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価格競争はなぜ起きているのか|避けるべき理由や脱却する手段も解説
近年の市場では価格競争が起こっています。価格競争は消費者の立場からすると、安価で商品を購入でき、よいことのように思えますが、問題点もあります。
今回は価格競争が起きている背景や避けるべき理由、価格競争から脱却するための方法などを解説します。
目次
価格競争が起きているのは商品の差別化が難しくなったため
価格競争とは、商品の値段を安くして顧客を呼び込もうとした際に、多くの企業が同じ手法をとることで、値下げの競争状態になってしまうことを指します。競合との商品・サービスの差別化が十分になされていないときや、市場の需要を供給が大きく上回った際に起こるとされています。
近年の市場では、独自の機能や品質を持つ新たな商品を発売しても、すぐに他社によって似た製品が発売されてしまい、商品・サービスの差別化が難しくなっています。そのため、消費者は機能などによる比較が難しく、価格や量、買いやすさなどで商品を選ぶようになり、企業もそれに合わせて低価格化や大容量化で競合他社に対抗しています。
価格競争は業界全体の疲弊につながる
全ての競合企業が価格競争に参加すると、低価格化が激しくなります。ときには他社の商品に勝つために際限なく価格が下げられることもあり、最悪の場合、多くの企業の赤字や倒産につながります。例えば、過去に牛丼チェーン店同士で価格競争が起きた際は、全体の収益が低下し、業界全体が疲弊してしまいました。
また、とあるファストフード店が価格を抑えるために、より安価な材料や製造場所、人材に変更した結果、材料仕入先の中国企業が使用期限切れの鶏肉を提供してしまうという問題が発生してしまいました。
価格競争を避けるべき理由
- 安売りでは顧客は定着しない
低価格化で集めた顧客は、価格が戻ると離れてしまうという傾向があります。また、価格の安さを重視する顧客は、様々な店舗を使用したがるという傾向もあるため、長期的な顧客を増やすためには、低価格を売りにしない方がよいと言えます。
- 資金力がないと不利になる
価格競争が長く続くと、経営資源が多い企業ほど有利になります。他企業と比べて資金力が少ない企業は、価格競争には参加するべきではないでしょう。
- 価格競争では勝ち続けられない
最安値をつけても、競争相手はすぐにさらに安い値段をつけてくるため、常に自社が業界最安値である、とすることはできません。
価格競争から脱却する方法
機能や価格以外の価値をつける
商品には、機能や価格以外に「情緒的価値」「社会的価値」という価値があります。情緒的価値とは、消費者に「見た目が素敵で身につけたい」「この商品を持ちたい」と思わせるような、情動に訴えかける価値のことです。また、社会的価値とは、使用者だけではなく環境や社会にメリットをもたらす商品に対する価値を指します。
車を例に挙げると、「見た目がかっこいい」「高級感がある」などが情緒的価値に当たり、「排気ガスの排出量が少ない」「リサイクルされた部品を使っている」などが社会的価値に当たります。
こういった付加価値をつけることで、価格が多少高くとも、企業の提供する価値に共感した消費者に選ばれやすくなります。
顧客の潜在ニーズを汲み取った提案をする
現在では様々な商品が数多く販売され、多くの消費者は自分が必要だと思ったものをすでに購入している場合が多いです。しかし購買意欲がないというわけではなく、市場に必要以上に高機能化したものが増えていることもあって、消費者はどういうものを買いたいのか具体的なイメージを持てていない人が多いと言われています。
そこで、消費者自身が気付いていない潜在的なニーズを汲み取ることで、商品をアピールすることができるようになります。
潜在ニーズを引き出す方法については以下の記事で解説しています。
いかがでしたか?
価格競争は自社の業績を悪化させるだけでなく 、業界全体の疲弊を引き起こしてしまいます。価格競争を避けるためには、低価格化以外の方法で商品をアピールし、価格競争から脱却する必要があります。
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