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サービスブループリントとは?作成の基本となる4要素や手順を解説

サービスブループリントという言葉ご存知ですか?
サービスブループリントは、サービス提供にあたって設計されるもので、サービス改善に役立ちます。今回は、サービスブループリントを作成する目的や方法、構成する要素について解説します。
目次
サービスブループリントとは、サービスが提供されるプロセスを、顧客体験・サービス提供者の動きと合わせて時系列で表したもの
サービスブループリントとは、サービス提供における顧客とサービス提供者の動きを時系列で表し、双方の関係を可視化したものです。例えばレストランの場合、食事をする顧客の動きと、顧客の動きに対応した接客やレジ対応といったサービス対応側の動きなど、レストラン全体の工程を可視化したものです。
同じサービスでも提供する方法ごとに、サービスブループリントが複数作成される場合もあります。
カスタマージャーニーマップとの関係性
顧客が購入に至るまでの行動や思考、感情などを時系列に沿ってまとめて図式化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。
カスタマージャーニーマップが「商品に関わる顧客の行動や思考・感情の変化などを、時系列に沿って視覚化したもの」であるのに対し、サービスブループリントは「カスタマージャーニーマップにサービス提供者側のプロセスを追加し、双方の関わり方を可視化したもの」です。
カスタマージャーニーマップの詳細は、こちらの記事をご参照ください。

サービスブループリントを作成する目的
サービスブループリントは、サービス提供者がどのような顧客体験を与えているのか、どのように顧客と関わっているのかを見直すために作成されます。顧客との関り方を見直して、顧客にとって最適なサービスの機会を明らかにし、改善に導きます。
そのほか、複数の部門にまたがって1つのサービスを提供している場合にも、部門間で連携を取りお互いの理解を深めるために、サービスブループリントが用いられます。
サービスブループリントの構成要素
実際にサービスブループリントを作成すると、以下の図のようになります。
ここからは、それぞれの項目や関係性について解説します。
基本的な4つの要素と境界線
サービスブループリントは、基本的な4つの要素によって構成されています。
- カスタマー(顧客)アクション
顧客の行動を指します。 - フロントステージアクション
顧客が直接目にするサービス提供側の行動のことです。
実際に接客する店員の動きや、WebサイトにおけるAIの動きが該当します。 - バックステージアクション
顧客が直接目にすることのないサービス提供側の行動です。
フロントステージアクションをサポートする行動が該当します。
倉庫での在庫管理や厨房での料理などが挙げられます。 - プロセス
サービス提供に伴う組織内での行動のことです。
サービスの価格設定などが挙げられます。
また、基本的な4つの要素は、3つの境界によりそれぞれの立場が明確に分けられています。
- インタラクションの境界線(line of interaction)
顧客の行動と、サービス提供側の顧客への直接的な行動を区別しています。
カスタマーアクションとフロントステージアクションの境界線です。 - 可視境界線(line of visibility)
顧客に見える行動と、顧客には見えない行動を区別します。
フロントステージアクションとバックステージアクションの境界線です。 - 組織内のインタラクションの境界線(line of internal interaction)
顧客への応対を担当する従業員と、顧客と直接的にはやり取りしない従業員とを区別します。
バックステージアクションとプロセスの境界線です。
補助的な5つの要素
サービスブループリントには基本的な4要素のほかに、補助的な5つの要素が存在します。これは、サービスブループリントを補足したり、基本的な4つの要素がそれぞれどのように関わりあっているのかを表したりするためのものです。
- 矢印
要素間の関係、依存関係を表すのに用います。
「→」は、一方向のやりとりを示し、「↔」は合意の必要性や共存関係を示します。 - 時間
時間経過とサービスの良し悪しの関係を表します。
例)会計の待ち時間、料理提供やデリバリーまでの時間など - 規則や指針
システム最適化のために、変更可能な規則や指針を表します。
例)食品の規制、セキュリティポリシーなど - 感情
顧客と従業員の感情を表します。 - 指標
顧客のゴールに対する指標を表します。顧客のゴールとは、サービスを通して顧客が達成したい目標を指します。
顧客の待ち時間や満足度など、数値化できるものを指標にすると、課題発見や解決につながりやすくなります。
サービスブループリントの作成手順
- カスタマーアクションをマッピング
時系列でカスタマーアクションを書き出します。
カスタマージャーニーマップを利用してサービスブループリントを作成する場合、カスタマージャーニーマップの「アクション」をそのまま書き出す場合もあります。 - フロントステージアクションをマッピング
カスタマーアクションに対するフロントステージアクションを記入します。対応するフロントステージアクションが存在しない場合は記入しなくても構いません。 - バックステージアクションをマッピング
フロントステージアクションと連携する内容を記入します。 - プロセスをマッピング
1~3のそれぞれのアクションを補助する内容を記入します。 - 補助的な5つの要素を記入
必要に応じて5つの補助的要素を記入し、関係性を明確にします。
いかがでしたか?
今回は、サービスブループリントの目的や基本となる4つの要素と作成方法、カスタマージャーニーマップとの違いを解説しました。サービスブループリントは、顧客とサービスの関わり方を見直せるため、サービス改善に有効です。この記事を参考に、サービスブループリントを作成してみてください。




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