コンセプチュアルスキルという言葉をご存知ですか?
コンセプチュアルスキルは、物事の本質を見極め、成功に導く計画を立てるために必要なスキルです。今回は、コンセプチュアルスキルの概要と高める方法を紹介します。
目次
コンセプチュアルスキルとは、物事の本質を理解する能力のこと
コンセプチュアルスキルとは、正解を導きにくい抽象的な問題の本質を理解し、物事を理論的・創造的に理解する能力のことで、「概念化能力」と呼ばれることもあります。
コンセプチュアルスキルを持っていると、問題に直面した場合でも、周囲の人が納得できるような理論的な計画を立てることができます
コンセプチュアルスキルが求められる理由
近年、日本では経済のグローバル化が進んできた影響で、マネージャーやリーダーなどの管理職には、企画を立案し実現するための調整能力が必要とされています。
管理職を中心に組織全体の底上げを図り、企業の生産性を向上させるためにコンセプチュアルスキルが求められています。
管理職に求められるコンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルは、「カッツモデル」の中で触れられているスキルです。カッツモデルとは、組織内の役職ごとに必要とされるビジネススキルを分かりやすく整理したもので、アメリカのハーバード大学の経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱した概念です。
コンセプチュアルスキルは、カッツモデルの中で提唱されている「組織内で管理職に求められるスキル」のひとつに分類されています。「組織内で管理職に求められるスキル」には、以下のようなものがあります。
- コンセプチュアルスキル(概念化能力)
物事の本質を把握する能力です。例えば、ひとつの情報から多くの情報を読み取ったり、先を見据えたりする能力が挙げられます。 - ヒューマンスキル(対人コミュニケーション能力)
相手と良好な関係を構築し、人間関係を円滑にするための対人関係能力です。 - テクニカルスキル(業務遂行能力)
業務を遂行するために必要な知識や技術、熟練度です。業務遂行能力と言われることもあります。
パソコンスキルや業界知識など、学習することで得られる知識です。
また、カッツモデルでは管理職を以下の3つの階層に分類しています。
- トップマネジメント 経営者層(社長や取締役、CEOなど)
- ミドルマネジメント 管理者層(部長や支店長、エリアマネージャーなど)
- ローワーマネジメント 監督層(チームリーダーや主任など)
カッツモデル内で提唱されている「組織内で管理職に求められるスキル」と、管理職の3つの階層との関係を表した図は以下のようになります。
カッツモデルでは、このように管理者として階層が上がるほど、コンセプチュアルスキルを高める必要があるとされています。
コンセプチュアルスキルを構成する14の能力
コンセプチュアルスキルは、以下の14の能力で構成されています。
- 論理的思考(ロジカルシンキング)
物事を考える際に、主観的ではなく、様々な要素を体系立てて整理し考える能力 - 水平思考(ラテラルシンキング)
既成概念にとらわれず、多角的な視点で物事を考える能力 - 批判的思考(クリティカルシンキング)
物事を様々な角度から分析し、客観的な目線で批判する能力 - 多面的視野
物事を様々な立場や視点から考える能力 - 柔軟性
時代や社会の流れを柔軟に受け入れ、トラブルに対して臨機応変に対応する能力 - 受容性
自分とは異なる価値観や物事を受け入れる能力 - 知的好奇心
新しい物事に興味を示し、取り入れる能力 - 探求心
物事に興味を持ち追究する能力 - 応用力
ある物事もしくは知識や技術などを、別のことにあてはめ活用する能力 - 洞察力
物事の本質を見抜く能力 - 直観力
自分の積み重ねた経験則を瞬時に引き出す能力 - チャレンジ精神
困難な課題や未経験分野などに積極的に取り組む能力 - 俯瞰力
物事の全体を正確に見渡す能力 - 先見性
物事の先を見通す能力
コンセプチュアルスキルを高める方法
コンセプチュアルスキルは、先天的に持っていることが多いとされていますが、継続したトレーニングにより後天的にのばすこともできます。一般的には管理職に必要なスキルと言われますが、若手社員においても「課題を発見し解決方法が見つけられるようになる」「現場での対応力などが身につく」などのメリットがあるので、積極的にトレーニングを行いましょう。
物事を抽象化して考える
コンセプチュアルスキルを高めるには、物事を抽象化して考えることが重要です。抽象化とは、物事を大きな概念で考えてまとめ、本質を浮き上がらせるという考え方です。物事を抽象化し、「物事の構造がどのようになっているのか」「どのような要素でつくられているのか」に着目すると、物事の本質を見極められるようになります。具体的には、図や表に書き整理するなどのトレーニング方法があります。
物事を言葉で定義し具体的に伝える
抽象化し考えた後には、物事の要素を言葉で定義し認識を深めましょう。物事を言葉で定義することは、自身の能力を具体的に考える際やキャリアビジョンを構築する際に役立ちます。例えば、抽象化した物事に対して「キャリアビジョンとは〇〇のこと」「営業マネジメントとは〇〇のこと」のように定義します。
次に抽象化した物事を具体的に相手に伝えます。物事を具体化すると、自分自身が得た情報を現実に活用することができます。抽象化して考えた物事を実行するために「キャリアビジョンを実現するためには、○○が必要です。そのためには、●●に取り組みます。」「営業マネジメントとは、○○のことです。営業マネジメントを行うには、●●に注意しなければなりません。」など、具体例を入れ相手が想像できるよう話を進めましょう。
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