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マーケティングミックスとは?一貫性のある強い戦略を実現する方法を解説
マーケティング戦略を組み立てるにあたって、仕上げともいえる作業に「マーケティングミックス」を考える工程があります。
マーケティングミックスはマーケティング戦略をより具体的で、現実性の高いものに落とし込む役割を担っています。
今回は、そんなマーケティングミックスをいかにして考えていくかをご紹介していきます。
目次
マーケティングミックスとは、複数の要素を組み合わせて戦略を組み立てる考え方
マーケティングミックスとは、商品やサービスの販売にあたって関わってくる様々な要素を複合して、設定したターゲットに対して具体的にどのような戦略を取っていくかを考えるフレームワークです。
マーケティングミックスは主に「ターゲットが認識する価値」の要素(コスト、商品価値など)、そして「自社がその実現のために行うもの」(プロモーション、物流など)の要素に分けられ、それらが統合的にターゲット顧客に対して訴求できているような戦略を組み立てていくことになります。
マーケティングミックスを考えるメリット
マーケティングミックスを考えることには、主に以下の3つのメリットがあります。
戦略の具体性が増す
まず第1に、マーケティングミックスを考えることで最終的に顧客に提供するべき価値の姿が明確になります。
マーケティング戦略を考えるにあたっては、おおよそ以下のような手順で進めていきます。
- STP(どんな顧客を相手に、どんなポジションでアプローチするかを決める。詳しくはコチラ:STP分析とは?顧客とより良く関わるための考え方を徹底解説)
- マーケティングミックス
STPの段階では漠然と「どのような顧客を対象に、どのような感じの戦略を取っていくのか」は決定していますが、具体的な施策に落とし込むには漠然としすぎています。
そこで、マーケティングミックスで要素を分解して具体的に考えることで、実際にマーケティング施策に落とし込めるレベルへと戦略をレベルアップしていきます。
多様な観点から戦略を評価できる
第2に、マーケティングミックスを考えることで、戦略を多様な面から見て、穴のない戦略かをしっかり評価する事ができます。
マーケティングミックスには後でご紹介するように、戦略に抜けや漏れがないかを効果的に確認できるフレームワーク(4P、4C、7Pなど)が存在します。
そうしたマーケティングミックスのフレームワークを駆使することで、立案した戦略がどんな側面から見てもおかしな点が無いか確認することができます。
ターゲットに応じた戦略の一貫性が保てる
第3に、あるターゲットに対して、各マーケティング施策が確実に矛盾しないような戦略を立てることができます。
STP→マーケティングミックスという手順で戦略を分解・具体化していくことによって、マーケティングミックスの各要素がターゲティングやポジショニングを前提として決定されます。
それにより、前提となる「顧客」に対して、あらゆる要素が一貫性を持って訴求できるような戦略を作ることができます。
マーケティングミックスのフレームワーク3選
上にもありましたが、マーケティングミックスの強みである「具体性」「一貫性」「多面性」を保って戦略を立案するためには、網羅的なフレームワークが必要になります。
今回は、中でもよく使われるマーケティングミックスのフレームワークを3つ厳選してご紹介します。
企業側の視点を網羅したマーケティングミックス「4P」
最も有名なマーケティングミックスのフレームワークに「4P」というものがあります。これは、マーケティング戦略を以下の4つの観点から考える枠組みになります。
- Price(価格):どのくらいの値段で売るか?
- Product(製品):顧客にどんな製品を提供するのか?
- Place(物流、販売):どのようなルートで商品を売るのか?
- Promotion(販売促進、プロモーション):どうやって顧客の購買を促すのか?
これらは、マーケティングの要素を、価値を提供する企業の側から分析したマーケティングミックスのフレームワークになります。非常に網羅性が高く、伝統的によく使われるフレームワークですが、使い方次第では顧客サイドの視点を欠いてしまいます。
一方で、企業側のリソースに基づいて現実的な戦略を立てられるという点では非常に有効な考え方だといえます。
顧客側の視点を網羅したマーケティングミックス「4C」
上でご紹介した「4P」を、顧客の側から見たマーケティングミックスのフレームワークが「4C」になります。4Cは以下のような要素から成り立っています。
- Cost(コスト):顧客は企業の提供する価値に対してどんなコストを支払うのか?
- Customer Value(顧客価値):顧客はどのような価値を獲得するのか?
- Convenience(利便性):顧客がその価値を、どの程度簡単に得られるのか?
- Communication(コミュニケーション):顧客は企業とのどんなコミュニケーションを通じて価値を認識するのか?
このマーケティングミックスでは、視点が顧客側に大きく寄っているので、本当に顧客の求めているものを主眼においた戦略を立てることができます。一方で、企業にとってそれが実現可能であるとは限らないので注意が必要です。
サービスマーケティングのマーケティングミックス「7P」
サービス業を中心に必要となる視点を盛り込んだマーケティングミックスのフレームワークに「7P」というものがあります。7Pは4Pに以下のような要素を加えることで成り立っています。
- Personnel(人員):どのような人が価値の提供に関わっているのか?
- Process(業務プロセス):どのようなプロセスで価値を提供するのか?
- Physical Evidence(物的証拠):提供価値に物質的な証拠はあるか?安心安全を担保できているか?
「サービス・マーケティング」のためのフレームワークではありますが、有形の商品を提供する際に付随するサービス(アフターケア、カスタマーサポートなど)にも当てはまるマーケティングミックスのフレームワークです。
マーケティングミックスを考える上での注意点
マーケティングミックスは非常に便利ですが、ぼんやりと使ってしまうとその強みを活かすことができません。以下の2点には特に注意して戦略を立てるようにしましょう。
各要素に一貫性があるか?
最も重要なのは、価値を提供するターゲットに対してマーケティングミックスの各要素が一貫してアプローチできているか?ということです。
極端な例ですが、ターゲットがいない場所にコミュニケーションの手段を設置したり、そもそもターゲットにニーズのない価値を提供するのは戦略として本末転倒です。
4Pと4Cを両方考えることで、こうした戦略の上での矛盾を回避しましょう。
要素間でシナジーが発生しているか?
マーケティングミックスの各要素が独立せず、相互作用によるプラスの効果が発生しているかどうかも重要な観点です。
矛盾のない戦略であっても、「価格と製品(この価値をこの値段で得られる)」「プロモーションと物流(物流もプロモーションの一部になりうる)」といった相互作用が発生していなければ戦略として効果的とは言えません。
各要素を最も強力に活用できるような、強い相互作用が期待できる戦略を目指しましょう。
いかがでしたか?
マーケティングミックスには多様な観点がある分、全てを念頭に置いて考え抜くのが非常に難しくなっています。
しっかりと情報を整理して、戦略の立案に役立ててください!
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