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Y世代(Generation Y)とは|特徴や消費傾向も解説します

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現在、社会の中心世代となりつつある「Y世代」について、皆さんはどのくらいご存じでしょうか。
Y世代の特性を理解し、適切にアプローチすることは、これからのビジネスに欠かせません。

今回はY世代について、特徴や価値観、消費傾向やマーケティング施策などを詳しく解説していきます。

Y世代とは、1980年代から1990年代半ばに生まれた世代を指す言葉

Y世代とは、おおむね1980年代から1990年代半ばに生まれた世代を指します。2024年時点では、28歳から43歳までの年齢層が該当します。

「Y世代」という名称は、前の世代であるX世代に続くという意味で名付けられました。X世代はダグラス・クープランドの小説『ジェネレーションX』に由来しており、その次の世代としてY世代と呼ばれるようになったのです。

また、Y世代は「2000年代になって社会人になり始めた世代」という意味合いから、「ミレニアル世代」とも呼ばれています。ただし、ミレニアル世代の定義には諸説あり、Y世代とほぼ同じ意味で使われることもあれば、より若い世代(1980年代後半以降に生まれた世代)を指すこともあります。

Y世代を取り巻く社会背景と環境

Y世代が育った1980年代から1990年代は、バブル経済の崩壊と就職氷河期という経済的な困難に見舞われた時期でした。多くのY世代は就職難を経験し、安定を重視する価値観を持つようになったと言われています。

同時に、この時期はデジタル技術が飛躍的に発展した時代でもありました。インターネットの普及により、Y世代は子供の頃からデジタル機器に親しみ、情報収集や発信にデジタルツールを活用する傾向が見られます。

経済的な不安定さとデジタル化の進展という2つの社会的な背景が、Y世代の価値観形成に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

Y世代と他世代の比較

Y世代の特徴は、前後の世代との比較によって理解しやすくなります。Y世代の前の世代であるX世代と、後の世代であるZ世代の特徴を見ていきましょう。

X世代:アナログ時代を経験した世代

X世代は1960年代後半から1970年代に生まれた世代を指します。

この世代の多くはアナログ時代に育ちました。テクノロジーの発展とともに、徐々にデジタルツールを活用するようになったものの、Y世代ほどデジタルネイティブではありません。

また、仕事においては、長時間労働や会社への忠誠心を重視する傾向が見られます。

Z世代:完全なデジタルネイティブ世代

Z世代は1990年代中盤から2000年代初頭生まれの世代で、Y世代の後に続きます。

Z世代は、生まれた時からデジタル機器に囲まれて育ったため、完全なデジタルネイティブ世代と言えるでしょう。彼らにとって、オンラインでのコミュニケーションやSNSの利用は当たり前の行為です。リアルとデジタルの垣根はほとんどありません。

また、Z世代は仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向にあります。

Y世代の特徴

デジタルネイティブである

Y世代の最大の特徴は、デジタルネイティブであることです。子供時代からデジタル機器に囲まれて育ったため、パソコンやインターネットは生活の一部であり、デジタルツールを使いこなすのが当たり前の世代です。

この環境で育ったY世代は、自然とデジタルリテラシーが高くなっています。情報収集や発信にデジタルを活用することに長けており、SNSなどを通じて積極的にコミュニケーションをとる傾向が見られます。

X世代が「アナログ世代」、Z世代が「完全なデジタルネイティブ世代」だとすると、Y世代はちょうどその中間に位置しています。アナログ文化も多少経験しつつ、デジタル化の中で成長したため、アナログとデジタルの両方の価値観を持ち合わせていると言えるでしょう。

個人主義と多様性を尊重する

Y世代は、個人の価値観を重視する傾向が強いです。画一的な価値観に縛られるのではなく、自分らしさを大切にし、個性を表現することを尊重します。

また、多様な価値観を受け入れる寛容さも持ち合わせています。グローバル化の進展とともに育ったY世代は、異なる文化や背景を持つ人々と接する機会が多くありました。そのため、多様性を尊重し、柔軟に受け入れる下地があるのです。

ワークライフバランスを重視する

Y世代は、仕事だけではなくプライベートの充実も大切にする世代です。長時間労働よりも、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向が見られます。

