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AISCEASとは?BtoBへの活用例や他モデルとの違いを紹介
AISCEASという消費者行動モデルをご存知ですか?
SNS時代の消費者行動モデルとされるのですが、実際どのようなものでしょうか?
今回はAISCEASの定義や、様々な消費者行動モデルとの違いを紹介します。
目次
AISCEASとはインターネットの普及が背景にある消費者行動モデル
AISCEAS(アイシーズ)は、注意、興味、検索、比較、検討、行動、共有の7つの段階の流れを示す消費者行動モデルです。
・注意(Attention)
消費者がメディアを通じて、商品を認識する段階です。メディアの具体例として、SNS上の投稿やECサイトでの出品、検索連動型広告での掲載などが挙げられます。
・興味(Interest)
商品について、消費者が「自分にとって購入する価値がある商品かもしれない」と考え、興味を持つ段階です。
消費者に興味を持たれるためには、購入によって得られる価値やセールスポイントなどを十分にアピールする必要があります。
・検索(Search)
消費者が検索エンジンで、商品についての情報を調べる段階です。
この時、消費者が商品に関連している情報にたどり着きやすいように、コンテンツの内容や見せ方を工夫すると良いでしょう(SEO対策)。例えば、消費者が検索しそうなキーワードに関連したコンテンツを制作することで、より効率的に顧客にアプローチを行うことができます。
・比較(Comparison)
消費者が商品の比較を行う段階です。この段階では、主にWeb上で商品の機能や使い方を調べたり、レビューを読むことによって他商品との比較を行います。
・検討(Examination)
消費者が商品を購入するかどうかの検討を行う段階です。どの時代の消費者も行ってきたことですが、インターネットが普及したことで、より情報を自分で収集・決断することが重要になりました。
消費者が検討しやすくするためにも、カスタマーサポートを充実させたりして、積極的な情報提供をしましょう。
・行動(Action)
最終的に購入する段階です。実店舗以外にもECサイトなどの複数の購入ルートを設け、消費者が購入しやすい状況を作ったり、アフターケアのために、保証やサポートを充実させると良いでしょう。
・共有(Share)
SNSやレビュー、ブログなどで消費者が体験を共有します。共有された情報をもとに、新たな消費者が商品を認知したり、比較・検討用の材料として用います。
BtoBの場合、自社サイトでの導入例の掲載や、取引先のWebサイトなどで自社商品について触れてもらうことも共有(Share)の1つの手法です。
AISCEASはAISASよりも慎重な購入プロセスを表すモデル
AISCEASと比較される消費者行動モデルとして、AISASがよく用いられます。
AISASはAISCEASからComparison(比較)、Examination(検討)が取られたモデルです。注意、興味、検索、行動、共有で構成され、商品を見つけ、興味を持ち、検索し、購入し、SNSなどで情報を共有する一連の流れを示します。
どちらもSNSの普及を前提としたインターネット時代の消費者行動モデルであり、消費者がWeb上で拡散行動を取ることが特徴です。
一方で、AISCEASのほうが最終的な購入までに多くの工程があるため、高額な商品の購入やBtoB間の取引など、より慎重な決断を要する取引に用いられやすいです。
AIDMAやDualAISASとの背景、考え方の比較
AIDMAは消費者行動モデルの基本となる古典的な考え方
AIDMAは最も古典的で、消費者行動モデルの基本となるモデルです。
AIDMAは以下の5つの行動から構成されます。
・Attention(注意)
・Interest(興味)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)
AIDMAはインターネットが普及する前に生まれた消費者行動モデルで、注意・興味・行動はAISCEASと同じプロセスを表します。
消費者はマス広告などで一方的に情報を提供されることが特徴で、企業は如何に自社商品への欲求を抱かせ(Desire)、商品の記憶を定着させる(Memory)かが重要視されます。
しかし、近年はインターネットが普及し、消費者は自分で情報を集められるようになりました。また、現代ではSNS上で情報の追跡や、検索エンジンでブックマークなどをするため、マス広告が使われていた時代から認知後の行動が変化し、結果としてAIDMAが衰退し、AISCEASのような消費者行動モデルが登場しました。
一方で、TV広告などのマスマーケティング手法を戦略の中心にする場合は、AIDMAを採用することも考えられます。
DualAISASは広める側と買う側の観点を含んだ考え方
DualAISASもAISCEASと比較されることが多いモデルの1つです。
DualAISASは、従来のAISASどおりの「消費者が物を買うプロセス」と「自分が得た情報を拡散するプロセス」の2つのプロセスを分けたことを特徴とします。
まず、消費者は自分が興味を持った情報をSNSなどで共有し(Share)、第三者がその情報に共感・共鳴します(Accept)。
その第三者はSNS、口コミなどを通じて情報を拡散し(Spread)、誰かの注意・認知(Attention)を起動させる(Activate)というのがDualAISASの仕組みです。
DualAISASはAISCEASよりも、「消費者が情報を拡散し、また新たな消費者が商品を認知する工程」を重視しています。そのため、DualAISASは口コミやWeb上の投稿などで広がりやすいBtoC向けの商品を考える場合に用いられます。
特に若い世代をターゲットとする商品や、Web上で積極的なプロモーションを行っている商品を考える場合はDualAISASが効果的です。
AISCEASをBtoBマーケティングに活用する
決裁プロセス(比較・検討)を正しく理解する
BtoB間の取引の場合、取引金額や規模が大きいことが考えられるため、企業はAction(行動)に至るまでに慎重な購買プロセスをとります。
そのため、AISCEASをBtoBマーケティングに導入する場合、AISCEASの最大の特徴であるComparison(比較)とExamination(検討)を正しく理解する必要があります。
取引先のComparison(比較)とExamination(検討)の段階を考える場合、
- 取引先企業の各人物の決定権、影響力の大きさ、ニーズ
- 所属している部署、役職、社内の組織構造
- 最終的に誰が意思決定を行うのか
を担当者以外の人物についても考える必要があります。
比較・検討を行う人物の特性によって、提供する情報や提供方法などの最適化を行うことで成約率をアップさせることができます。
関係を構築し再びサイクルを繰り返すことが重要
AISCEASでは購入者が情報を共有し、新たな消費者がサイクルを繰り返すほか、既存顧客が新たな商品の取引についてサイクルを繰り返すことができます。
新規顧客が初めて商品を購入した際に、自社との関係構築および信頼の獲得ができていると一連の流れをスムーズに進行できます。
また、長期的な関係を築くことで、相手のニーズを聞き出しやすくなり、組織構造を把握しやすくなる他、最適かつ効率的なアプローチを行いやすくなります。
自社との良好な関係を築き上げるために、丁寧なアフターフォローや、スムーズな情報提供を心がけましょう。
いかがでしたか?
今回は消費者行動モデルの1つであるAISCEASについて解説しました。
SNS時代の消費者行動モデルとされるAISCEASですが、BtoBマーケティングにも是非活用してみて下さい!
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