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コンプライアンスとは?企業にとっての意味や違反事例を解説します
コンプライアンスという言葉をご存知ですか?
耳にしたことはあっても、企業にとってどのような意味があるのかを理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回は企業にとってのコンプライアンスの意味や、コンプライアンス違反の事例を解説します。
目次
コンプライアンスとは、法令や社会的規範を遵守して企業活動を行うこと
コンプライアンスとは、法令や社会規範、倫理観・道徳観などの規範を遵守して企業活動を行うことを指します。日本語では「法令遵守」と訳されることが多いですが、企業にとっては、法令に明文化されていない様々な規範を守ることを意味します。
コンプライアンスは、下の例にあるように、企業の内部統制や外部との取引など様々な場面で重要になります。
- 内部統制におけるコンプライアンス:社内の行動規範の遵守、監視体制の構築、システム面でのセキュリティ強化、情報伝達の仕組みづくりなど
- 取引におけるコンプライアンス:信用調査の実施、問題が発生した時の情報共有・解決のための体制づくりなど
- 従業員に関するコンプライアンス:労働災害、雇用差別、セクハラ・パワハラ、プライバシーの侵害など
コンプライアンスは、企業が社会的信用を得るために必要
コンプライアンスが重要となった背景は、1990年代から2000年代初頭の企業における不祥事の増加です。食品の産地偽装や計算書偽造などの不祥事が相次ぎ、さらに粉飾決算による倒産も増加しました。このような情勢を受け、企業にとって、法令・規範を守って活動し、社会からの信用を得ることがより重要になりました。
さらに、2000年12月に閣議決定された「行政改革大綱」や2006年5月の会社法改正などによって、コンプライアンス体制の確立を促す法整備が進められています。
CSR(企業の社会的責任)を果たすためにも重要になる
CSR(企業の社会的責任)とは、企業が株主・従業員・取引先や地域社会などのすべての利害関係者に対して負う責任を指します。CSRを果たすための取り組みには、次のようなものがあります。
- 企業倫理
企業が守るべき道徳的・倫理的な規範で、法令以外のものも含みます。 - コーポレートガバナンス(内部統制)
組織を監視・統制する仕組みのことです。 - SDGs(持続可能な開発目標)
国連サミットで採択された開発目標で、CSRの達成度を測る基準のひとつとなっています。
これらの内容からもわかるように、コンプライアンスとCSRの内容は密接な関係にあり、コンプライアンスの遵守がCSRを果たすことに繋がります。
コンプライアンス強化のために必要な取り組み
行動規範の整備
企業が正しいと考える行動規範を設定し、周知を図ることが必要です。トップが行動規範を掲げ、研修などを通じて浸透させます。
行動規範に関連する言葉にバリューがあります。バリューとは、企業の行動指針・共有される価値観を文章に落とし込んだものです。バリューを作成・共有することで、一般の従業員も行動規範を意識しやすくなります。
就業規則などの整備
コンプライアンス遵守には、就業規則などの各種規則を整備することも必要です。規則に関しての認識違いが起きないように、わかりやすく明文化し、従業員の誰でも確認しやすい場所に掲示しておかなければなりません。
コンプライアンス推進部門の設置
コンプライアンス遵守を進めるための部門を設置することも求められます。コンプライアンス違反が発生した場合、状況の把握や社内外での対応、トップへの報告などの役割を担います。
コンプライアンス教育の実施
従業員へのコンプライアンス教育も重要です。現場で働く従業員が重大な違反行為に及ばないようにするためには、コンプライアンスの各項目についての理解を促さなければなりません。研修会を実施するほか、インターネットを用いたeラーニングが活用されることもあります。
コンプライアンス違反の事例
船場吉兆の賞味期限切れ食品販売事件
料亭・食品店を運営していた船場吉兆は、2007年10月28日、賞味期限・消費期限の切れた食品を偽装して販売していたことが発覚しました。
さらに、食品の産地を偽装していたことや、無許可で酒類を製造していたこと、食べ残しの食品を使いまわしていたことが発覚し、破産・廃業へと追い込まれました。
フーズ・フォーラス社の食中毒事件
2011年4月21日以降、運営している焼肉店で提供したユッケが原因で食中毒が発生し、100名以上が被害に遭い、5名が死亡しました。
同社は、食品衛生法に基づく行政処分を受け、2つの店舗が営業停止となりました。その後他の店舗も営業を停止し、そのまま廃業しました。
いかがでしたか?
コンプライアンスは、企業が社会的信用を獲得し、CSRを果たすために重要なものです。
この記事を参考に、コンプライアンス強化のための取り組みや違反事例についても押さえておきましょう。
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