ビジネスにおける目標の達成度には、様々な要素が影響を与えます。
その中でも、特に大きな影響を与える要素を「キードライバー」と言います。
今回は、キードライバーの定義や目標の達成度向上のための分析方法をご紹介します。
目次
キードライバーとは、目標の達成度に大きな影響を及ぼす要素である
キードライバーとは、目標の達成度を最も大きく左右する要素のことを指しています。
例えば、とある小売店で顧客が再び来店してくれるかどうかを最も左右する要素が、「スタッフの親切さ」だった場合、再来店率のキードライバーは「スタッフの親切さ」であると言えます。
また、その影響力の大きさゆえに、特定の目標を最も効率的かつ効果的に達成する方法は、キードライバーの改善に取り組むことです。つまり、先程の小売店では「スタッフの親切さ」の改善に取り組めば、顧客の再来店率を最も効果的に上げられます。
キードライバー分析とは、キードライバーやその影響を明らかにする分析のこと
目標としている指標のキードライバーや、そのキードライバーの影響を特定するための分析を、キードライバー分析と言います。
適切なキードライバー分析を行なうことによって、どの要素の改善に取り組むべきか明らかになり、着実に目標の達成度を上げられます。
キードライバー分析を用いて目標の達成度を高める手順
1. 具体的な目標を立てる
まず、キードライバー分析を行なうには、最終的に何を目標をするのかを定める必要があります。ビジネスにおいては、顧客満足度や他人へのおすすめ度、ブランドイメージ、購買選択率の向上などが目標の例として挙げられます。
この時に、目標が具体的でないと、どのように達成度を評価すればいいかが曖昧になってしまい、効果的な分析ができません。
2. 評価指標・項目を決める
次に、キードライバー分析において考慮すべき指標を挙げていきます。例えば、目標が「顧客満足度」であった場合、評価指標として顧客がアンケートで答えた「店舗の清潔感」「イベントの頻度」「スタッフのマナー」「料理のクオリティ」などの項目が考えられます。
ここでは最終目標に影響しうる要素を網羅的に挙げることで、キードライバーの把握漏れを防ぎます。
3. キードライバーを把握し分析する
最後に重回帰分析や相関係数を使用して、キードライバーを把握します。
重回帰分析は、複数の指標が最終的な目標に与える影響度を分析する手法です。最終的な目標の達成度合いを「係数×それぞれの指標」の和という形で表します。同じような指標を比べる際は、「かかっている係数が大きい=目標への影響度が強い」ということになります。
相関係数は、目標との評価指標の相関の強さを示す値です。目標との相関が強い指標は、目標への影響が大きいことを指します。
キードライバーを分析する際のポイント
フレームワークを活用する
キードライバー分析を行なってどの指標の影響が大きいかを把握した後は、2×2のマトリックスのようなフレームワークを活用して現状を把握しましょう。代表例として、下図のようなマトリックスが使用できます。
このマトリックスでは、影響度が大きい要素は上の方にあり、現在のパフォーマンスが良い要素ほど右側にあります。このマトリックスは以下のように解釈できます。
- 右上のエリアの要素:重要度が高く、現在の成績も良い要素
- 右下のエリアの要素:重要度は低いが、現在の成績が良い要素
- 左上のエリアの要素:重要度が高いのに、現在の成績が悪い要素
- 左下のエリアの要素:重要度が低く、現在の成績も悪い要素
このマトリックスを使用すると、右上の要素は今後も維持すべき要素で、左上の要素は改善に取り組むべき要素だとわかります。
比較対象の企業を決める
キードライバー分析を行なう際は、競合他社を比較対象とし、キードライバーのパフォーマンスを客観的に評価しなければなりません。
比較対象となる企業や事業がなければ、自社ではパフォーマンスが良いとされていた要素の客観的な評価や、競合他社よりも優れている点に気づけない場合があります。また、課題を明確にした際に、「他社より劣っている」という比較結果は強力な根拠になります。
キードライバー分析は定期的に行なう
キードライバー分析は一度行なったら終わりではなく、定期的に行なう必要があります。施策による各指標の変化を捉えて効果測定をし、場合によっては分析方法や指標の見直しが必要になる場合があります。
世の中のトレンドなどの、予測が難しい事象によってもキードライバーやそのパフォーマンスは変わってしまうため、長期にわたってキードライバー分析を行なうことを見越しましょう。
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