逆算思考とは｜積上思考と比較したときのメリット・デメリットを解説

逆算思考はビジネスで重要な思考方法ですが、デメリットも存在します。そして、そのデメリットを補う思考方法として積上（つみあげ）思考があり、これら2つを組み合わせることでビジネスパーソンとして大きな成長につなげられます。

今回は、逆算思考と積上思考についてメリット・デメリットと、どのように組み合わせるべきかを紹介します。

逆算思考とは、目標から逆算して行動計画を設計する思考方法のこと

逆算思考とは、目標（ゴール）と現状のギャップから逆算して必要な要素を洗い出し、全体のプロセスを把握した上で達成するための行動計画を設計する思考方法です。まず、達成したい目標と期限を考えて、こなすべきタスクを洗い出すとともに期日を決めます。

行動計画を実施する際には、スケジュールにズレがないか、漏れているタスクはないかを定期的に確認することが重要です。

積上思考とは、今できる最大限の努力を尽くして目標達成を目指す思考方法のこと

積上思考とは、今できる最大限の努力を尽くして目標達成を目指す思考方法です。逆算思考では目標を考えた後に、必要なプロセスを洗い出して全体のスケジュールを組みますが、積上思考では目標を立てた後、今の自分にできることから行動を始めます。

また、逆算思考で立てる目標は明確な数値を用いて決めますが、積上思考ではおおよその目標を立てることも違いの1つです。

逆算思考のメリット・デメリット

メリット：少ない工数で大きな成長を見込める

逆算思考では行動に移す前に、目標と現状のギャップから必要な工程を洗い出すため、無駄な工程を削減できます。同時に、現在の自分の能力ではなく、将来の理想像を基準に行動計画を立てるため、今できることを行う積上思考よりも大きな目標を掲げられます。

そのため、逆算思考で行動計画を設計することで、少ない工数で大きな成長を見込めるでしょう。また、必要な工程の全体像を見据えて、各工程を完了する明確な期日も決めるため、行動に移さねばならないという危機感から、継続するモチベーションにもつながります。

デメリット：成長を実感するのに時間がかかる

逆算思考では、まず目標および行動計画を立てる必要があり、そのための自己分析や必要な要素などの情報を集めなければならないため、行動に移すのに時間がかかってしまいます。また、具体的な行動案まで立てなければ、実行することが難しい面もあります。

さらに、実際に行動に移してみると足りなかった要素などが見つかり、スケジュールが押してしまう場合があります。この場合、当初立てた目標達成の期日を改める必要が生じ、成長を実感するのに時間がかかるためモチベーションが低下しかねません。着実な成長を感じるためにも、小さな目標（マイルストーン）を設定し、モチベーションが途切れないよう工夫しましょう。

積上思考のメリット・デメリット

メリット：小さな成長を着実に積み重ねられる

積上思考では、行動に移したこと自体が達成感につながる上に、目標に一歩近づいたという充足感を味わえるため、小さな成長を着実に積み重ねられます。成長を身近に実感できることはモチベーションの向上にもつながり、努力を継続しやすいというメリットもあります。

デメリット：大きな成長を見込みにくい

積上思考では、今の自分にできる範囲での行動・挑戦に限定してしまうため、飛躍的な成長を見込みにくいというデメリットがあります。また、目標までの全体のプロセスを把握せずに行動に移すことから、無駄なプロセスを踏んでしまう場合もあります。

さらに、行動やプロセスごとに明確な期日を設けないため、逆算思考よりも危機感を抱くことが少なく、集中力が続かないといったモチベーションの低下も招きます。

ビジネスでは逆算思考・積上思考の両方を組み合わせることが重要である

ビジネスでは効率を求められ、効率よく大きな成長を見込める点で逆算思考は非常に有意義な思考方法ですが、必要な要素を洗い出したり、具体的な行動計画を立てたりすることに時間がかかってしまい、行動に踏み出せない場面が多々あります。

そのときは、まずはできることから行動に移してみる積上思考を活用して着実に成長を重ねるとともに、達成感をモチベーションへと変えて努力を継続できるよう工夫しましょう。