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プッシュ戦略・プル戦略とは?違いや使い分けを解説します

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皆さんは「プル戦略」「プッシュ戦略」という言葉をご存知ですか?言葉は聞いたことがあっても、具体的な意味や実践方法、両者の違いなどはわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回はプッシュ戦略、プル戦略そろぞれの概要や代表的な方法、両者の違いや効果的な組み合わせ例を解説します。

プル戦略・プッシュ戦略とは

プル戦略とは、消費者の自発的な購買意欲を引き出す戦略

プル戦略とは、消費者の興味を掻き立て自発的な購買意欲を引き出す戦略です。自発的な購買行動を促す点が特徴で、引き出すイメージから「プル(引く)戦略」と呼ばれています。

プル戦略は、広告やデジタルコンテンツ、口コミなどを通じて、消費者に製品の認知と興味を喚起させ、最終的には購入につなげることを目的としています。

プッシュ戦略とは、自社商品を積極的に市場に押し出し消費者に届ける戦略

プッシュ戦略は、製品・サービスを積極的に市場に押し出し、消費者に届ける戦略です。この戦略は、製造元から流通業者、小売業者を経由して最終的に消費者へと製品を「押し出す」点に焦点を当てていることから「プッシュ(押し出す)戦略」と呼ばれています。

「プル戦略」と「プッシュ戦略」の違い

プル戦略とプッシュ戦略は、その目的と焦点、およびプロモーション手法が異なります。プル戦略は消費者の関心を喚起し、製品への直接的な需要を「引き出す」ことに重点を置きます。

一方、プッシュ戦略は製品を市場に「押し出す」ことに焦点を置き、流通業者や小売業者を通じて製品の流通を促進します。プル戦略は認知度が高い製品や差別化が可能な場合に効果的であり、プッシュ戦略は新製品を迅速に市場導入する場合に適しています。

プル戦略とプッシュ戦略の代表的な方法

プル戦略の手法

プル戦略の代表的な方法には、以下のものがあります。

  • コンテンツマーケティング
    消費者にとって有益なコンテンツを提供し、消費者の関心を持続的に引きつけます。ブログ記事やYouTube動画、ホワイトペーパー、ポッドキャストなどが含まれます。
  • インフルエンサーマーケティング
    インフルエンサーとの協力を通じて、特定のターゲットに対して製品・サービスを宣伝します。インフルエンサーの信頼性を利用することで、効果的に市場にアプローチできます。
  • 口コミ
    製品・サービスを実際に購入した消費者からの口コミを利用し、購入を検討している人の購買意欲を高めます。SNSで口コミ投稿の収集を目的としたキャンペーンを実施し、口コミを集めるという方法があります。

プッシュ戦略の手法

プッシュ戦略の代表的な方法には以下のものがあります。

  • 流通業者との関係強化
    流通業者に対して特別なインセンティブやディスカウント、リベート、販売支援ツールを提供し、製品を積極的に販売してもらえるよう促します。
  • プロモーション活動の実施
    店頭でのデモンストレーションや特別展示会を通じて製品の特徴とメリットを伝えます。
  • 営業力の強化
    販売員に対するトレーニングを提供し、消費者に対して製品のメリットを効果的に伝えられるようにします。また、販売目標に基づくインセンティブプログラムを設けることも一般的です。
  • DM送付
    企業や消費者の自宅にカタログやチラシなど、自社製品に関する情報を送付する手法です。文章や写真を工夫して魅力的に情報を伝えることができ、一度に多くの対象に情報を届けることが可能です。
  • 電話営業
    見込み客に電話をかけ商品やサービスを売り込みます。電話上で消費者と直接のやり取りが可能です。

プル戦略・プッシュ戦略のメリット・デメリット

プル戦略のメリット・デメリット

プル戦略のメリットは、消費者の需要を引き出すことにより、ブランドの認知度を高めることができる点です。また、消費者のニーズを引き出すことで、今までアプローチできていなかった潜在顧客を獲得できるのも強みです。

しかし、プル戦略は、消費者の興味を引き出すのに時間がかかるため、短期間での売上げ増加が難しいというデメリットもあります。また、広告のメッセージが消費者に正確に届かない場合、投資に見合った結果が得られないこともあります。そのため、市場のニーズと消費者の行動を正確に分析し、戦略を立てることが大切です。

プッシュ戦略のメリット・デメリット

プッシュ戦略のメリットは、製品・サービスを迅速に市場に届けられるため、短期間での売上げを上げられる点です。また、消費者に直接、製品・サービスを売り込めるため、購買意欲を高められます。

しかし、プッシュ戦略には、流通業者や小売業者への依存度が高くなるため、協力が得られない場合、戦略の効果が損なわれるというデメリットがあります。また、積極的に売り込みすぎると、強引な印象を与えてしまい消費者に敬遠されるおそれがあります。

プル戦略とプッシュ戦略の効果的な組み合わせ例

プル戦略とプッシュ戦略で効果を得るためには、両方をうまく組み合わせることが重要です。例えば、小売業者を通じて製品の認知を高めるプッシュ戦略を展開しつつ、同時に広告やデジタルマーケティングを用いて消費者の関心を引きつけるプル戦略を実施することがあります。

効果的な組み合わせ例を以下で紹介します。

新製品を市場導入する場合

  • プル戦略
    ターゲット市場に向けてインフルエンサーを利用したプロモーションを実施します。並行して、SEOが最適化されたコンテンツマーケティングを行い、潜在顧客が製品情報を検索しやすくします。
  • プッシュ戦略
    製品の詳細な情報や無料サンプル、販売インセンティブなどを提供します。また、小売店で消費者に直接製品・サービスに触れてもらえるプロモーションを実施し、店頭で目立つディスプレイやPOP広告を利用して、製品をPRします。

季節商品を促進する場合

  • プル戦略
    SNSキャンペーンやメールマーケティングを通じて、特定の季節イベントや祝日に関連するコンテンツを提供します。
  • プッシュ戦略
    特定の季節イベントや祝日に合わせて、製品を前面に出した店頭プロモーションや特設エリアの設置を行い、消費者の購買意欲を促進します。

高級ブランドを市場に定着させる場合

  • プル戦略
    ブランドストーリーやビジュアルコンテンツなどを配信し、ブランドの独自性と価値を伝えます。併せて、限定版の製品発表やVIP顧客向けのイベントを通じて、ブランド地位を確立させます。
  • プッシュ戦略
    厳選した店舗での展示・販売スペースを確保し、顧客が製品に直接触れられるようにします。製品の独占販売や顧客特典を提供することで特別感を与えられます。

プル戦略とプッシュ戦略を組み合わせることで、製品の認知度を高めると同時に、消費者の購買意欲を持続的に高められます。また、市場の動向や消費者の反応を確認しながら戦略を調整することも重要です。

 

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監修

Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー

河村 和紀(かわむら かずき)大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。
2022年、Baseconnect株式会社に参画。イベントを中心とした、ユーザーとのコミュニケーション領域を管轄する。

主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66

 

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