トレードオフという言葉を聞いたことはありますか?トレードオフはもともと経済学で用いられていた言葉でしたが、現在では日常やビジネスで使われるまで浸透しています。
今回は、トレードオフの意味と、日常やビジネスで見られるトレードオフを紹介します。
目次
トレードオフとは、一方を求めるともう一方を失ってしまうような両立できない関係のこと
トレードオフとは、一方を求めればもう一方を失ってしまうという両立できない関係のことです。四字熟語の「一得一失」と似た意味を持っており、「トレードオフの関係」のように用いられます。
トレードオフの関係が見られる身近な例は、「お金」と「時間」です。「お金」を得ようとするとお金を使うための「時間」を失ってしまいます。
またビジネスにおいても、製品の「品質」を向上させれば「価格」が高くなってしまうなどのトレードオフの関係が見られます。しかし、価格競争で勝ち抜くためには、高品質でありながらも低価格で提供する必要があります。そのため、トレードオフを解消することはビジネスの大きな課題と言えるでしょう。
トレードオフと関連がある「機会費用」
トレードオフと関連がある言葉に「機会費用」があります。機会費用とは、トレードオフの中で片方を選んだ際に失われてしまった利益を指します。例えば、お金を稼ごうとして懸命に働いた結果、失われる時間が機会費用に当たります。
トレードオフとジレンマの違いは、選択肢に対して肯定的か否定的か
トレードオフと似た言葉に「ジレンマ」があります。ジレンマとは、ある問題を解決するための選択肢が2つあり、どちらかを選ばなければならないものの、どちらを選んでも不利益を被る状態のことです。
選択肢の片方を選べばもう片方で不利益を被ってしまうという点でトレードオフと似ていますが、ジレンマの場合は両選択肢とも不利益を被るため、いかに不利をなくすかという否定的な姿勢を見せます。一方、トレードオフではどちらからも利益を得たいと考え、両選択肢に対して肯定的であるという点でこれらは異なっています。
日常でのトレードオフ
お金と時間
トレードオフの関係の中で最も有名なのが、お金と時間です。何かのためにお金を稼ごうとすると仕事が増えてしまい、お金を使うために必要な時間がなくなってしまいます。逆に、時間があってもお金がなければできないことも多々あります。
税金と社会保障
税金と社会保障もトレードオフの関係と言えます。もし税金が増えれば、社会保障に割ける国のお金も増えるため、手厚い社会保障が得られます。逆に税金を減らせば、その分社会保障の質は低下してしまいます。国民にとっては、少ない税金で社会保障で手厚い社会保障が最も理想ですが、これらはトレードオフの関係にあるため実現が困難なのです。
家賃と家の条件
家賃と家の条件もトレードオフの関係です。可能ならば安くて条件の良い家に住みたいと思うものの、家賃と予算が見合わずいくつか妥協して家を選ぶ方も多いのではないでしょうか。立地や築年数、部屋の大きさをこだわれば家賃は高くなりますし、低い家賃の家を探せばなかなか好条件な家は出てきません。
ビジネスでのトレードオフ
価格と品質
ビジネスでは自社の製品を購入してもらうために、競合よりも低価格かつ高品質で販売しなければなりません。しかし、低価格を実現するには低コストで生産する必要があり、高品質を担保できない可能性も出てきます。一方で、高品質を実現しようとすれば生産コストが高くなり、販売価格を下げることができません。
このように、製品の価格と品質はトレードオフの関係にあるため、企業は高品質を保ちながらも低コストで生産できる仕組みを作ることが求められています。
キャリアと育児
キャリアと育児もトレードオフの関係にあるため、自分の思い描くキャリアプランを実行しながら育児に励もうとしても困難になることが多々あります。キャリアアップするには積極的に仕事をこなして成長しなければなりませんが、育休を取って育児に励むと必然的に仕事に関わる時間が少なくなってしまいます。
また、キャリアアップのために経験を積みたい時期と、育児を行う時期はどちらも若い頃であるために、時期が被ってしまうことも両立できない原因となっています。
経済成長と環境破壊
経済成長と環境破壊もトレードオフの関係に当たります。経済成長しようと土地開発や工場生産を進めすぎると、森林破壊や有害物質排出による環境破壊も進んでしまいます。一方で、環境を守ることを最優先にしてしまうと、開発を進められず経済成長を見込めません。
したがって、企業は環境を保全するための基準を満たしながらの開発を進める必要があるのです。
持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。