 物事の原因と結果の関係を意識し考える
物事に対して「どのような裏付けがあるのか」「どのような根拠があるのか」を調べ、分析する習慣をつけましょう。 - 過去のパターンから未来を予測して考える
過去のパターンから、5年後や10年後どのようになっているのか未来を想像して考えてみましょう。過去のパターンを分析することで、現在の問題の解決策をイメージしやすくなります。
いかがでしたか?
今回は、仮説思考の意味とプロセス、方法を紹介しました。この記事を参考に、仮説思考力を高めてみましょう。
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