仕事においては、単に安定を求めるだけでなく、自分の価値観に合った働き方を求める傾向にあり、自己実現や、やりがいを感じられる仕事を好む傾向が強いと言えるでしょう。

また、バブル崩壊や就職氷河期といった経済的に不安定な状況を経験した背景から、保守的な価値観を持ち合わせています。そのため、リスクを背負って出世争いに身を投じ、高い社会的地位を手に入れたいという上昇志向は弱い傾向があります。

社会課題への関心が高い

Y世代は社会問題にも関心が高い世代です。環境問題や格差問題など、世界が直面する課題に敏感で、社会貢献活動にも積極的です。デジタルツールを活用して社会問題について発信したり、ボランティア活動に参加したりする姿勢が見られます。

社会をよりよくしていこうという意識が、Y世代の特徴の一つと言えるでしょう。

Y世代の消費行動

Y世代の特徴は、消費行動にも表れています。消費行動の特徴を押さえておくことは、Y世代をターゲットにしたマーケティング戦略を考える上で欠かせません。

「コト消費」の重視

Y世代は、モノを所有することよりも、経験や体験を重視する傾向が強いです。旅行やイベント、習い事など、自分を成長させてくれる「コト」に価値を見出し、お金を投じる傾向があります。

この背景には、Y世代が育った社会環境が影響しています。バブル崩壊後の不況の中で、モノを大量に消費する価値観に疑問を感じ、精神的な充足を求めるようになったと言えるでしょう。

オンラインショッピングの活用

Y世代は、オンラインショッピングをよく利用します。デジタルネイティブ世代のため、インターネットを通じて商品を購入することに抵抗がありません。

また、Y世代は購入前に商品についてインターネットで入念にリサーチする傾向もあります。口コミサイトなどで評判をチェックし、慎重に商品を選ぶのは、失敗したくないという意識の表れと言えるでしょう。自ら口コミを調べるため、テレビや新聞といったマスメディアの影響を受けにくいことも、Y世代の特徴です。

共感やシェア意識に基づく選択

Y世代は、自分が共感できる商品やサービスを選ぶ傾向があります。商品のストーリー性や、社会貢献につながるかどうかを重視し、購買行動に移します。

また、SNSで情報発信することを前提に商品を選ぶこともよくある世代です。友人や知人と情報をシェアし、共感を得られる商品を好んで購入します。

Y世代に効果的なマーケティング

Y世代に向けたマーケティングでは、価値観や行動様式を深く理解することが何より重要です。Y世代の特性を踏まえ、マーケティング施策を工夫しましょう。

SNSを活用した共感の獲得

Y世代はSNSを日常的に利用しています。企業がSNSを通じてY世代と双方向のコミュニケーションを図ることは、共感を得る上で非常に有効と言えるでしょう。

商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、Y世代の価値観に合ったメッセージを発信することが大切です。社会問題への取り組みや、ユニークな体験価値の提供など、Y世代の心に響く情報を発信しましょう。

インフルエンサーマーケティング

Y世代に影響力のあるインフルエンサーと協業することも効果的です。Y世代はインフルエンサーの発信する情報を信頼する傾向があるため、商品やサービスをインフルエンサーに実際に使ってもらい、その魅力を伝えてもらうと良いでしょう。

インフルエンサーの持つ発信力とY世代へのリーチ力を活用することで、効果的なプロモーションが可能になります。

体験型コンテンツの訴求

Y世代は「コト消費」を重視する世代です。商品やサービスがもたらす体験価値をアピールすることが、Y世代の心を掴むカギとなります。

商品の使用シーンを想像させるようなコンテンツや、サービスがもたらす体験をリアルに伝える動画コンテンツなどを活用しましょう。Y世代が求める体験価値を的確に発信することが重要です。

オンラインとオフラインの融合

Y世代はオンラインショッピングを好む一方で、実店舗での買い物も楽しみます。オンラインとオフラインの垣根を越えた、シームレスな購買体験を提供することが求められます。

例えば、オンラインで商品の詳細情報を確認し、実店舗で実物を手に取って購入するといった流れを想定した施策などが挙げられます。オンラインとオフラインの強みを生かし、Y世代の購買行動に寄り添った仕組みづくりが重要です。

 

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監修

Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー

河村 和紀(かわむら かずき)

大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。
2022年、Baseconnect株式会社に参画。イベントを中心とした、ユーザーとのコミュニケーション領域を管轄する。

主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66

 

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