「Growth Mindset(グロースマインドセット)」という言葉をご存じでしょうか?グロースマインドセットを身につければ、成長の機会を格段に増やすことができます。
そこで今回は、部下や自分のグロースマインドセットを育む方法を紹介します。
目次
Growth Mindset とは「自分の資質は、経験や努力次第で伸ばすことができる」という考え方
グロースマインドセットとは「自分の資質は、才能で決まったものでははなく、経験や努力で積み上げられるものである」という思考の癖のことです。グロースマインドセットを持つ人は失敗を恐れず積極的に挑戦するため、成長しやすい傾向にあることから「成長型マインドセット」とも呼ばれます。
一方、対照的な考え方として、自分の資質は才能次第であると決めつける「Fixed Mindset(フィックストマインドセット)」があります。この枠組みに入ってしまうと、人は失敗や他人からの評価を恐れて挑戦しなくなってしまいます。
仕事で実績を上げるにはスキル・経験が必要であり、これらは挑戦無しには身につかないものなので、グロースマインドセットを育むことが非常に重要です。
Growth Mindset と Fixed Mindset の場面ごとでの心の持ち方
様々な場面における、グロースマインドセットとフィックストマインドセットの心の持ち方の違いを解説します。一貫して言えることは、グロースマインドセットでは経験全てを成長の糧に変えるというポジティブ思考を持っています。
課題に直面したとき
課題に直面したときは、真摯に向き合わなければ成長できません。
- グロースマインドセット
グロースマインドセットでは、課題を成長の機会と見なして積極的にチャレンジします。また、その課題を多方向から見据えて、様々な手法について試行錯誤を行うため、経験を重ねるごとに効率的に課題を解決できるようになります。 - フィックストマインドセット
フィックストマインドセットでは、課題に直面したとき、失敗を恐れてそれを避けてしまう傾向にあります。また、取り組んだとしても一方向からのアプローチに拘るため、場合によっては成し遂げることができず、課題に取り組むのが怖くなるという悪循環を生んでしまいます。
障害が現れたとき
障害とは、物事に取り組んでるときに生じる問題や、脱さなければならない困難な状況を指します。2つのマインドセットの違いは「集中力」に大きく現れます。
- グロースマインドセット
グロースマインドセットでは、障害が現れても集中力を乱さず、目の前の障害に1つずつ取り組む姿勢が見られます。ただし、障害が多くなると、どうしても集中力が散漫になってしまうことがあるので、適度に休憩を設けましょう。 - フィックストマインドセット
フィックストマインドセットでは、障害が現れたとき、取り組むべき優先順位を見失い、注意力が散漫になってしまうことがあります。困難な障害を後回しにする傾向も見受けられます。
批評を受けたとき
批評・フィードバックを受けたときは、評価の善し悪しを気にするのではなく、中身を意識して振り返らなければなりません。
- グロースマインドセット
グロースマインドセットでは、批評を学びの機会と真摯に受け止め、より成長するために必要なことが何かを模索します。たとえ成功したとしても、その成功を再現できるように評価された点を改めて見直します。 - フィックストマインドセット
フィックストマインドセットでは、批評を攻撃されるものだと思い込んで身構えるため、不評だったところばかり気になります。そして、才能が無いから上手くいかなかったと落ち込んでしまうのです。
失敗したとき
グロースマインドセットとフィックストマインドセットでは、成長できるかどうかの差が失敗したときに最も顕著に現れます。
- グロースマインドセット
グロースマインドセットでは、失敗の原因を努力が足りなかったことに焦点を当て、二度と同じ失敗を繰り返さないように対策を練ります。一度や二度の失敗で諦めることは考えません。 - フィックストマインドセット
フィックストマインドセットでは、失敗の原因を才能が無いせいだと見なし、自分にはできないものと考えてしまいます。場合によっては、周りのせいにしてしまい、反省せずにもう一度同じ失敗を繰り返してしまうこともあります。
他人が成功したとき
他人が成功したとき、その成功を素直に称えて負けじと努力できるか、嫉妬して自分とは才能が違うと諦めるかで成長スピードに大きな差が開きます。
- グロースマインドセット
グロースマインドセットでは、他人の成功を心から称賛します。そして、参考になるものを吸収し、自分の成長に役立てて愚直に努力を重ねます。 - フィックストマインドセット
フィックストマインドセットでは、他人の成功をうらやましく思うあまり、嫉妬してしまい、取り組み方のどこに自分との違いがあるかを探そうとしません。
部下の Growth Mindset を育む方法
コミュニケーションの場を設ける
課題や障害に直面したとき、はじめから自力で乗り越えることのできる人は少ないはずです。そのため、経験やスキルの豊富な上司からアドバイスを伝えることが重要になります。定期的に1on1を設けるなどして、成長を後押ししましょう。
助言の内容としては、部下が課題に取り組む前に、どの視点から物事を見据えるべきかを教示したり、計画をヒアリングして修正箇所を洗い出したりすることなどが挙げられます。
また、部下が上司に気兼ねなく質問・相談をするには、信頼関係が必要です。信頼関係を築くには、仕事に関する相談だけでなく、プライベートの相談に乗ることも大切です。
結果ではなく過程を分析する
結果だけを見て評価すると、成果が残せなかったときに自信を喪失する原因になってしまいます。部下が失敗したときは、失敗の原因を突き詰めて、改善策を提案したり、一緒に練ったりすることが必要です。
一方、成功したときも、その成功を再現できるようにフィードバックを伝えて、改善の余地が無いかを追求しなければなりません。
どちらの場合でも、悪い箇所だけに目を向けて批評しては、部下の自信も無くなってしまいます。取り組んだ過程を見直して、今後に活かすべき修正箇所だけでなく、良かった箇所も伝えて自信を付けてもらいましょう。
中長期的な業績評価を行う
業績評価は中長期的に行いましょう。部下のグロースマインドセットを育むには、挑戦と成功を称賛して自信を付けさせる必要があります。
新しいことに挑戦して成果を上げるには、ある程度の時間を要します。もし、短期的な業績評価を行うと、まだ成果を上げていない段階で評価してしまうことで、自信を喪失させる恐れがあります。
自分で Growth Mindset を育む方法
成功の経験が何よりもグロースマインドセットを育む糧となります。したがって、いかにして成功を掴むかが重要になります。
成功・失敗の要因を追求する
成功した場合でも偶然の成功なら、それは成長にはつながりません。成功の要因を追求して、繰り返し成果を上げられるように努めましょう。また、より良いものを実現するために改善点がないか洗い出すのも効果的です。
失敗したときは、同じ失敗を避けるために原因を探って、次回以降の挑戦に役立てましょう。失敗を才能のせいにしてはいけません。どのような経験・努力が必要かを考え、積極的に学びの機会に足を踏み入れることが大切です。
上司や同僚にフォローされることを厭わない
新しいことに挑戦する際、闇雲に取り組んでは結論にたどり着けないことがあります。行き詰まったときは、上司に積極的に質問・相談をして助言を求めましょう。このとき、どうすればよいかを曖昧に聞くのではなく、自分で練った考えを伝えて誤りや改善点が無いかを尋ねることが大切です。
また、相談しやすい同僚にフォローを求めることも有効です。1人で取り組むよりも多くの視点で物事を捉えることができ、新たな解決策が見つかるかもしれません。
いかがでしたか?
グロースマインドセットを持てるかどうかで、成長の具合とスピードが決まります。この記事を参考に、部下や自分のグロースマインドセットを育みましょう。
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